リライトが何稿か進んだとき、
最初期のバージョンから現在稿まで並べてみて、
比較してみることをお勧めする。
昔何を考えていたのか、
今は何を考えているのか、
整理することをお勧めする。
それは、現在が最高とは限らないからだ。
昔考えていた(が現在忘れてしまっていること)
ことが実現したら、
現在よりも良くなる可能性が0ではないからね。
ああ、これはこうするつもりだったのに忘れているなあ、とか、
これが実現するなら、今のこれはいらないかも、
のように、
相対的に考えられることが、
これをする利点だ。
やり方は、A4一枚程度に、
全稿を並べられることが大事だ。
全部をならべて比較することが目的なので、
2枚になったり、
俯瞰できないものは意味がない。
A4一枚に全部を並べられるように、
表記を工夫すること。
僕の場合、
A4を横に使い、
一番左に、構想時のプロットを縦に書く。
その横に、第一稿のポイントを縦に書き、
以下最終稿まで並べる。
ポイントは、
その稿で足したアイデアを〇で囲み、
捨てたものは×で書くことだ。
そういえばここまではこのアイデアがあったが、
ここで捨てたのか、とか、
ここで足されるまで、
これ以前にはこのアイデアはなかったのだな、
とかの、
稿を改めることで進化してきた歴史を、
俯瞰するためにあるわけだ。
で、
これは、迷路を解くことに似ていると思うわけ。
現在地点は、
このような分岐点を選択してきたことで辿り着いたが、
この時別方向に進んでいたらどうなったか、
などを想像することができるんだよね。
ここでこれを×にしたが、〇のまま置いといたらどうなっただろう、とか、
〇をここで足したけど、足す必要はなかったのでは、
などと、
頭の中でシミュレーションすることが可能になるわけだね。
このことで、
別の、もっといいバージョンに出来る可能性を、
探る、というわけだ。
改稿は、
自分の判断や他人のアドバイスを受けてのことだけど、
誰もその全体像を見ているとは言えない。
だから、
「その原稿を書くこと」そのものを、
俯瞰できる立場にいくことが大事だと思うわけ。
どうせアドバイスする人は、
現在地点しか見えていなくて、
過去に到達した地点がよかったとか、
それよりは進化した、などと評論するわけではない。
それを比較できるのは、
すべての稿の記憶のある、
作者だけというわけだ。
整形のバージョン違いを歴史的に俯瞰することは、
写真でも可能だろうが、
ストーリー自体をバージョン違いで俯瞰することは、
かなり難しいと思われる。
だからこそ、
一覧表にして、比較しようぜ、
ということだ。
というわけで、
これをやると、
「ベストを選択している」
「いや、あの可能性はつぶしていない」
などを判断できるはず。
参考にされたい。
2024年10月15日
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