2024年07月28日

【薙刀式】薙刀式の欠点を考える

親指シフトを批判する形で新配列たちは生まれている。
薙刀式もそのひとつだ。

じゃあ薙刀式が完璧かというとそうではないだろう。
僕もバカではない。
欠点を批判すれば、次のより良き世界になるだろう。


・BSのU位置が英語にも欲しくなる

BSの位置はいまだに最高だと思う。
でも薙刀式以外で、uuuu…となると萎える。
qwertyのBS位置なんて目視しないと打てないのに、
腹が立ってしまうなあ。

今のところ僕の自作キーボードでは、
左親指レイヤーキー+Uに、BSを入れているので、
あまりイライラしなくて済んでいるが、
普通のキーボードを使う時はやっぱしょうがない。


・縦書きと横書きを動的に入れ替えられない

Macやemacsでは、ctrl+fbなどで、前の文字/次の文字が行けるが、
Windowsやその他のエディタでは、
前の文字/次の文字は、
縦書きだと↑↓、横書きだと←→と、
異なるキーコードになっている。

ここで、縦書き用と横書き用のバインドが変わってしまう。
できれば何らかのキーを押すことで、
縦書き用薙刀式と横書き用薙刀式を切り替えたい。

そのために編集モードも、
文字方向と行方向で面を分けているというのに。

少なくともDvorakJでは不可能だけど、
qmkや専用アプリでは可能だろう。

エディタの縦書き/横書きモードに応じて自動的に変わってくれれば最高だが、
なぜWindowsはそうしなかったのか、という感じだ。
(まあ世の中に縦書きの文章があることを、
把握すらしてないだろう)

まあこれは、薙刀式が編集まで手を出していることの問題だ。
他の配列が同じことをやってもぶち当たる壁なので、
薙刀式の欠点というよりは、
OSの欠点とも言える。
IMEで解消できるのならそうしてほしい。


編集モードのカーソルを十字にしていない理由は、
選択や複数文字選択を同居させたいため。
1面の右は使い慣れれば最強なので、
ここに行方向が入らないのは理解できよう。
だけど欠点っちゃあ欠点よね。


・親指を使うこと

親指を使うことそのものが、
そもそもキーボードを使う上で間違ってるのかも知れない、
と最近たまに思う。
8指で使える30キーのキーボードの方が幸せなのでは?
などと思う。
これ用の配列があればいいのになあ、とも。

親指はレイヤーキーとか変換系に当てる配列は、
ありえるかもしれない。


・薬指小指の使用率は極小でよいのか?

僕はそれで幸せだと思うんだけど、
達人は物足りないのかもなあ、とは思う。

ただし、小指や薬指をフルに使って、
一日5000字ペースで書き続けたら、
そんなに人間の指は強くないかも知れない。


・まだ完成とは言えない

がんばります。v16、W裏「ね」でいいような気がするんだが…
すでにv13あたりから、ガッツリ使わないなら、
そう変わらないパフォーマンスだとは思っている。
プロが大量に書く時の微差を詰めてる感じなので。


・3キー同時押しが苦手な人もいる

まあ原理的な問題ということで。好みとしかいいようがない。

・親指キーをシフトに使うのが苦手な人もいる

同時のみにする、同時連続にする、
などはqmkや専用アプリでは可能なはず。
でも親指をそもそも(以下略


・競技タイピング用ではないこと

ヘビーユーザーである僕が今のところ創作文最速なのはまあわかるんだけど、
僕よりせっかちな人が僕より速くなって欲しいなあ、
などと考えている。
そうすれば薙刀式の限界というか、
もっと欠点がわかるはずなのに。

手っ取り早く注目を集めて、
速度プルーフを証明するには、
競技タイピングで結果を出すことだと思う。
新下駄はXAを出していることで格が保たれてるしね。

だけど原理的な問題
(薙刀式は繋ぎの語を速くしていて、
話題の語を速くしているわけではない)があるため、
競技タイピングでいい成績を出す絵が見えない。
毎パソとかの変換あり長文コピータイピングなら、
結果が出るものかしら。

とはいえ、
新配列の沢山の挑戦にも関わらず、
いろは坂、月しかZタイパーになってないので、
そこは如何ともしようがないのかもだ。
層の厚み、才能や努力や年齢で負けてるのか、
配列自体の問題で負けてるのかは、
誰にもわからない。

なので誰か才能のある若手、新配列で食い込んでみて。
RTCの予選の時期に、
新配列だからRTCに出られないのに予選突破クラスのスコアを出す人が現れたら、
状況は変わるだろうが。


・そもそも必要とするユーザーたちがPC音痴

ここが問題なのよね。
目の前の109キーボードもqwertyも、
所詮は人間が定めたルールにすぎず、
それはプログラミングや物理で変更可能だと、
思ってない可能性が高い。

目的が発生しない限り、人は調べ物をしないだろうからなあ。


・OS更新の波に消える可能性

これが常にあるのは、薙刀式だけでなく、
すべての新配列の宿命だ。

だけど「論理配列」なのだよ。
物理に依存しない、論理的関係だけなんだから、
いつでも転生可能(実装さえすれば)なはずなんだ。
配列の中身は実装プログラムではなく、
シフト方式や配字そのものなのだから。

なので、偉い人がんばれ。
そこそこのエンジニアなら、たぶん実装自体はできるでしょ。


・打ちづらいワード

急に現実的に戻ってきたが、
「ひろげる」「ひげき」「ふらふら」
などは極悪運指ワードである。
でも全ての言葉が最高には原理的にならないから、
しょうがないなあと思っている。

現在試行錯誤中のv16(仮)では、
「はじめて」「ために」を救うために、
R裏「め」を再検討中。
本質的な、言葉の中核になる語が、
打ちにくくならないようにはなるべくしたい。




ほとんどは薙刀式の問題というよりは、
周辺を含む問題になってしまった。

それだけ、薙刀式が配列上の欠点を、
ずいぶんカバーして改良されてきたんだなあ、と思う。
もし今後出てくるとしても、
「もはやそれは原理的に解消しない」
までは詰めたと思うので、
それを覆す別原理の配列が、
薙刀式を倒すであろう。



カタナ式を作った時は最高だと思ってたが、
やっぱ打鍵数多いなーと思って、
カナ配列の検討に入った。
漢直が無理だとは思いつつも気になってるのは、
その経験による。
薙刀式を倒す別原理とは、漢直のことかなあ。

それとも他のカナ配列が、
薙刀式よりもっと使いやすく、負荷が少なく、
滑らかな運指を持って誕生するかも知れないし。

気になってるかわせみ配列や、月林檎配列は、
打鍵動画が出てこない。
見てみたいのよね。

あと速い人のqwertyの1500字(変換後)/10分より速い、
自由文の動画もね。
posted by おおおかとしひこ at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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