2024年09月18日

【薙刀式】アクチュエーションを感じたいかどうか

そういえば以前もりやんさんとの議論で、
僕はアクチュエーションをあんまり気にしてない打鍵で、
もりやんさんはアクチュエーションこそ打鍵、
などのように考えていることが明らかになった。

その感覚の差は、
薙刀式の性質上、「離し入力だから」かも、
と今突然思った。


そもそも、僕は同時打鍵を多用する特殊配列であるところの、
薙刀式を常用している。

その同時打鍵ロジックが独特で、
「AとBを〇ミリ秒以内に押すと同時」
というよくある方式(タイマー方式)ではなくて、
「AとBの押している間が少しでもあれば同時とみなす、
押している時間が重ならないなら同時とみなさない」
という特殊なアルゴリズム(相互シフト)を、
用いている。

これは3キー同時に拡張しやすく、
ミスタイプの原因がわかりやすいため自分で修正しやすく、
〇ミリ秒などの時間が関係ない方式(極端にいうと、
Aを数秒押しっぱなしにしてからBを押してもよい)
だ。

で、このアルゴリズムの特性上、
ロールオーバーしているかどうかを判定する瞬間が、
「離した瞬間」なのよね。
つまり、
打鍵したときに判定があるのではなくて、
離したときに判定がある。

最初はこの感覚の差に戸惑うものの、
どうせ高速打鍵になるんだから、
関係ないわ、と割り切っていた。
それよりも薙刀式が打ちやすいことが重要だ。


で、これを自キ的に考えると、
1 押す
2 アクチュエーション成立(通電)
3 底打ち(してもしなくてもよい)
4 アクチュエーションを過ぎる(通電切れる)
5 指がキーから離れる
のうち、
僕は5を重要視していることになる。
「離した瞬間が打鍵」だ。

野球のピッチャーみたいなことか。
鞭は叩くより引きが大事だと聞いたがそういうこと?

だから234の区別とかどうでもよくて、
まっすぐ下に落ちるものがよくて、
感触とかなるべく主張しないものがよくて、
帰ってきたときに「帰ってきたぞ、よし次へ行く」
ができるものを好むのだ。

一方もりやんさんは、
「アクチュエーションの瞬間が打鍵」な、
ふつうの感覚なので、
他はどうでもよい、という感覚になっているのだろう。
qwertyローマ字や同時打鍵を使わない(ふつうの)順序打鍵方式配列では、
押した瞬間しか見ていなくて、
その後押しっぱなしだろうが、離そうが関係ない。

だけど薙刀式の同時打鍵判定はその後のほうが重要だ。


ということで、
好むスイッチやセッティングが変るのだろうと考えた。

僕が軽いバネを好むのは、
大量打鍵するときの疲れもあるんだけど、
そもそもさっさと「押して帰ってきて」というのがあるんだと思う。
ただ軽すぎるバネだと、戻りが遅くなるので、
12グラムとかじゃなくて、30を常用しているのは、
戻りの速度も含めて、
ギリギリ軽いのをそのへんだと考えているからだろう。
(押すのが軽くて戻るのが速いバネがあればいいが、
バネでやる以上原理上等価だよなあ。
東プレのゴムドームは非対称なものの変形を使っているので、
戻りのほうが若干速い気がする)

かつてショートストロークを研究したが、
あんまり今は考えていないのは、
ショートストローク過ぎると、
「戻ってきた感覚」が分りづらいからじゃないか。
(人間は押す感覚には敏感だが、
引く感覚は結構適当)

それよりも、
「さっさと軽く行ってこいしろ」を、
重視しているからではないかと思った次第。
ずっと戻り打鍵の振動に拘っているのも、
むしろ戻りこそ打鍵感、くらいの勢いかもしれないね。


なるほど、
指の好み、打鍵姿勢のほかにも、
論理配列が要求するファクターがあるな。

薙刀式はロールオーバーするかしないかが、
同時打鍵するかしないかに関係するため、
ロールオーバーが重要な配列だ。

ロールオーバーできるところはふつうにガンガンやって、
同時打鍵に定義されているところだけロールオーバーしない、
のように癖付けないと高速打鍵できない。
だから、押しっぱなしでよいか、早く引き上げたいのか、
という「戻りの感覚」が重要になってくる。
なるほどねー。そういうことか。

一方、
ロールオーバーしようがするまいが、
アクチュエーションしたときに入力される感覚だと、
なるべく次に速く行くためには、
アクチュエーションぎりで次へ切り返せるのがいいだろう。
で、踏み打ちなる最低限の切り返しになってくるんだろうね。

僕は撫で終わって次へ行くときに、
離しの感覚で行くから、
下まで押し込んだほうが指離れがいいのだろう。


なんでこんな簡単なことに気付かなかったんや。
薙刀式の性質じゃないか。

ということで、
薙刀式は離し入力系のセッティングで、
自作キーボードのスイッチやキーキャップを考えると、
幸せになれるかもしれない。

Kailhのハーフサイレントスイッチって、
たしか戻りだけ静音化されているスイッチだよな。
面白いなあ、って思って少量使ってみたが、まったくしっくり来なかったのは、
戻りが曖昧だと打鍵した感覚がなかったからかも。

秒3カナとか5カナとか打っていると、
その辺の感覚とか忘れてるよなあ。
僕の撫で打ちは、だから、
離し入力で滑らせていく打ち方だな。
posted by おおおかとしひこ at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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