2024年07月27日

【薙刀式】親指シフトのその先

親指シフトはqwertyやJISカナに比べたら、
圧倒的にすぐれた配列である。

だけど、その後つくられた、
親指シフトよりすぐれた配列はたくさんある。
それらは全て、親指シフトの欠点を指摘して、
それ以上のスペックにしたものだ。
それに乗り換えると、その良いところを使い続けられる。

その、乗り換え先を列挙していく。


以下の配列たちは、
すべて親指シフトの欠点をなんらかの形で批判して、
そこを改良する形で誕生した、
ともいえる。

もちろんそれが第一目的ではないかもしれないが、
ここがよくなった、
という点が実質親指シフト批判になっている。


1. シン蜂蜜小梅配列

親指シフトの欠点、
「拗音を打つのに2アクション必要」を、
1アクションに変えた。

しかも親指シフトの濁音同置を発展させて、
拗音同置にもなった。
拗音を生むイ段カナを右手側に置き、
それと左手のマトリックスを同時押しする、
左右同時押しによって、
拗音を1アクションで打つ。

シン版に改良したときに、
半濁音同置にも成功している。

親指シフト(NICOLA版)の欠点は、
「マイナーな半濁音が清音と別の場所にあり、
マイナー故に覚えにくい」だ。
これを同置にすることで解消している。

さらに、親指シフトの欠点、
「指の使用頻度が滑らかになってなくて、
ヒートマップがボコボコ」をも、
滑らかな山になることで、
指の疲労配慮がより行き届いたものになっている。

二つの親指のみで同時打鍵するのではなく、
左右の手の同時打鍵にも拡張した配列だ。

改良親指シフト系の中では、
使いやすい配列だと思う。



2. 飛鳥カナ配列

親指シフトの利便性のひとつは、
「清濁同置」だ。
清音も1アクション(単打または同手シフト)、
濁音も1アクション(逆手シフト)であるのは良いが、
「濁音になる清音は単打でなければならない」
縛りがあり、
マイナー清音も表にいたり、
よく使う濁音が好位置にいなくて、
運指が悪くなることが発生する。

飛鳥は、清濁別置に振り切ったことで、
合理的な運指のみを追求したわけだ。
(その代わり記憶負荷は大きい)

また、連続シフト採用によって、
運指の繋がりを徹底的に練ったことで有名だ。

これはすなわち、
親指シフトは、
「指の繋がりの気持ちよさを計算していない」
という批判である。


飛鳥を触ればわかるが、
ある言葉を打つときに、
指の繋がりがとても気持ちいいように配字されている。

左右交互打鍵だけでなく、アルペジオ運指がとても多いのも特徴。
連続シフトによって、
アルペジオ面が3面あることも大きい。



3. 新下駄配列

親指シフトの最大の欠点の一つは、
キーボードを選ぶことだ。

専用キーボードを使わないならば、
無変換、スペース、変換のどれか二つを親指キーに見立てて、
文字キーと同時押しする必要がある。
ところがそんな都合のいい場所にあるキーボードはなかなかなくて、
これがゆえに、普通のキーボードでは親指シフトは難しい。

新下駄は、親指シフトの逆、
「親指キーに縛られない」を特徴とする。
文字領域キーをシフトキーにしたことで、
左右の手の同時押しを使って、
文字を打ち分けてゆく。

このことによって、
どんなキーボードでも使えることを特徴とする。

新下駄の看板、拗音同時押しも、
シン蜂蜜小梅と同様、
「親指シフトは拗音を打つのに2アクションかかる」を、
解消したものだ。

また、飛鳥と同様、
清濁別置なので、清濁同置に縛られない、
運指だけを重要視した配列になった。

新下駄の特徴は、
統計に基づいた、頻出連接をアルペジオや左右交互など、
高速で打ちやすい配置にしたことだ。

親指シフトの欠点、
「流れるように書くというよりは、
一つ一つを点で打鍵していく」を、
進化させた運指理論を持っている。



4. 薙刀式

「二つの親指を使い分けるのが面倒」
「キーボードを選ぶ」を改良して、
一つの親指キー(スペース)のみ使う、
センターシフト方式を採用。
これによって、キーボードを選ばず、USキーボードでも使える。

最大3キー同時押しで、拗音同置にも成功している。
左手のイ段カナ/右手のやゆよ/濁音、半濁音
の組み合わせで拗音を打つという、
「構成要素同時押し」が、
薙刀式のオリジナルの一つだ。

同じ打ち方で外来音(ティ、ドゥ、ファなど)も、
1アクションかつ同置なのも特徴。

外来音は、
親指シフトの欠点、
「マイナーな小書きが、打ちにくいマイナー位置にあるため、
覚えにくい」を解消している。

薙刀式の特徴は、
清音、濁音、半濁音、拗音、外来音が、
すべて同置であることで、
記憶負荷は最小だ。

親指シフトの、「半濁音、小書きがいつまで経っても覚えられない」を、
最も簡単にクリアできるぞ。


また、薙刀式のウリは、
「日本語の中核フレーズがアルペジオ」という点。

新下駄は統計で使うもの順だが、
薙刀式は日本語の中核のフレーズ順だ。
もっとも、そんな定義はないので、
作者の主観によるものだけど、
多数の人が使いやすいと評価しているため、
大きくは間違っていないと思われる。

これらによって、
親指シフトの流れない運指を、
立て板に水のように流れる運指に改良したといえる。

さらに、薙刀式は弱くて不器用な薬指、小指の使用率を、
極端に下げている。
強くて器用で持久力のある、
人差し指中指を中心に使い、
80%それだけで打てるようにつくられている。


また、薙刀式は、カナの配字だけでなく、
BS、エンター、IMEオンオフ、
カーソル、選択、再変換、ショートカットなどを、
すべてホームポジションから呼び出せる、
編集モードを備えていて、
入力から確定まで、確定から編集までを、
シームレスに展開できるようになっているのも特徴だ。



これらのより改良された配列から言える、
親指シフトの欠点は以下のようである。

・拗音を二打で打たなければならない
・外来音を二打で打たなければならない
・マイナーな半濁音の覚えにくさ
・マイナーな小書きの覚えにくさ

・ヒートマップが滑らかではない
・小指薬指を使いすぎる
・清濁同置ゆえに運指が制限される
・運指がアルペジオを使ってなくて、滑らかでない

・キーボードを選ぶ
・二つの親指を使い分けなければならない

・カナを入力したあとは、遠いキーで操作する必要があり、
 ホームポジションがその度に乱れる
 (BS、Escは小指外にあるものの)


これらを改良した、
新配列たちのほうを僕はお勧めする。
乗り換え先に検討されたし。

どうせ公式サポートは打ち切られたのだから、
自力でメンテしなきゃいけないんだし、
どれ使ってもシステム維持の労力は同じ。
だとすると、
もっと運指効率が良い配列に変えた方が、
よいのでは?


これらの配列に関しては、
いくつか動画が出回っている。
僕が撮影できたものもある。
配列名 動画でググれば見れるだろう。

親指シフトの動画が、
ほとんど出回ってないのも、
僕は怪しいなーと思ってるんだよね。
日の当たる所に出てきて、検証すればいいのに。



(もちろん、これらの批判に対して、
こういうところがいいのだ、
というのが親指シフトにもあるのではないか、
と僕はまだ思っていて、
それを動画で見てみたいんだよね。
理屈がわからなくてもいい所があるのかも知れないし)
posted by おおおかとしひこ at 07:54| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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