一触即発。
微妙に崩れそうになったら元に戻る。
そういう関係はハラハラする。
たとえば、「好きなのか、好きじゃないのか」は、
そういう関係性だ。
二人は意識しているのか、していないのか、
一方だけ意識しているのか、両方意識しているのか、
前に進もうとしているのか、躊躇しているのか、
一歩進もうとしたが、
まだその時ではないと引くとか。
そのじれったい関係性が、ラブストーリーの根本であろう。
もちろんそれだけでは進まないので、
それとは異なるストーリーと同時進行になると思う。
だけど、「好きーチュー」で関係がすぐに変わるよりも、
じっくり危うい関係性をつくりながら進むと、
そのじれったさが良くなったりする。
憎み、殺しあう関係性も同様だ。
いつやるのか、常にピリピリしていて、
仲裁が入ったりタイミングが悪かったりして、
なかなか二人で殺しあえない、
という関係性は萌えるよね。
いつかあの人に〇〇と言いたいが、
我慢している、という関係性もある。
一回その流れになりかかるが、
向こうから言われたことで、
それを言えなくなる、などで進展が止まる場合などもあるだろう。
うまく「進むのか、進まないのか」という状況をつくり、
なるべく引っ張るのが正しい。
連載ものならばそれだけで引っ張り続けるくらいだよね。
その進みそうだが進まないバリエーションを考えるのが仕事みたいになってくるだろうね。
映画は2時間で終わるので、
そんなに「進まない」を繰り返す必要はない。
変化こそが映画の醍醐味なので、
いつまでたっても進まない危うい関係は、
いつかフェーズが変わる。
ルパンと峰不二子の関係は、
シリーズ連載ならまったく進まなくてもよいが、
完結する映画ならば、
一回寝るくらいはやらないといけないね。
その時ほんとうの顔を見せることになるだろう。
危うい関係を描くには、
一触即発を描き、いったん元に戻るが、
そのことが影響して、
もはや前の関係には戻れないことを描くとよい。
そのエピソードが印象的であればあるほど、
その関係性に興味が出てくるだろう。
引っ張るテクニックが重要なのは、
キャバ嬢だけではない。
ああ、進むのか、進まないのか、もどかしい、
と思わせれば、
そのへんのキャバ嬢より人気になるぜ。
不安定なコマは、安定して回るコマよりも、
ついつい見てしまう。
その不安定さこそ、物語である。
2024年12月06日
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