2024年08月21日

【薙刀式】「漢字と日本人」高島俊夫を読んだ

ツイッターで見かけて、
面白そうだったので読んでみた。

日本語をどう入力するのが最適なのか考える配列屋から見て、
そもそも今の日本語どうなってんの?
どうやって今の形になったの?
ってことがはっきりして興味深い。


明治期にそもそも漢字を廃止しようと決定されていたこととか、
段階的廃止を目指して当用漢字を決めたが、
結局あいまいになったまま現在に至り、
常用漢字として結果盛り返してるとか、
知らなかったことがあった。
ああ、日本人的な政治だなあ、
と萎えることになる。

日本語は明治の漢語(外来語を漢字で翻訳したもの。
これは中国に逆輸入されてもいる)
でだいぶ変質したのは直観的に理解していたが、
音を聞いても同音異義が多すぎるが、
文脈によって頭の中で漢字変換している、
という特殊な言語であることが、
非常に興味深かった。
(冒頭では、「かていのもんだい」が、
「家庭」と「過程」でだいぶ意味が変わって来る話があった)


僕が脳内発声を伴っていなくて、
字(概念?)でものを考えて、
書いて、読んでいる、という実感はここなんだよね。
音だけで意味が確定しないんだから、
最初から音を排したほうが速いだろうと。

その問題が、
同音異義が多すぎ、漢字変換をしなければならず、
漢直のほうがいいのでは?
という現在の悩みに直結しているんだなと。

ううむ。根深すぎる問題だ。


逆に、脳内発声がある人は、
漢字変換をどこでどうやっているんだ?

人の話を聞いたときみたいに、
無意識に変換して理解しているのかしら。
自分はわかっているから、
発音という依り代に、漢字の概念が宿っているものかしら。


先日のつなぎの語を視覚化した図で、
つなぎはひらがなで、
残りの漢字の部分がほぼ話題の語だなあ、
と感じた。
話題の語を変換かけて、
あとは高速にひらがなで書いてつなげる、
という書き方が、
薙刀式スタイルなんだなあと感じた。


JIS水準がいかに阿呆かを最後の章あたりで批判していたが、
結局JISの改訂に関わらない限り、
現在のJISはずっとそのままなんよね。

そして、手書き文字よりよほど沢山生まれる日本語たちは、
IMEを通してしか書くことが出来ない。
MS-IMEに時々僕は切れているが、
そんなことをまとめたら、この筆者は発狂しただろう。
(2021に他界。残念だ)

そうそう。幽霊文字の存在もあった。
これは人名や地名の写し間違いであることが、
ある程度判明しているが、
その誤りが正されていない理由は、
「いまさらUnicodeを変えられないから」ですって。
「いまさら辞められないという結論になった
(コロナ禍で旅行業界を応援するキャンペーンを、
第n波の中強行しようとしたこと)」
と同じなんだよね。
政治ってバカなんじゃないかな。

いったん固定したから変えられないって、
qwertyと同じ道じゃないか。
なんというばかばかしさよ。



というわけで、
IMEを作っている人も、
フォントを作っている人も、
知らないことがある。
たとえば柿(かき)と杮(こけら)は、
フォントによっては同じ書体だったりする。
区別つけろや。

無知は正せばよい。
正さないことが一番悪だ。


qwertyが阿呆だとわかっているのに正さないのは、
だから悪なのだ。
僕は薙刀式で倒しに行くぜ。
posted by おおおかとしひこ at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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