2024年09月22日

【親指シフト】知識がバラバラすぎるので整理する

俵万智が親指シフトキーボードを処分すると呟いたら、
色んな人が親指シフトなつかしーと反応している。
(結局知人が譲り受けて処分は免れたよう)
https://x.com/tawara_machi/status/1837291240632766890

しかし知識がバラバラすぎる。
みんな調べないんだろうか。

まとめとくわ。


むかしのこと(80年代〜95)

・親指シフトはPC以前、No. 1普及率だった。
・富士通のワープロOASYSに搭載されたキーボードおよび配列。
・手書きを清書するオペレータ、作家、記者に好まれた。
・ブラインドタッチをするならJISカナ、qwertyローマ字より合理的。
・当時の早撃ちコンテストの優勝常連。

・数字段を使う必要がないカナ配列。
 1キーに3種のカナが振り分けられている。
 A メジャーカナ B マイナーカナ C Aの濁音
 Aはそのまま打つ(単打)、BはA+Aと同じ手の親指キーと同時打鍵。
 CはA+Aと異なる手の親指キーと同時打鍵。
 (いくつかの例外あり、ここが覚えづらい)

2022年時点での動画:
記録狙い: https://m.youtube.com/watch?v=xazcQSeXdQg&feature=emb_logo
日常使い: https://m.youtube.com/watch?v=0ZSNMCVBCyY&t=8s&pp=ygUP6Kaq5oyH44K344OV44OI


今のこと(95〜)

・現代のqwertyタイパーには負ける程度。
 (現代の攻略の方が進んでいる)
・公式には920字(変換後)/10分、非公式で2000というのを見たが、
 毎パソ優勝者(qwerty)は2500。
・「指が喋る」というキャッチフレーズだったが、
 その基準は秒3〜4カナ。
 現在の僕は秒5.5カナ、タイパーなら秒10カナだ。

・No. 1普及率の98では使えなく、
 その後普及したWindows 95でも使えなかったため、
 すたれた。
・このためかつての親指シフターは、
 相当ブツブツ言いながら現代に劣化適応した。
・実際はJapanistというソフトと親指シフトキーボードを買い、
 インストールすればWindowsで使えるようになるのだが、
 積極的な広告はしてなかったのでは?
 富士通の体制は批判に値する。
・数年前まで細々と売ってたが、ついに製造販売停止。
 オッサンたちが駆け込みで何台も確保した。


非公式活動

・常駐ソフトで、普通のキーボードを親指シフト配列にすることができる。
 Windows: 紅皿、やまぶきRが有名。
  (配列の中身は単純なので、AutoHotKeyで組むこともできよう)
 Mac: Lacaille、Karabinar-Elementsが有名。
・この際、FJ直下の親指2キーを、左親指シフトキー、右親指シフトキーとしたいが、
 Windowsでは都合のいい位置にないので、
 無変換と変換、スペースと変換など、ちょっと歪な使い方になる。

・親指シフトFacebookグループがあり、情報交換をしている。

・自作キーボードで親指シフトをやる人もいる。
 ファームウェアqmk内に配列を組めば良い。
 c言語の知識が必要。
・オリジナル親指シフトキーボードは、押下圧35g推奨だったが、
 たとえばHHKBでは45gなので手を痛めるぞ。
 35g以下は、リアルフォースか、自作キーボードで軽めのスイッチを使うしかない。
・物理的に親指シフトキーボードに自作キーボードで近づけることも可能。
 3Dプリンタでオリジナルの背の高い(同時打鍵に適した)、
 親指シフトキーキャップを作ってる人もいる。
 (僕です)
・最近、リアルフォースが分割スペースキー版を出して、
 親指シフト専用かよと界隈がざわついている。
 (ただし押下圧が45g。惜しいッ)


これぐらいまとめておけばいいか。



僕自身は、すでに親指シフトは役割を終えて、
さらに効率の良いカナ配列に席を譲るべきだと考えている。

 薙刀式、月配列、新下駄、飛鳥、シン蜂蜜小梅

などのほうが効率が良く、使える配列になっている。

とくに僕は薙刀式の作者なので、

・記憶負荷が最小クラス(親指シフトよりも!)
・日本語の骨格に応じた配字と運指(特に片手アルペジオ重視)
・BSやエンター、IMEオンオフや編集の、機能キーごと配置

の【カナ配列薙刀式】を、
代替というか上書き品として推薦しておきたい。
posted by おおおかとしひこ at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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