2024年09月04日

ストーリーが停止しているのはどこか

ストーリーの停滞は、
脚本の罪である。
これを改修していかないと、
リライトにはならない。


まず簡単なチェックをすればよい。
ストーリーが停滞しているところに、
印をつけるのだ。
どこからどこまでかが分かるように、
線を引きなさい。

原理的には、そこのパートが流れているようにすれば、
停滞した脚本ではなくなるだろう。


流れていないとはどういうことか。
展開していないということだ。
同じところをループしたり、
似たようなことになっていて、
展開が止まっているということだ。
(そういう狙いの時は別)

じゃあ、展開すればよい。

展開とはなんだろう。
「焦点を追うこと」または「結果が出ること」ではないか。

だから、
そのパートで追っかけている焦点をリストアップして、
足りなければ足して、
ぼんやりしていたら明確にして、
あるいは、
前の焦点の結果が出るようにするとよい。

焦点が変わるポイントはターニングポイントになるから、
そこは展開していると感じられるはずだ。

ということは、
前のターニングポイントから、
だいぶ同じ焦点のまま、
停滞しているということだ。

ということは、焦点が腐っている、というような見方もできる。
ということは、その焦点が消失した、
として、
新しい焦点に乗り換えるのがいいんじゃないか。

前の焦点を残したまま、
新しい焦点に移り、複数の焦点をキープしてもよい。
しかしそのやり方だと、
また同じことが起こり、
腐った焦点の列が残り続けることになるだろう。

それを断ち切るために、
一度前の(腐った)焦点が、
決着がついた、という風にしてしまうとよい。


アレはいったいどうなる?と、
前に振った部分が、結果が出てしまう、
というのはあたらしい展開をしやすい。

敵は倒せるのか?
という焦点がつまらなくなってきたら、
そいつを倒す、または相手が最強の支配者になる、
という風に一回決着をつけてしまう、
ということだ。

前者だと相手がリベンジすることが次の焦点になるかもしれないし、
新たな敵が出てくることが次の焦点になるかもしれない。

後者だと、敗北からの逆転が次の焦点になるだろうね。

大きな流れ、プロットを無視することになるかもしれない。
しかし、忠実にやっていて腐っているんだから、
ここらで掃除するべきなんだよね。


もちろん、全く新しい焦点を発生させて、
腐ったかと思われた焦点と融合して、
新しい展開にしていく手もある。
しかし腐った材料はあたらしいものと混ぜても腐っていることが多いので、
一回掃除する、全クリアする、
ほうがいいと僕は思っている。
そうしないと次が展開できないからね。


それでまた停滞したら、
同じことをやればいいさ。

すぐにそれになって、毎回それになるならば、
あなたは長編のストーリーを書くのに向いていない。
向いている人が書くべきで、
向いていない人は、
長いものを扱うだけの体力も精神力もないのだと思う。
やめたほうがいいときもあるよ。
短編専門でやる手もある。

それでも長編をやりたいならば、
長編の体力をつけるしかあるまい。

どちらでもよい。



ということで、
ストーリーの停滞は、どんな脚本にでも、
毎回よくあることだ。
だから、リライトで直していく。
停滞が流れになるように。
焦点が新鮮でそれを追っているうちに、
次の展開がめくるめくように。

焦点の乗り換えは、
まるでサーフィンのようである。
波が来ないサーフィンは乗れていないわけだ。


慣れてくると、
「ここからここまでは、〇〇〇という流れ」
などのようにラベリングすることが出来る。
停滞している部分には、
そのようなラベルがつけられない。
だから、空白のラベルを探して、
そこを掃除して、
焦点とか流れを埋め込んでいくことが、
リライトでやるべき仕事だね。


もちろん、腐った部分を全カットする、
という思い切った手術もある。
その前後を直接つなげてみるわけ。

それで足りないところだけ足しとけば、
それでストーリーが進むこともある。
短いワンシーンだけ足せばよい場合もある。
ストーリー次第だ。


あるいは強い焦点を足すとよいこともある。
何かを追う、
やらないといけないことがある、
あることが起こって、対処しなければならない、
勝負の必要がある、
危険が迫っている、
より危険になり、速く決めなければならなくなった、
などを増やすとよい。
強制的に焦点が発生するだろう。
そのパターンをたくさん持っていると、
停滞を救うことができるぞ。
posted by おおおかとしひこ at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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