キメラアント編がピークだった。
十二支んの選挙編では、
キメラアント編の余韻をどうしても引っ張ってしまい、
ここまでをキメラアント編としてもいいくらい。
だが暗黒大陸編、
その前哨戦?としての王位継承編は食えない。
原因は、横に広げすぎたことと、
動機の消失かな。
以下ネタバレで。
登場人物が多すぎる。
十二支ん、王子たち、その護衛たち、ハンターたち。
ついでに幻影旅団やら、三つのマフィアまで。
ストーリーラインを増やし、
世界を横に広げすぎた。
これらが縦に時間軸を持ち、
すべて解決までいくのか?と不安になる。
しかもこの時点で主人公サイドはクラピカのみで、
ゴンもキルアもレオリオもジンも、
未登場だ。
「これいつおわんの?」って不安になるのも当然だろう。
なるほどこれが冨樫仕事しろか。
こりゃ無理だよ。
たぶん僕が死ぬまでには終わらないと思う。
登場人物とストーリーラインだけ増えて、
パラレルワールドで横にだけ広げて、
まともに完結できなかった、
幻魔大戦と、構造が同じなんですもの。
ストーリーの縦、
すなわち、主人公の物語の時間軸が、
全然進まない。
これは脚本論でいう停滞だ。
ざっくり言えば、「引き伸ばし」なのだ。
もちろんクラピカの追い求める緋色の瞳を、
ナンバー4王子が持ってるから、
その対決がメイン軸になるのはわかる。
だけどその主軸はまだ出てきてもいない。
幻影旅団への復讐も終わってないし、
クラピカの物語は、ほとんど進んでいない。
急にヒソカとクロロの対決があり、
巻を飛ばしたのかと疑ってしまった。
そしてそのバトルは全然面白くなかった。
なぜか。
すべては、動機の弱さに尽きるのでは?
なんで暗黒大陸に行きたいんだっけ?
なんで王位継承したいんだっけ?
ハンターたちの目的って何?
レオリオは医療従事者として入ったが、
どちらかといえば巻き込まれ型であり、
彼の医者になりたい動機の強さは見えてこない。
唯一動機が強いクラピカが、
ずっと主人公ターンだけど、
緋色の瞳のヒの字も出てこずに、
二週間念を教えてるだけだ。
ゴンに至っては念が消えたし、
ジンとも会っちゃったしで、目的と動機が消えている。
キルアもゴンを生き返らせたので、
一旦動機が消失している。
主人公が動機と目的がないのが、
暗黒大陸編が、まだ始まってもない、
という感覚にさせるのだろう。
今後、壮大な計画があり、
大長編になるのかもしれないが、
このペースでは冨樫の寿命が先に切れるだろう。
にしても、
キメラアント編は多分越えられないと感じた。
命が燃える瞬間が、
キメラアント終わってから感じないんだよな。
まあ、あのキメラアント編を見てしまったら、
あれを超えるのを待ち続けてしまう気持ちはわかる。
だけどこのおもちゃ箱には、
それ以上が入ってない気がした。
なるほど、これがハンターハンターか。
実に惜しい。
2024年09月01日
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キメラアント編についてはいかがでしたか?
最初〜グリードアイランド編
http://oookaworks.seesaa.net/article/504510032.html
キメラアント編
http://oookaworks.seesaa.net/article/504531345.html
に詳しく議論しています。