設定が重要なのか、キャラが重要なのか、
結局はバランスだ。
設定とは世界設定とか、事件と解決などを言うことにしようか。
そのゆりかごの中で、キャラが動くわけだ。
キャラの性格や動機、癖や設定などなど。
どういう魅力を持っているか、過去、なども含む。
僕はメディアによってバランスが異なると思っている。
映画は設定のほうがキャラよりも重要だと思う。
最悪キャラは役者のアドリブでつけることも出来るから、
ストーリーの根幹に関わるものをつくったほうがよい。
連続ものはキャラが引っ張る。
最初の引き込みは設定が担当するが、
「その後が気になる」のは、
事件の行く末が気になるのではなく、
「あいつらがどうなる?」の、
キャラの行く末だと思うんだよな。
これは、「漫画はキャラ」と言われる経験則とも合致する。
長いこと楽しむ漫画は、
キャラで引っ張るべきであり、
事件や設定で引っ張り続けるには長すぎる、
ということだと思うわけだ。
一方、長編漫画に比べれば一瞬で終る、
映画や単発ドラマは、キャラよりも設定を重視したほうがいいと思う。
連続ドラマといえども、
最近は1クールで終るから、
キャラよりも設定なんじゃないかと思うが、
そもそもドラマは設定よりもキャラ(というか芸能人)が重要、というと、
ドラマ畑の人に怒られるだろうか。
昔ながらの、
半年の2クール(朝ドラ)や一年の4クール(大河)などでは、
設定よりもキャラのほうがはるかに重要な気がする。
3カ月の1クールよりもだ。
これは、
設定に触れるよりもキャラに触れている時間のほうが、
長いからではないかと思う。
脚本に占める時間がちがうということだ。
映画だと、2時間しかないから、
連続ドラマに比べて、設定寄りになる、
ということだと思う。
ネットフリックスなどでも、
同じ法則があると思う。
キャラクターに感情移入して、
キャラクターを追いかけることになるだろう。
逆に、
映画より短い尺のもの、
単発の1時間やショートドラマなどでは、
設定のほうが重要だろうね。
ものごとのキレが重要で、
キャラクターを描いて、
キャラクターに引っ張ってもらう分量は少ないだろう。
なので、
2時間という映画脚本は、
絶妙に、設定とキャラクターがせめぎあう分量なんじゃないかと思われる。
映画が特別難しいのは、
キャラクターを描くには短すぎ、
設定だけで埋めるには長すぎる、
というバランスによるものじゃないか、
と僕は考えている。
ドラマ向きの人と、映画向きの人が脚本家にはあるとして、
設定とキャラクターと、どっちが得意か、
で分類するとわかるかもしれないね。
あなたの脚本は、
どちらが長所でどちらが短所だろう?
設定が弱いのか? キャラが弱いのか?
設定が強いのか? キャラが強いのか?
両方を強くしないと、
たぶん印象に残る脚本には、ならないんじゃないか。
短編でも、キャラを立てて印象に残すことは出来る。
連続長編でも、設定を立てて事件と顛末を印象に残すことは出来る。
あとはバランスだ。
設定とキャラクターのバランスを考えたことがないならば、
考えてみると分かりやすくなるかもしれない。
以前書いた話は、第一稿が設定に偏っていたので、
第二稿でキャラクター性を足して、
いい塩梅にした。
今構想中の話は、コアの設定が面白いので、
他の設定を考えずに、
先にキャラクターを掘っているところ。
トンチキな設定に巻き込まれるキャラクターの面白さを狙っている。
得意と苦手を意識して、
あるいは役割を意識して、
俯瞰的に評価してみよう。
2024年09月21日
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