2024年09月15日

【薙刀式】キーボード配列を変えようとするときによくある心配

1. 英語とローマ字を兼用したい
2. ショートカット困る
3. Vim困る
4. 英語と日本語の切り替えに困る

これらの問題が絡み合ってると思うので、
整理したい。


1. 英語とローマ字を兼用したい

実はこれこそがqwertyの呪縛の、
最初の、最も重い鎖ではないかと僕は思う。

言葉を打つのにqwertyが最適ではないのは分かっている。

では最適とは何かを考えると、
「言葉の連なりに指の連なりが合うこと」だ。
その言葉の連なり方は、
英語と日本語ではまるで音節構造が異なる。
よく使う文字も、よく使う二連接も、n連接も、
全然違う。

中間はない。
どちらにもいい顔をした、
70点ずつの配列はあり得るが、
両方で90点取れる配列はない。

どこで満足するか決めなければならない。

結局、
「26文字を覚えさえすれば日英に使える」
という貧乏根性が、
qwertyをデッドロックさせている原因だ。


反論を二つしよう。

・英語の綴りと日本語の綴りが全く違うので、
 結果二言語分の異なる指の流れを覚える必要がある。
 つまり「運指の共用」は実質ない(たとえqwertyでも)。

・「26文字でも50文字でも、130文字でも、
 一ヶ月あれば覚えられる」事実がある。
 とくに合理的なカナ配列のうち、
 覚えやすいのは、薙刀式、新JIS、月配列。

これを知らないで、
「26覚えれば日英両方使えるから…」と、
ビビってるだけなのだ。

人間の適応力は結構ある。

英語は英語専用の配列、
日本語は日本語専用の配列、
という風に「分けて使いこなす」を、
選択肢に入れられたい。

また、日英をいっぺんに二つ覚えるのは難しいから、
段階的に「よく使う方を専門配列にする」というのはありだ。

英語を英語専門配列として、日本語はqwerty
英語はqwertyで、日本語は日本語専門配列

のどちらかの選択肢もありえる。
僕は以下のこともあって、
英語qwerty、日本語薙刀式の組み合わせを選択している。


2. ショートカット困る

ほとんど全てのアプリが、
qwerty配列の位置を前提にショートカットを組み立てている。
アンドゥは文字Zと関係なく、
「左下隅のキー」だからここに位置するわけだ。
英字配列を変えると、
ショートカットの空間配置がバラバラになってしまう。

そこで良くある対策が、
ctrlやwin、altなどの、モデファイアを押している間は、
qwertyに戻す、というオプションだ。
文字でなく位置でショートカットを使えてれば、
文字のダブりも気にならなくなるだろう。

僕はさらに以下の理由(Adobe用)で、
英語qwertyを使っている。



3. Vim困る

Vimはエディタの一種で、
エディットモードではキー単打でコマンドを起動できる。
ctrlなどのモデファイア経由が不要だ。
(文字を書く時はインサートモードに切り替えて)
Adobeの映像ソフトでも同様の機能がある。

これも上と同様、qwerty前提で、
文字に機能が割り振られているのではなく、
空間位置に機能が割り振られているため、
配列を変えるのは操作系の混乱を引き起こす。

なので、
・Vimmerは配列変更できない
・英語はqwerty死守、日本語だけ専用配列に
・配列変更したキーボード(自作)と、
 Vim操作専用に割り切ったqwertyの二本差し
・Vim操作かつ英語専用配列を自作する
・Vimにその配列を食わせるようなスクリプトを書く
などの選択肢がありえる。

今のところ楽で合理的な解はない。


4. 英語と日本語の切り替えに困る

Windowsの公式のIME切り替え法、
Alt+`でトグル、全角半角でトグル
英数(A横のキー)でIMEオフ、ひらがなキーでIMEオン、
というのは、
どれもクソみたいに使いにくい方法だ。

スペースの左右の、
英数キーでIMEオフ、
かなキーでIMEオンの、
Macのエレガントさを見習え。
(Win11以降、無変換/変換でMacと同等になった)

僕はこれでもまだ足りない。
なぜなら統一規格のあるMacと異なって、
Windowsでは、
無変換と変換の位置がメーカーごとに違い、
統一されてないからだ。

(JIS規格には親指部を定める規格がない。
各メーカーの歴史があって統一できなかったのだ。
この玉虫政治が日本のクソ)

言語の切り替えが合理的でない道具で、
切り替えて言語を打つんだぜ?
バカじゃねえの。


ということで、
薙刀式では、
FG同時押しでIMEオフ(英語qwerty)、
HJ同時押しでIMEオン(カナ薙刀式)、
という、
キーボードによらない切り替え方式を開発した。

標準運指では同時押ししない組み合わせなので、
誤タイプもないのでかなり便利。

この方式か、
親指部がいつも同じ形をしてるMacか、
自作キーボードを使うのが、
合理的な判断というものだ。




また、
配列を変えようという運動の前に立ちはだかる問題がある。

5. 自分のPCは良いが、共用PCでは無理
 →あきらめろ。
 →配列を変えてもよい職場に移れ。
6. 他人が自分のPCに触ったら混乱する
 →触らせるな。
 →または配列普及の絶好のチャンス。

7. OSのバージョンアップなどで消えていく
 →祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きを表す。
  マイクロソフトもアップルも、100年後にはないかもよ。
 →その配列が良いなら、えらい人が使えるようにしてくれるさ。
  エミュレータ開発者などでググってみ。
 →また、自分でプログラムを開発できるならすることだね。
 →現在は自作キーボードの選択肢もあるぞ。
  qmkファームウェア内で配列を設定できる。
  cの知識が必要(上級者向け)、web上でキーの位置入れ替え可能。



これらの基礎知識が、
「qwertyはクソだなー」と思ってる人の、
先入観の鎖を引きちぎるのに役に立つといいと思っている。

qwertyは変えたいんだけど、
諸々問題が出てくるよな、
と直感してる人は、確認されたい。



結局世界中が一斉にqwertyやめるわ、
と言わない限りqwertyは残る。
個人で勝手に解をさがすのがよいと思う。

僕は、英語はqwertyであきらめて、
ショートカット、Adobe用に保存。
(Adobe用には別のマクロパッドつくったけど)
日本語は薙刀式(DvorakJ上実装)。
posted by おおおかとしひこ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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