2024年09月17日

【薙刀式】ロールオーバーするか、しないか

Twitterより。
> 二ヶ月ほど薙刀式を練習して20wpmで打てるようになったんだけど、慣れてきて「あか」と素早く入力すると「が」になってしまうのがどうしても解消できなかった。 あっという間にタッチタイプできるようになったし、指の負担も少ないのはわかるんだけど、シフトが独立してないと私には辛いな。
> 藤井 太洋

言葉のわかりやすさで同時押しと呼んでるけれど、
正確には濁音は、
ロールオーバーするか/しないかを判定しています。

(追記)
以下の記事はオリジナルDvorakJ版。
Benkeiの同時ロジックは現時点で未確認。


JFが同時に押されている瞬間がある→JF同時→「が」
JFが同時に押されてる瞬間がない→JF順次→「あか」

先にJを押し、押しっぱなしのままF→JF同時→「が」
先にFを押し、押しっぱなしのままJ→FJ同時→「が」
先にJを押し、しばらく押しっぱなし、離してからF→JF順次→「あか」
先にFを押し、しばらく押しっぱなし、離してからJ→FJ順次→「かあ」

というアルゴリズムで判定しております。


ローマ字は「押した瞬間」しか判定してなくて、
「離した瞬間」を見ていないため、
あるキーを押したあと別のキーを押しても、
離そうが離すまいが挙動は同じです。
この、あるキーを離す前に別のキーが押される状態をロールオーバーと呼び、
ローマ字はロールオーバーの有無に関係なく挙動が同じです。

ローマ字を速く打つコツは、
「離しを気にせずロールオーバーしまくること」
です。
指がうまく散れば、最大8キーロールオーバーして打てるはず。


ところが薙刀式は、
ロールオーバーしてるかしてないかで判定があるため、
そこを気にして運指を完成させる必要があります。
おそらく今までロールオーバーしたか/してないか、
を気にして打鍵したことはないかと思われます。

だからこれは、「新しい打鍵感覚」と思うしかないですね。


ロールオーバー上等で、
同時打鍵を判定するロジックもあります。
「Aを押されてから○ミリ秒以内にBを押せば同時とみなす」
方式です(タイマーロジック)。

これならロールオーバーを気にせずに打てますが、
容易に想像できるように、打鍵速度が上がってくると、
○ミリ秒以内に順次打鍵してしまうため、
これまた同時と順次打鍵を混同してしまうミスが増えてきます。

○=100msがふつうですが、
僕は60msで運用してました。
そうすると今度は同時打鍵の精度を上げないといけなくなり、
一日の長い間だと、
早い時間はいけても、遅い時間はダメ、
などの問題が出てきました。

そこで、
ロールオーバーするかしないかだと、
デジタル的な感覚になるため、
「自分で区別できる」と思った次第です。


このロジックを「相互シフト」と呼んでいます。
AとBがお互いのシフトキーのように振る舞うところからです。

このロジックが苦手で薙刀式を諦めるのは勿体無い。
「ロールオーバーするか/しないか」を、
指に覚え込ませて、無意識化できるかを試してみてください。
とくに濁音半濁音は人差し指担当のため、
他の指よりは器用にコントロールできる。はず。

まあそれでも慣れなかったら、
指の好みに合わなかったということで。

組み合わせは限られています。
FJVM絡み、「か」「あ」「こ」「な」がらみ。
なお、濁音にならない組み合わせはロールオーバー上等。
「かん」「かい」「こう」など、
よく使う連接は避けられています。
「あか」はこれに比べれば使わない流れと踏みました。

先に似た話を振っておくと、
「しる」「とる」を素早くロールオーバーすると、
「しょ」「にょ」になります。
これもロールオーバーしなければ問題ない。
「はなす」が「ぱす」に化けるのもロールオーバーが原因。

これらあたりがメジャーどころなので、
これ以外はあまり気にならないレベルかと思われます。


ロールオーバーせずに次を打つことを意識して、
それができなければお粗末さまでした、
という感じかなあ。

異なる原理の配列だから、異なる原理で打たないといけなくて、
それを知らないで前の原理ではダメだったよーになるのは、
ちょっと勿体ないかな。
posted by おおおかとしひこ at 20:25| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
BenkeiのロジックはDvorakJと近いのですが、思いつく相違点は、
・設定により後置シフトを有効にできる。
・後置シフトが有効な時間を設定できる。
・全てのキーを離してからキー入力を開始する。
・キーを押しっぱなしにしたままでもキー入力開始しない。
くらいでしょうか。QMK版の方がもう少し進化していて、キーを全部離さなくても組み合わせが絞り込めたらキー入力を開始します(dvorakjと同じ)。連続シフトやFJの連続押しっぱなしにも強くなっています。
Benkei、一から作り直したいと思いながら、だいぶ放置しています。。
Posted by eswai at 2024年09月24日 22:02
>eswaiさん

藤井さんのことだから、
これらの細かいことを仕様書に書けば理解できるんじゃないかなー、
と思っています。
同時押しの感覚って人によって違ってて
(ctrl+Zすら同時押しと思ってる人もいる)、
区別できる言語が存在しないので、
図を書いて説明するしかなさそうです。

Macじゃないので確認できないですが、
後置同時打鍵許容秒くらいに表記を変えとかないと、
誤解を生みそうですね。
とりあえずqmkと同じ相互シフト仕様ですよ、
というふうに誤解を解いたほうがいいかもです。
Posted by おおおかとしひこ at 2024年09月24日 23:58
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