もう少しこの話を続ける。
縦の時間軸について前記事で見た。
これを横に見る。
キャラクターとストーリーラインが浮かび上がる。
これを眺めると、
一体何人のキャラクターの、
何本のストーリーラインが走っているか、
俯瞰することが出来る。
そして、各ストーリーライン間の影響についてもだ。
どこでどう絡むか分かるので、
順番を入れ替えたりしたときに、情報の順番が狂ったり、
前提が崩れてしまわないか、チェックできるのであった。
で、今回の見方は、
ストーリーラインを増やすことと、減らすことについてだ。
ストーリラインを増やすときはどういうときだろうか。
ストーリーが単純すぎて、
もっと複雑にしたほうがいいときだろう。
あるものごとの解決の縦方向、
つまり解決のための段取りや手数を増やすことは、
単なる引き延ばしになってしまう。
だから、横方向、ストーリーに関わる登場人物を増やしたり、
同じ人物でも別のラインを持たせるようにするとよい。
同じ人物でも別のラインを持っている、
ということは、
「二つの顔(3つ以上でもよい)」を持っている、
ということである。
表の顔と裏の顔、みたいな極端なものでもよいし、
仕事での顔と趣味のときの顔は違う、
くらいに考えてもよい。
部活と家では違う顔だろうし、
男の前と女の前でも違う顔だろう。
リアルとSNSで違う顔なんて当たり前になりつつある。
複垢で多重人格を使い分けている人も増えただろうね。
そんな風な、「その人の違う顔の世界」を、
作ってみるのも面白い。
もっとも、そのストーリーラインと他が一切絡まないならば、
全体から見て存在する意味はない。
だから、何らかのストーリーラインと交わる、
影響を与え合うようにつくると、
それの存在意義が出てくるというものだ。
そのサブストーリーラインが、
重要なサブテーマを抱えていると、
美しい構造になると思う。
さて、逆に減らすことも考えよう。
複雑なストーリーは、
ストーリーラインを減らすとよい。
ある人物の複数のラインの一本がまるっとなくなるか、
人物ごとなくなるわけだ。
単になくすとストーリーの都合が合わなくなるから、
エピソードごと他の登場人物がやることになるとか、
そういう風にして分散していくだろう。
わりと大手術になるわけだ。
あるいは、
複数のストーリーラインを、一本に統合することもある。
あるキャラクターを削除する代わりに、
AとBを融合した、Cというキャラクターに背負わせるやり方だ。
このとき、Cは別にAとBの見た目が融合したとか、
設定が融合しなくてもよい。
Aというキャラクターにやらせる、ということでもよい。
融合するのはストーリーライン、
つまり出来事や行動や結果だ。
Bのそれを全部Aに起きたことにすれば、
Bの出番はなくなるわけだ。
こうして、ストーリーを整理していくことができる。
カットしたり加えたりするのは、
時間軸、縦方向の整理である。
これらで考えているのは、
キャラクターやサブプロットのストーリーライン、
という横の整理というわけだ。
ジョンウーが「レッドクリフ」をハリウッドでつくったとき、
プロデューサーに、
劉備と関羽と張飛を同一人物にしろ、
と言われたんだっけ。
こいつらやっていることは同じだし、
ストーリーラインが独立していない、
と俯瞰して言ったに違いない。
さすがに中国人的には無理だと断ったはずだ。
(関羽が独立するのはずっと先だが、
赤壁の頃の話なので)
バディものは、
同一人物の分化である。
それを再度融合すると、ひとつの人格にまとまる。
そんな感じ。
人格や見た目のフュージョンを話しているのではない。
目的や行動や、場面のフュージョンということである。
ここにもう一本ラインをつくることが出来るのではないか。
このラインとこのラインは統合してもいいんじゃないか。
そんなことを、
縦と横のメソッドの表を見ながら、
妄想することができる。
それと時間軸との兼ね合いを俯瞰できるのが、
この表の優れたところなんだよね。
アイデアを試すには、
頭の中で想像するか、
実際に書いてみるまで分からなかった。
しかしこの表さえあれば、
ちょっと動かした表を書くことはすぐに出来るから、
そう直すとこうなるだろうな、
という予測をすることが出来るんだよね。
そこまで考えて、よしやってみよう、と決断できるわけ。
いちかばちかやってたら、
直す体力がなくなってしまうからね。
なるべく事前にその直しはやる価値があるか、
分るほうがいい。
ということで、
縦と横のメソッドは、
リライトのときに特に威力を発揮すると思う。
単純に出番の調整(出過ぎ、出なさすぎ)にも、
役に立つことだろう。
活用されたい。
2024年08月22日
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