そういえば見てなかったと思い、
「デイズオブサンダー」を見た。
カーレース版トップガンと言われるストーリー。
ハスラー2とも似ている。
で、wikiを調べると、
トムクルーズ様式のストーリーが分析されてたので引用する。
---引用ここから、wikipedia デイズオブサンダーより
本作について肯定的な評価を下したロジャー・イーバートは、以下のように指摘している。「本作はある意味でトム・クルーズ映画と呼べる様式に正確に則った作品である。トップガン、ハスラー2、カクテルで同じ様式が用いられており、一部では嫌悪の声も挙がり始めているが、本作の成功はクルーズ映画の主要成分がまだ有効と言うことを示している。それは以下のようなものが含まれているであろう。」
1. クルーズが演じる若者の性格は、常に作中最高の実力を持つ可能性のある、素朴で自然な才能のある「子供」である。
2. 「指導者」となる壮年男性は、若者が来る遙か以前からその世界で働いており、若者の才能を見抜く。時として若者の自由な精神が彼の許容を上回り、きつく叱る事もあるが、基本的には親が子を信じるような信頼関係の中にある。
3. 「特別な女性」の存在。大概は若者よりも年上で落ち着いた性格。指導者が若者を身体面で指導する傍ら、若者の精神面の指導を行い、支えていく事になる。
4. 若者が習得しなければいけない「技能」の存在。
5. 若者の実力が試される「舞台」の存在。
6. 神秘的な伝承や「専門用語」の類が作中に無数に存在し、若者も視聴者も映画を通じてそれを学ぶ事になる。
7. 聖櫃のような絶対的な「目標」の存在。それは指導者と若者、その他の人物全てが目指す共通の目標である。
8. 「序盤の悪役」の存在。決まって不良じみた男性で、若者を挑発して鍛錬に向かわせる原動力となる。若者とははじめ激しく反目し合うが、火の洗礼(英語版)のような出来事を経て、友情関係となる。
9. 「真の悪役」の存在。若者の才能、学習能力、ヒロインとの愛、得られた成果の全てを試す為に舞台に立ち、目標の最大の障壁となる、悪意を持つ強い男性である。
---引用ここまで
前半のバチバチのライバル
(車椅子でも張り合い、レンタカーでもぶつけ合うのが、
かなりよかった)が、
事故によって体調悪化、
そいつの代わりに走るチャンスを得る、
というのはかなり面白かったが、
結局はアイツどうなったんや、が尻切れトンボになるのが、
どうかなーって感じ。
ラスボスが後ろからぶつける時に、
指差しをやる、くらいしかキャラが立ってなかったので、
誰だっけお前、ってなるのが微妙だったね。
(車やヘルメットが毎回変わるので、
誰が誰か分かりにくいのも敗因)
たしかに、
主人公とメカニックのジジイとの関係はよかったが、
ハスラー2と同じといえば同じ。
そしてハスラー2のほうが、
向こうがずっと欺いていたのだ、
やられた、となる感じが痛快なのに比べて、
擬似親子どまりなのがぬるく感じてしまう。
この物語のオリジナリティは、
やはりライバルとの関係性だと思うんだけど、
ジジイが柱なのか、ラスボスが柱なのか、
どっちつかず、となってるのが微妙なところだ。
ニコールキッドマンは美しく、
トップガンの教官の上位互換なのはとてもわかる。
(そしてトップガンより丁寧に描かれているが、
トップガンなみにすぐに口説いてしまう)
トップガンの同工異曲、
と評されるのも仕方がないな。
そういえばトップガン2でも、
傷ついた友人がいてその代わりに、
的なアイスマンのシーンがとても良かったのだが、
今回のライバルの、
病が発覚して病院を勧めるビリヤード台のシーン
(これ自体はとても出来が良かった)と、
似てるっちゃあ似ている。
トムクルーズは同じ話に出ている。
そう言われても仕方がない似た感じ。
キムタクはいつも同じ役をしてるのに似ている。
スケールが違うけど。
成功体験を繰り返しているのだろうか?
それしか出来ないのかな。
まあ、スタアというのはいつも同じ役を期待されるからな。
これに反省したのか、
ミッションインポッシブルシリーズで、
常に監督を変えていく、
というのはとてもいいプロデューサー的なアイデアだなあ。
しかし脚本がロバートタウンで驚いた。
「チャイナタウン」は常に脚本の教科書に出てくるからね。
調べると、
ミッションインポッシブル1と2も書いてるんだってさ。
すげえ人だ。
トムクルーズ映画から立ち上る、
「古き良きハリウッド」の匂いは、
そういう伝統様式なのかもしれない。
逆に、
そういう様式美を知りたければ、
デイズオブサンダーを研究するのは、
勉強法としてはありかな。
この感じが現代では通用しなくなっている、
ということも含めてね。
同時期、セガのデイトナにハマってたけど、
トップガン→スペースハリアー、
デイズオブサンダー→デイトナ、
という関係性だったのね。なるほどって理解。
ただ、
「戦闘機の見たこともない映像」に比べて、
「ぶつけたりスピンしたりして、
同じところをグルグル回ってるだけ」
のレースは、刺激としては減退した。
(音はメチャクチャいいです。録音賞にノミネートされたのもわかる)
自分だったらどう仕上げるかなー。
ラスボスのキャラを立たせるだろう。
ジジイとの関係で終わっていいのかも悩ましい。
最後の表彰台まで競争だ、
も悪くないが、もっといいラストがあったろう。
そうそう、大義名分か。
トップガンにはソ連との冷戦という大義名分があったが、
インディにはないのよなー。
「なんのために走るのか?」
が空白だった気がする。
目的はあり、皆がそれに向かっているのだが、
主人公の動機が空白なのよな。
親父に裏切られたから、擬似親父を見つける、
のは内的ストーリーとしては正しいが、
外的ストーリー、レースに優勝するが、
「なんのため?」がなかったな。
「ライバルの代わりに」は、途中から追加された要素なので、
大きくはAストーリーが出来てない、
と批判できそうだ。
ハスラー2では、
「その全部が作戦だった」という、
見事などんでん返しがあったから、
Aストーリーが化けたんだよね。
トムクルーズを見る上で、
貴重なミッシングリンクが埋まった気がする。
歴史的批評をする上で貴重な作品。
音楽がトップガンより微妙なので上がらない。
デンジャーゾーンが足りない。
セガのデイートーナーを聞かせてやりたいぜ。
「デイズオブサンダー」のタイトルが回収されないのも、
片手落ちな感じだ。
「レースカーのエンジン音は雷よりうるさいんだ。
夜眠る時耳鳴りがする。ゴロゴロゴロゴロと、
雷よりうるさい音が、眠りぎわにずっとしている。
眠れないかって? むしろ心地いい。
俺はここにいつも帰ってくるんだ」
みたいなシーンがあるだけでも良かったのになー。
(注 サンダーはゴロゴロの雷鳴、ライトニングが稲光)
2024年08月06日
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あっ
わざわざ昔アフターバーナーの360度回るR360
(当時50円ゲーセンが普通の時に1プレイ500円)を、
梅田までプレイしに行ったこともあるのに…!
ハリアーの名前に引っ張られてしまった…
(結局あの手の3Dって円軌道を描いてたら大体避けられた記憶)