鬼の絵、天気雨の夕暮れ、母親の失踪。
適当に書いてみた不穏なこの3つ。
実は適当に書いたのでなんの因果関係もないんだけど、
人は勝手にこれに線をつなごうとするよね。
つまり、鬼の絵を描いたのは母親で、
それは人の暗部に触れて気が狂ったか、
その怖さを告発したかったからで、
天気雨のような不思議な時に触れて、
ついに家出を決意したのだ、
などのようにだ。
僕は適当に3つの点を書いただけなのだが、
人は勝手にこれから一本の線を導こうとする。
推理力、関係性を感じる力、
などというべきなのかな。
一つ二つ状況証拠があれば、
「〇〇君は〇〇ちゃんが好きなんじゃないのー?」
に発展するようなやつだ。
人は複数の点から、
因果関係を見出したがる生き物だ。
シミュラクラ効果の一種とも言えるか。
(3つの点から勝手に顔を認識する、
心霊写真の原理に近いもの)
陰謀論が盛んなのも、
説明できない不可解なことがあって、
それが陰謀という補助線を引けば、
全部線につながって見える、ということだろうね。
だから、人には物語をつくる本能があるようなものだ。
点と点を結んだ、線こそが物語だからだ。
ただ、現実にはつながりにくい点たちがあるから、
物語にはつなげ方の法則みたいなものがあるわけ。
パターンとも言えるだろう。
ジャンルとも言えるだろう。
ある一個の嘘をつくことで、
全部の点を一本の線にできるかもしれないしね。
三題噺は、その物語力(=でっちあげ力)を、
鍛える練習方法である。
テヅカチャートは、次に来て欲しい線の予測力だったり、
前の線の予測力の訓練に使える。
すべて、点と点をどういう線で結ぶか、
この線の先または前の点はどういう点だったら、
この線がおもしろくなるか、
ということを鍛えているわけだ。
点は物語ではない。要素ではある。
その点をどうやって結びつけるかが物語というものだ。
ランダムに3つの意味ありげな言葉を並べてみよう。
それが面白くなりそうならば、
あなたの次回作はそれかも知れない。
2024年11月13日
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