俵万智が親指シフトキーボードを処分すると呟いたら、
色んな人が親指シフトなつかしーと反応している。
(結局知人が譲り受けて処分は免れたよう)
https://x.com/tawara_machi/status/1837291240632766890
しかし知識がバラバラすぎる。
みんな調べないんだろうか。
まとめとくわ。
むかしのこと(80年代〜95)
・親指シフトはPC以前、No. 1普及率だった。
・富士通のワープロOASYSに搭載されたキーボードおよび配列。
・手書きを清書するオペレータ、作家、記者に好まれた。
・ブラインドタッチをするならJISカナ、qwertyローマ字より合理的。
・当時の早撃ちコンテストの優勝常連。
・数字段を使う必要がないカナ配列。
1キーに3種のカナが振り分けられている。
A メジャーカナ B マイナーカナ C Aの濁音
Aはそのまま打つ(単打)、BはA+Aと同じ手の親指キーと同時打鍵。
CはA+Aと異なる手の親指キーと同時打鍵。
(いくつかの例外あり、ここが覚えづらい)
2022年時点での動画:
記録狙い: https://m.youtube.com/watch?v=xazcQSeXdQg&feature=emb_logo
日常使い: https://m.youtube.com/watch?v=0ZSNMCVBCyY&t=8s&pp=ygUP6Kaq5oyH44K344OV44OI
今のこと(95〜)
・現代のqwertyタイパーには負ける程度。
(現代の攻略の方が進んでいる)
・公式には920字(変換後)/10分、非公式で2000というのを見たが、
毎パソ優勝者(qwerty)は2500。
・「指が喋る」というキャッチフレーズだったが、
その基準は秒3〜4カナ。
現在の僕は秒5.5カナ、タイパーなら秒10カナだ。
・No. 1普及率の98では使えなく、
その後普及したWindows 95でも使えなかったため、
すたれた。
・このためかつての親指シフターは、
相当ブツブツ言いながら現代に劣化適応した。
・実際はJapanistというソフトと親指シフトキーボードを買い、
インストールすればWindowsで使えるようになるのだが、
積極的な広告はしてなかったのでは?
富士通の体制は批判に値する。
・数年前まで細々と売ってたが、ついに製造販売停止。
オッサンたちが駆け込みで何台も確保した。
非公式活動
・常駐ソフトで、普通のキーボードを親指シフト配列にすることができる。
Windows: 紅皿、やまぶきRが有名。
(配列の中身は単純なので、AutoHotKeyで組むこともできよう)
Mac: Lacaille、Karabinar-Elementsが有名。
・この際、FJ直下の親指2キーを、左親指シフトキー、右親指シフトキーとしたいが、
Windowsでは都合のいい位置にないので、
無変換と変換、スペースと変換など、ちょっと歪な使い方になる。
・親指シフトFacebookグループがあり、情報交換をしている。
・自作キーボードで親指シフトをやる人もいる。
ファームウェアqmk内に配列を組めば良い。
c言語の知識が必要。
・オリジナル親指シフトキーボードは、押下圧35g推奨だったが、
たとえばHHKBでは45gなので手を痛めるぞ。
35g以下は、リアルフォースか、自作キーボードで軽めのスイッチを使うしかない。
・物理的に親指シフトキーボードに自作キーボードで近づけることも可能。
3Dプリンタでオリジナルの背の高い(同時打鍵に適した)、
親指シフトキーキャップを作ってる人もいる。
(僕です)
・最近、リアルフォースが分割スペースキー版を出して、
親指シフト専用かよと界隈がざわついている。
(ただし押下圧が45g。惜しいッ)
これぐらいまとめておけばいいか。
僕自身は、すでに親指シフトは役割を終えて、
さらに効率の良いカナ配列に席を譲るべきだと考えている。
薙刀式、月配列、新下駄、飛鳥、シン蜂蜜小梅
などのほうが効率が良く、使える配列になっている。
とくに僕は薙刀式の作者なので、
・記憶負荷が最小クラス(親指シフトよりも!)
・日本語の骨格に応じた配字と運指(特に片手アルペジオ重視)
・BSやエンター、IMEオンオフや編集の、機能キーごと配置
の【カナ配列薙刀式】を、
代替というか上書き品として推薦しておきたい。
2024年09月22日
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