2025年01月13日

長年連載してるが休載ばかりで中々進まない漫画

を調べている。
結構あるもんだなあ。


読んでるものをあげると:

ガラスの仮面 美内すずえ
ハンターハンター 冨樫義博
ベルセルク 三浦建太郎(作者急死につき有志で継続中)
バガボンド 井上雄彦
REAL 井上雄彦
喧嘩商売 木多康昭
カイジシリーズ 福本伸行
コータローまかりとおる! 蛭田達也(週マガまでは読んだ)
BASTARD!〜暗黒の破壊神 萩原一至(ウルトラジャンプまで読んだ)
鉄拳チンミ 前川たけし(途中まで)
あひるの空 日向武史(途中まで)
はじめの一歩 森川ジョージ(板垣クロノスまで)


読んでないものだと:

ワンピース 尾田栄一郎
王家の紋章 細川智栄子あんど笑〜みん
エロイカより愛をこめて 青池保子
パタリロ! 魔夜峰央
(少女漫画は範疇外なので、休載が多いかは不明)


作者の死によって未完のもの:

超人ロック 聖悠紀
サイボーグ009 石ノ森章太郎
火の鳥 手塚治虫
(もっとたくさんあろう。有名なもののみあげた)


まあまあある。
知らないだけでもっとあると思う。

なんで完結せえへんのや、
それでええのか、
完結させるんがこわいんやろ、
期待に添える満足を提供する自信がないんやろ、
と思う。

真意は作者のみ知る。



長編漫画(休載しようとするまいと)の完結は難しい。
「GANTZ」のラストは失敗だった。
小説ではあるが「幻魔大戦」もひどかった。

大河は流れて、大海に注ぐべきだが、
井戸に落ちておしまいになりがち。
それを避けたくて、足が止まるんだと思う。

「うしおととら」「鋼の錬金術師」
あたりの完結ぶりは堂々としてよかった。
「鬼滅の刃」は、うーん、まあ、という感じ。
「聖闘士星矢」は、老衰しか感じなかった。
「シティーハンター」ってエンジェルハートがパラレルってなったあと、
どうなったっけ?

(wikiみると、徳間コミックス(完全版)、ゼノンコミックス(XYZ Edition)
などのリーチしづらいところで完結してるっぽい。
俺ジャンプ版、コミックバンチ版まではリアタイだけど、
その続きはどこから読めばいいんだよ。時系列がわからん…)




この、けりをつけることの難しさを、
たくさんの例を見て思う。

映画で言えば3時間映画とかか。
ドラマで言えば1クールや2クール。
(4クールにもなると、パターン化した話しか生き残れまい)

これらを、
これまでのピーク以上のピークを持って、
満足いく終わりを迎えさせることは、
とても難しいのだと思う。



脚本論に落とすと、
だから短編を書けとか、
プロット(=計画)をちゃんと書けとか、
そういうことだろう。

こういう人たちは、少なくとも最終回までの展開を、
あらすじでいいから残しておくべきだ。
「バガボンド」なんて、
どうやって武蔵と小次郎を戦わせていいかわかりません、
と言ってるようなもんじゃん。

こんな風な失敗をするべきではない。
書けないよりも、終わらせることのほうが大事だ。



原因はなんだろう?
僕は、「最初と現在で、作者が変質してしまったこと」
があげられると思う。

ケツをつけるべき頭が、
すでに違ってしまっている感覚になるんじゃないか。

バガボンドが始まった頃の武蔵の野生味、
自分探しの理由、
又八が嘘に嘘を重ねて小次郎になるアイデアなんて、
今の井上雄彦にはないように思える。

聾唖小次郎が気に入ってしまった段階で、
バガボンドはそこからの物語に変質してしまった。
だから、そこから何をやって終わるかしかなくて、
それをやるには「まだ何もドラマをしてない」
になってしまっている。

吉岡一門でバガボンドは終わりだと思えば、
たいした作品ではなかった。
筆でやり始めて変になったな。
そのへんで終わらせて、
さっさと障害者バスケをやればよかったのに。


物語をたくさん書いては捨てる経験をしていると、
モノになりそう、ならなさそう、
というのは肌感でわかるようになる。
正確にいうと、
「自分ならモノにできそう」「できなさそう」かな。
上にあげたものたちは、
自分はできなさそうだと思っている。

唯一「ガラスの仮面」だけが、
頭からの意識がまだ通っているんだよね。
それがすごいよ。


「最初に前振りしたあの感じ、最後どうなった?」でいうと、
アメリカドラマはひどいよね。
僕は高校の頃「V」と、
社会人の頃「プライミーバル」を追いかけてたのだが、
二期に入って一期の頭とガラリとかわって、
もうどうでもよくなった。
もっと評価の高いやつならもっといいかもだけど、
どれ見ればいいのかわからん。24とかプリズンブレイクとか?


「蒼き流星SPTレイズナー」で、
二部に入ってめちゃくちゃ裏切られたの、
まだ恨みに思ってるからな。
「銀河漂流バイファム」を超える、
最高のアニメになれる可能性があった作品なのに。
ルカインはギリ許せてもゴステロとかありえんわ。

「進撃の巨人」の、
壁の外の世界が急につまらんのと同じ理由になろう。
頭の前振りを、ケツで取れなくなるんだよな。

長いことやるのは、それだけで変質を生みやすい。
そのことを自覚してものを書くといいんじゃないか。


何がやりたかったんだっけ?
Aをやりたくて、そう終わらせたかった
→途中でAじゃ足りない(またはAに飽きたなど)と思い、
 Bというブースターを足した
→A+Bをうまく完結させる手段がわからなくなった
→さらにCを足せばうまくいくのでは?
→…(わからなくなった)

というのは、リライトでもよくある。

Aで(つまらないが)終わらせる
A+B(+C…)という頭の前振りに直す

の二択しかない。

長期化する漫画は後者の選択肢を取れなくて、
デッドロックしがちなんだろうな。
映画シナリオの場合は、どちらも可能だ。


(そういえば「ファイブスター物語」では、
途中でメカのデザインも名前も、
急に全とっかえという事態が起きた。
カレンの未来からの干渉で世界線が変わった設定なんだっけ。
エルガイムの真のアナザーストーリーというのが、
1984年以来の基本のAであったのが、
30年経ってBに変質したのだ。
仮にBから始めたとして良いものになっただろうか。
僕はAで完結して欲しかった派だな)
posted by おおおかとしひこ at 12:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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