2024年08月31日

【薙刀式】qwertyはあなたの体を蝕む

なんでqwertyを捨てて新配列にしなければならないのか?
私はqwertyで困ってないし、
そこそこ早く打てる。
そういう人はqwertyを続けても良いと思う。

だけど、その非対称で歪な運動は、
確実にあなたの体を蝕むだろう。


たぶん20代では蝕まれまい。
若いし回復は早い。

30代から徹夜がキツくなるのは、
30を超えた人は皆わかっている。
回復力は遅くなる。

40代では徹夜は出来ないことはないが、
しなくなると思う。
回復に2日かかるかもね。

50代は?そろそろ健康診断で引っかかる年代。
どこかにガタが来始める。


その間ずっと、
歪な運動をし続ける蓄積を想像しよう。

骨盤や背骨が歪んだりする人もいる。
左右に差が生まれ、それが蓄積されるからだ。
それはすぐに問題が出ないからこそ、
体に蓄積し続け、いつか爆発するまでの地雷になる。

それと同様程度には、
qwertyの運動は不自然で、
体に負債を蓄積し続ける。


花粉症になる人が、
ある一定量の花粉(たとえば生涯でバケツ一杯)
を吸ったら発症する、
という話を聞いたことがあろう。

僕はそれに似ていると思う。
体の歪みは蓄積し続けて、
完全回復がしなくなった時点で、
少しずつ削り続けて、蝕み、
いつか腱鞘炎という形で発症する。

腱鞘炎ほど分かりやすい形でなくても、
なんかだるい、肩が凝る、首が、目が、
という不調状態を抱えてる人もいる。

それは、
qwertyという歪な運動のせいである、
となかなか気づかないだろう。
目の前にあるのがqwertyしかないからね。


qwertyは歪な運動である。
左小指Aを一番使う。
ホームキーFJはほぼ使わない。
TYという使いにくいものを割と使う。
遠い位置に飛び跳ねた運指が多い。
右小指でエンターBSを取ると、一番それを使うことになる。
-はどうやっても遠い。

左右は揃っていない。
左に傾いたキーは手首のねじれを蓄積する。


ほとんどの人がその歪みに気づかないのは、
蓄積が小さいからで、
まだバケツ一杯に達してないからだ。

先にバケツ一杯ぶんに到達した人、
作家やエンジニアを見ればわかる。
腱鞘炎に悩んだり、
肩こりに悩む人はとても多い。

一体型ロウスタッガードが問題だとして、
左右分割キーボードや、
非ロウスタッガード、すなわち格子配列やコラムスタッガードや、
その変形を使う人もだいぶ増えてきた。
自作キーボードはハードとソフトの知識が必要なので、
おもに理系エンジニアの世界で発達したが、
いずれこの便利さは、
世界に広まっていくと思われる。

ただ、バケツ一杯に達してない人が多いだけで、
いずれそこに到達するだろうからね。


歪みの蓄積を減らすには、
qwertyをやめて、
もっと合理的な指の動かし方=配列を使うことだ。

合理には二つの基準があって、

1. 指の負荷が指の強さに応じてうまく分散していること
2. 指の動きが最小であること

だと思う。

これを実現している新配列では、
「打鍵することが気持ち良い」まである。
指の合理的で小さな運動が、
自然で気持ち良いところまで昇華しているからだ。
また、小さい負荷でどんどん文章が進んでいくという、
「ギアを変えた感じ」が、気持ち良いのである。


これは運動感覚の問題なので、
文章で伝えるには限界がある。

ほんとは「真似して動いてみて!ほら!」
というダンススクールに近いことをやらないと、
体で理解できないと思う。

だけどとりあえず伝えるには文章しかないから、
僕はこうやって伝えている。


qwertyで体を先に壊した人たち、
炭鉱のカナリアたちの話をよく聞くことだ。
彼らはqwertyが原因だと気付いてないこともある。
キーボードの物理的押下圧を軽くしたり、
より高級なキーボードしか知らなかったりするからだ。

根本は、指の動かし方=配列にあると考える。


ほんとうは各配列の、
運指距離を測定して、
1万字書くのに、
○○配列は○○cal使います、
なんて調査もしてみたい。

スクリプト組める人がいたらやってみて。

(指は各打鍵をしたらホームポジションに戻る、
という計算しやすいが現実を反映してないモデルと、
打鍵した指はその場にとどまり、
次の同手が来るまで動かない、
計算しにくいが現実を反映してるモデルの、
両方で調査してみたいものよ)

ちなみに、1万字を書いたときに、
どのキーが何回押されるか、
まではkouyさんがすでに調査している。
https://kouy.exblog.jp/7888078/
(あーまだ新下駄ができる前だったのねー)

任意の文章を食わせると、
各キーのヒートマップを作ってくれるものは、
eswaiさんによってつくられている。
キーボードレイアウトアナライザー:
https://keyboard-analyzer.vercel.app/



配列とはつまり、
「ある日本語文章を書く時の、
指の動かし方の軌跡の総和」だ。

それが最小になるものが、
最も楽な配列になるだろう。

(もっとも、ミスや書き直しがないとか、
変換操作とか編集操作なし前提の数値しか出てこないけど)


それが、
qwertyは歪んでいる。

それを自然で美しくするべきだ。
つまりは合理的で最小であるべきだ。

そうすれば、蓄積の微分量は減り、
バケツ一杯溜まるXデイは遠ざかるだろう。
(老人ほど怯えることになるかもね)



キーボードの負荷は、小さいようでいて大きいと思う。
紙と筆による最小の動かし方は、
習字や学校で習う「姿勢」が教えてくれる。
キーボードという歪んだものの蓄積を減らす姿勢も、
打ち方も、まだ何もわかっていないとすら言える。
(せいぜいピアノを真似したものしかない)

だから僕は、
その歪みを取りたい。

血を吐いて倒れたカナリアの、それがやるべきことだと考える。



qwertyでいいよ、という人は、
花粉が飛び回る東京でいいよ、
と言ってる人にすぎない。
いつかバケツはいっぱいになるぜ。

もちろん、生涯花粉症を発症しない人もいる。
たまたまバケツが大きかったのだろう。

あなたのタイピングのバケツが、
大きいのか小さいのか、知る手段はない。
posted by おおおかとしひこ at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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