2024年11月13日

人は勝手に線をつなぐ

鬼の絵、天気雨の夕暮れ、母親の失踪。

適当に書いてみた不穏なこの3つ。
実は適当に書いたのでなんの因果関係もないんだけど、
人は勝手にこれに線をつなごうとするよね。


つまり、鬼の絵を描いたのは母親で、
それは人の暗部に触れて気が狂ったか、
その怖さを告発したかったからで、
天気雨のような不思議な時に触れて、
ついに家出を決意したのだ、
などのようにだ。

僕は適当に3つの点を書いただけなのだが、
人は勝手にこれから一本の線を導こうとする。

推理力、関係性を感じる力、
などというべきなのかな。

一つ二つ状況証拠があれば、
「〇〇君は〇〇ちゃんが好きなんじゃないのー?」
に発展するようなやつだ。


人は複数の点から、
因果関係を見出したがる生き物だ。

シミュラクラ効果の一種とも言えるか。
(3つの点から勝手に顔を認識する、
心霊写真の原理に近いもの)

陰謀論が盛んなのも、
説明できない不可解なことがあって、
それが陰謀という補助線を引けば、
全部線につながって見える、ということだろうね。


だから、人には物語をつくる本能があるようなものだ。
点と点を結んだ、線こそが物語だからだ。


ただ、現実にはつながりにくい点たちがあるから、
物語にはつなげ方の法則みたいなものがあるわけ。
パターンとも言えるだろう。
ジャンルとも言えるだろう。
ある一個の嘘をつくことで、
全部の点を一本の線にできるかもしれないしね。


三題噺は、その物語力(=でっちあげ力)を、
鍛える練習方法である。
テヅカチャートは、次に来て欲しい線の予測力だったり、
前の線の予測力の訓練に使える。

すべて、点と点をどういう線で結ぶか、
この線の先または前の点はどういう点だったら、
この線がおもしろくなるか、
ということを鍛えているわけだ。


点は物語ではない。要素ではある。
その点をどうやって結びつけるかが物語というものだ。

ランダムに3つの意味ありげな言葉を並べてみよう。
それが面白くなりそうならば、
あなたの次回作はそれかも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 07:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック