はなんだろう。自作でピックアップしたまえ。
練りに練った、凝ったセリフだろうか。
ふとしたときに漏れた、とても短いがリアルなセリフだろうか。
万感の思いが詰った、
とても原始的で簡単な言葉だろうか。
なんでもいいよ。きちんと書いた作品ほど、
セリフにいろいろ込めてあるだろう。
他の作品にはないオリジナリティ、
他の作品にはない感情、
他の作品にはない言葉の組み合わせ。
色々あると思う。
で。
それらがポスターに書いてあって、
キャッチコピーになるかな?
って考えてみるんだよ。
たったひとつだけ、
キャッチコピーに使うとしたら?
と想像してみるわけだ。
これは何をしているかというと、
「もっとも大事で、オリジナルで、
かつ作品を象徴するセリフはどこか?」
を探そうとしているわけだ。
もしそれが、
ストーリーの骨格になる部分に来ていたら、
しめたものだぞ、ということだ。
ラストのセリフとか、
第一ターニングポイントのセリフであるとか、
ミッドポイントであるとか、
ボトムポイントで逆転ののろしを上げるセリフであるとかだ。
逆に、なんでもないシーンでのセリフに、
いいものがある場合もあろう。
骨格の結節点にいいセリフが多いときは、
ストーリー展開が多分しっかりしている作品だ。
がっと状況が動くときに、ぐっと来るセリフがあるわけだから、
状況と心の動きが一致している、ということ。
結節点じゃない、何気ないところにいいセリフが多いときは、
日常の隙間にいいポイントが多い映画だってことだ。
ストーリー展開というよりは、
キャラクター重視の映画になるだろうね。
僕は、どっちもあるべきだと思っている。
昔書いたものでとくに気に入っているのは、
「大きい器はな、水をためるのに時間がかかるんや」
(だから焦るな、という意味で)
という、日常の一場面で書かれたものだ。
(「いけちゃんとぼく」の清じいのセリフ。オリジナル)
結節点が重要な話では、
やはりそこにいいセリフを書きたいね。
ゆるいところが重要な話では、
やはりそこにいいセリフを書きたい。
明智光秀の物語では、
「敵は本能寺にあり」が重要な結節点のセリフになるよね。
つまり、
あなたが書いている作品は、
どういう空気感の物語なのか、
ということを、
セリフを抽出することで、俯瞰してみようぜ、
ということだ。
で、さきほど抽出した一番大事なセリフを、
キャッチコピーに使えるか?を考えよう。
文脈依存すぎたら使えないだろうね。
テーマを言っていても、ネタバレになってたら使えないだろう。
もし使えたら、使ってみれば、というだけのことだ。
でももし、まったく別の言い方で、
同じことを言えるならば、
それがキャッチコピーになるかも知れない。
逆に、キャッチコピーとは、
そのような本質の抽出をしてから書くものだ。
いいセリフはいくつある?
10でも20でもいいよ。
自信があるものも沢山あるだろう。
それらを眺めるだけで、
その物語の出来が分る。
骨格の結節点か、ゆるいところか、
一番大事なのがどこにあるか、
などがセリフで分ってしまうものだ。
2024年10月26日
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