なんでqwertyを捨てて新配列にしなければならないのか?
私はqwertyで困ってないし、
そこそこ早く打てる。
そういう人はqwertyを続けても良いと思う。
だけど、その非対称で歪な運動は、
確実にあなたの体を蝕むだろう。
たぶん20代では蝕まれまい。
若いし回復は早い。
30代から徹夜がキツくなるのは、
30を超えた人は皆わかっている。
回復力は遅くなる。
40代では徹夜は出来ないことはないが、
しなくなると思う。
回復に2日かかるかもね。
50代は?そろそろ健康診断で引っかかる年代。
どこかにガタが来始める。
その間ずっと、
歪な運動をし続ける蓄積を想像しよう。
骨盤や背骨が歪んだりする人もいる。
左右に差が生まれ、それが蓄積されるからだ。
それはすぐに問題が出ないからこそ、
体に蓄積し続け、いつか爆発するまでの地雷になる。
それと同様程度には、
qwertyの運動は不自然で、
体に負債を蓄積し続ける。
花粉症になる人が、
ある一定量の花粉(たとえば生涯でバケツ一杯)
を吸ったら発症する、
という話を聞いたことがあろう。
僕はそれに似ていると思う。
体の歪みは蓄積し続けて、
完全回復がしなくなった時点で、
少しずつ削り続けて、蝕み、
いつか腱鞘炎という形で発症する。
腱鞘炎ほど分かりやすい形でなくても、
なんかだるい、肩が凝る、首が、目が、
という不調状態を抱えてる人もいる。
それは、
qwertyという歪な運動のせいである、
となかなか気づかないだろう。
目の前にあるのがqwertyしかないからね。
qwertyは歪な運動である。
左小指Aを一番使う。
ホームキーFJはほぼ使わない。
TYという使いにくいものを割と使う。
遠い位置に飛び跳ねた運指が多い。
右小指でエンターBSを取ると、一番それを使うことになる。
-はどうやっても遠い。
左右は揃っていない。
左に傾いたキーは手首のねじれを蓄積する。
ほとんどの人がその歪みに気づかないのは、
蓄積が小さいからで、
まだバケツ一杯に達してないからだ。
先にバケツ一杯ぶんに到達した人、
作家やエンジニアを見ればわかる。
腱鞘炎に悩んだり、
肩こりに悩む人はとても多い。
一体型ロウスタッガードが問題だとして、
左右分割キーボードや、
非ロウスタッガード、すなわち格子配列やコラムスタッガードや、
その変形を使う人もだいぶ増えてきた。
自作キーボードはハードとソフトの知識が必要なので、
おもに理系エンジニアの世界で発達したが、
いずれこの便利さは、
世界に広まっていくと思われる。
ただ、バケツ一杯に達してない人が多いだけで、
いずれそこに到達するだろうからね。
歪みの蓄積を減らすには、
qwertyをやめて、
もっと合理的な指の動かし方=配列を使うことだ。
合理には二つの基準があって、
1. 指の負荷が指の強さに応じてうまく分散していること
2. 指の動きが最小であること
だと思う。
これを実現している新配列では、
「打鍵することが気持ち良い」まである。
指の合理的で小さな運動が、
自然で気持ち良いところまで昇華しているからだ。
また、小さい負荷でどんどん文章が進んでいくという、
「ギアを変えた感じ」が、気持ち良いのである。
これは運動感覚の問題なので、
文章で伝えるには限界がある。
ほんとは「真似して動いてみて!ほら!」
というダンススクールに近いことをやらないと、
体で理解できないと思う。
だけどとりあえず伝えるには文章しかないから、
僕はこうやって伝えている。
qwertyで体を先に壊した人たち、
炭鉱のカナリアたちの話をよく聞くことだ。
彼らはqwertyが原因だと気付いてないこともある。
キーボードの物理的押下圧を軽くしたり、
より高級なキーボードしか知らなかったりするからだ。
根本は、指の動かし方=配列にあると考える。
ほんとうは各配列の、
運指距離を測定して、
1万字書くのに、
○○配列は○○cal使います、
なんて調査もしてみたい。
スクリプト組める人がいたらやってみて。
(指は各打鍵をしたらホームポジションに戻る、
という計算しやすいが現実を反映してないモデルと、
打鍵した指はその場にとどまり、
次の同手が来るまで動かない、
計算しにくいが現実を反映してるモデルの、
両方で調査してみたいものよ)
ちなみに、1万字を書いたときに、
どのキーが何回押されるか、
まではkouyさんがすでに調査している。
https://kouy.exblog.jp/7888078/
(あーまだ新下駄ができる前だったのねー)
任意の文章を食わせると、
各キーのヒートマップを作ってくれるものは、
eswaiさんによってつくられている。
キーボードレイアウトアナライザー:
https://keyboard-analyzer.vercel.app/
配列とはつまり、
「ある日本語文章を書く時の、
指の動かし方の軌跡の総和」だ。
それが最小になるものが、
最も楽な配列になるだろう。
(もっとも、ミスや書き直しがないとか、
変換操作とか編集操作なし前提の数値しか出てこないけど)
それが、
qwertyは歪んでいる。
それを自然で美しくするべきだ。
つまりは合理的で最小であるべきだ。
そうすれば、蓄積の微分量は減り、
バケツ一杯溜まるXデイは遠ざかるだろう。
(老人ほど怯えることになるかもね)
キーボードの負荷は、小さいようでいて大きいと思う。
紙と筆による最小の動かし方は、
習字や学校で習う「姿勢」が教えてくれる。
キーボードという歪んだものの蓄積を減らす姿勢も、
打ち方も、まだ何もわかっていないとすら言える。
(せいぜいピアノを真似したものしかない)
だから僕は、
その歪みを取りたい。
血を吐いて倒れたカナリアの、それがやるべきことだと考える。
qwertyでいいよ、という人は、
花粉が飛び回る東京でいいよ、
と言ってる人にすぎない。
いつかバケツはいっぱいになるぜ。
もちろん、生涯花粉症を発症しない人もいる。
たまたまバケツが大きかったのだろう。
あなたのタイピングのバケツが、
大きいのか小さいのか、知る手段はない。
2024年08月31日
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