2024年08月06日

【薙刀式】同時打鍵配列の問題点

Twitterから。
> 新下駄、2年の月日を経て多分ローマ字より早く打てるようにはなったと思うんだけど、「します→ざす」とかのお決まりの誤打鍵が全然減らないのと、PCが重くなると同時打鍵を取りこぼして使い物にならなくなるので、矯正するなら単打のかな打ちが最強だったのではという気がしてならない

新下駄では
します LXZ
ざす (LX)Z
なので、この問題は原理的な部分。
左薬指下段という、コントロールが効きにくいポイントというのもあるかも。



対処法は、
「シフトキー前後の左右交互絡みで、
化けそうなやつは全部覚えて、
そこだけ意図的に速度を下げる」
しかない。


同様に文字領域同時打鍵を多用する薙刀式では、
「両方押してる時間が少しでもあれば同時、
一切ない、つまりロールオーバーなしなら同時ではない」
という定義の仕方をしている(相互シフト)ため、
打鍵時間とは関係なく打てるようにはなっている。

しかし、
「特定の化けやすそうな連接には気をつける」
というのは同じだ。

僕は薙刀式を無意識化してることもあるから、
無意識で減速する癖がついたのかもしれない。
あるいは、
「化けやすいのはよく使う組み合わせだから、
そういうので化けにくいようにカナを動かす」
が最近のずっとテーマで、
まだそれを調整中だったりする。


新下駄はおそらく、
「化けやすい連接は避けて配置しよう」まで考えてなくて、
「打ち手の工夫でなんとかしよう」止まりではないかと思う。
実際それでも速いので、
実用上たいした問題ではない、
という判断なのだろう。

とはいえ、「します」は頻出なので、
その化けを毎回気をつけなきゃいけないのは、
どうなんだろうな。


よく使う連接で化けやすいリストを、
作者のkouyさんがつくっていて、
それによると、

しん([L][F])
かい([D][K])
いん([K][F])
こと([I][S])
ひと([P][S])

は気をつけるべきリストの筆頭。
結構メジャーどころだ。
その他は以下で確認できる。
表の、ROに×がついてるのが気をつけるべき化け部分。
https://y-koutarou.hatenablog.com/entry/2016/08/29/001701

から とい んし いる いの とう が、
あたりもダメかー。結構あるね。

これを多いと見るか、
他が良いからヨシとするかは、
使ってみた人の判断であろう。


薙刀式はそれを一つずつ潰して、
現在の版になっている。
化けを潰してかつ使いやすい配置を練るのは、
やっぱ時間がかかるよなあ…




また、
PCが重い時に同時打鍵判定が、
という問題はもうどうしようもないですね。

こちら側から、
「こいつは絶対PCの作業メモリを確保して、
あとは重たくなっても良い」
みたいな割り当てが出来そうだけど、
どうやるのかがわからん。

出来ないはずはなさそうなので、
知ってる方いたらコメントください。
(「まずそのことをなんと呼ぶか」が分からないと調べもできないのは、
真名を知る魔術とおんなじやんけ)


OS側が提供する配列を使うのは、
たしかに安牌ではあるものの、
JISカナとqwertyローマ字の出来の悪さといったら、
史上最低の出来の映画に匹敵する。
(そうだな、最近だと「we are little zombies」かな)

だから二択を強要されるのが腹立たしい。
OS側で新下駄を提供できれば何の問題もないのになあ。

ということで、
OSに近い人、紅皿的なものを、
内部に入れてください。



同時打鍵に関しては、
親指シフトロジックの詳細な説明が、
「空飛ぶ親指シフト」に記載されている。
すぐれた方法論ではあるが、
これをPC側でやったら同じ問題に巻き込まれるので、
キーボード側で処理してるのがそもそもの利点だろう。

やはり自作キーボードはすべてを解決するのかねえ。


同時打鍵は、
判定ロジックをどこでどう処理するか、というハード的な部分と、
その同時打鍵が連接の中で何に化けやすいか/にくいか、
という論理的な部分に分かれる。

問題を切り分けて議論したいところだね。


何かが尖ればどこかは引っ込む。
その欠点を抱えながらも付き合えるか、
は個人の判断になるだろう。
だからそれらは明記されるべきだ。

作者も気づいてないのがあるから、
使ってみた人の体験談は貴重なんだよな。
posted by おおおかとしひこ at 13:50| Comment(6) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「PCが重い時に同時打鍵判定が、という問題」は、
DvorakJなら(ソースコードの一番最初に実行されるところにたった1行、Thread, Interrupt, 33, 1000 を追加するだけで)直せると思います。
が、キーリピートがおかしくなる別の不具合が起きるんですよ。

今のところ新下駄配列を使うには、キーを押した順序をしっかり守るRealforceキーボードに「かえうち」の組み合わせるのがもっとも確実でないでしょうか。
Posted by とる at 2024年08月06日 21:16
>とるさん

現実的な対症療法をありがとうございます。

PCと独立したキー入力→論理配列→IMEまであると完璧なのかなー、
とあとで思いました。FEPの思想をキーボード側でやっちゃう的な。
それがうまく行ってるのがフリックなのかもなあ。
Posted by おおおかとしひこ at 2024年08月07日 00:32
新下駄配列の誤認識問題は、デバイスとの相性でよく起こりますね。かえうちは個人的には一番誤認識が多くてチューニングが難しいように感じていて、大岡さんがおっしゃるようにQMKなどの自作キーボードが一番入力ミスは少ない気がします。

ちなみに自分はやまぶきRとKarabiner-Elementsを使って新下駄を打っている間は、打鍵ミスに遭遇したことはあまりないです。
Posted by 船津 at 2024年08月08日 13:19
>船津さん

OS、物理キーボードでも左右されそうですね。
MacはMagickeyboard一択だから物理差が少なくて済むけど、
Winは環境差物理差が大きそう。

キーボードの形で打鍵スタイルも変化するので、
その辺で誤打鍵があるかも知れないし。

僕個人は、しますとざすの打ち分けは無理と感じました。
Xとか超苦手なので。


論理配列を快適に使うには、
結局キーボード難民やらないといけないのが、
ちょっと人に勧めにくいところですね。
人はそこまで文房具に金をかけないので。
(1000円キーボード以外の選択肢を知らないし)

同時打鍵の誤認識と物理は、
人によっても相性が変わるのかしら。
人によっていうことがまちまちならそれもあり得る…
Posted by おおおかとしひこ at 2024年08月08日 13:30
「かえうち」は最善ではないんですか。

薙刀式はQMK(または他のキーボード内蔵ファームウェア)が一番良さそうです。

自分で設計した42キー格子配列キーボードcoconut42が半月前に完成しました。
QMK薙刀式を入れて使っています。

慣れの問題か、入力ミスが多いんですけどね。
Posted by とる at 2024年08月13日 20:15
>とるさん

かえうちは最善ではない、という人も結構見ますね。
設定の仕方をミスってるだけ説もなくもないので、
みんな設定を公開すればいいのになーなんて思ってます。

まああとかえうちはなかなか再販しないのはありますね…

QMK薙刀式は運用としてはベストだと思いつつ、
他のエミュレータから移ると慣れない可能性もあります。

そもそもエディタ変えるだけでも慣れの感覚って変わるので、
原因がどこにあるか特定するのは難しいこともあるなあと。
Posted by おおおかとしひこ at 2024年08月13日 21:32
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