2024年10月15日

各バージョンの原稿を比較しよう

リライトが何稿か進んだとき、
最初期のバージョンから現在稿まで並べてみて、
比較してみることをお勧めする。


昔何を考えていたのか、
今は何を考えているのか、
整理することをお勧めする。

それは、現在が最高とは限らないからだ。
昔考えていた(が現在忘れてしまっていること)
ことが実現したら、
現在よりも良くなる可能性が0ではないからね。

ああ、これはこうするつもりだったのに忘れているなあ、とか、
これが実現するなら、今のこれはいらないかも、
のように、
相対的に考えられることが、
これをする利点だ。


やり方は、A4一枚程度に、
全稿を並べられることが大事だ。
全部をならべて比較することが目的なので、
2枚になったり、
俯瞰できないものは意味がない。
A4一枚に全部を並べられるように、
表記を工夫すること。

僕の場合、
A4を横に使い、
一番左に、構想時のプロットを縦に書く。
その横に、第一稿のポイントを縦に書き、
以下最終稿まで並べる。

ポイントは、
その稿で足したアイデアを〇で囲み、
捨てたものは×で書くことだ。
そういえばここまではこのアイデアがあったが、
ここで捨てたのか、とか、
ここで足されるまで、
これ以前にはこのアイデアはなかったのだな、
とかの、
稿を改めることで進化してきた歴史を、
俯瞰するためにあるわけだ。

で、
これは、迷路を解くことに似ていると思うわけ。
現在地点は、
このような分岐点を選択してきたことで辿り着いたが、
この時別方向に進んでいたらどうなったか、
などを想像することができるんだよね。

ここでこれを×にしたが、〇のまま置いといたらどうなっただろう、とか、
〇をここで足したけど、足す必要はなかったのでは、
などと、
頭の中でシミュレーションすることが可能になるわけだね。


このことで、
別の、もっといいバージョンに出来る可能性を、
探る、というわけだ。


改稿は、
自分の判断や他人のアドバイスを受けてのことだけど、
誰もその全体像を見ているとは言えない。
だから、
「その原稿を書くこと」そのものを、
俯瞰できる立場にいくことが大事だと思うわけ。

どうせアドバイスする人は、
現在地点しか見えていなくて、
過去に到達した地点がよかったとか、
それよりは進化した、などと評論するわけではない。
それを比較できるのは、
すべての稿の記憶のある、
作者だけというわけだ。

整形のバージョン違いを歴史的に俯瞰することは、
写真でも可能だろうが、
ストーリー自体をバージョン違いで俯瞰することは、
かなり難しいと思われる。
だからこそ、
一覧表にして、比較しようぜ、
ということだ。


というわけで、
これをやると、
「ベストを選択している」
「いや、あの可能性はつぶしていない」
などを判断できるはず。

参考にされたい。
posted by おおおかとしひこ at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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