どこからどこまでを設定と考えるか、
どこからストーリーと考えるか、なかなか難しいところだ。
たとえば、
「どら焼きが好き」は一見設定だろう。
だけど、
「どら焼きが好きな人が犯人の証拠」だとしたら、
もはやそれはストーリーの一部になる。
「あんこが決定的な証拠になる」なら、
もうストーリーの中核になってくる。
ただドラ焼きの土産をもらっておいしそうに食っているだけでは、
設定の一部に過ぎないだろう。
つまり、
ストーリーの中核に絡んでくる設定は、
ストーリーに属する、と考えてよい。
名前はふつう設定だろう。
だけど、他に代えがたい名前で、
ストーリーの根幹に関わってくるなら、
それはストーリーだ。
タイトルは設定だろうか。
ストーリーに関わって来る、ラストに回収されるならば、
ストーリーの一部だろう。
それがなければ、設定の一部になるだろう。
街の名前や組織図や人間関係は。
多くは設定であり、雰囲気をつくるものであるが、
人間関係などは、ストーリーに如実に影響を与える。
たとえば、「AとBは兄弟である」は、
通常は設定だろうが、
「同じ女を好きになる」とき、ストーリーにめちゃくちゃ関係してくるだろう。
「AとBは親子である」は、通常は設定だろうが、
「どちらが王国の王であるか」で家来たちが割れたとき、
ストーリーの一部になるだろう。
こんな風に、
設定とストーリーの境界は曖昧だ。
ストーリーの根幹にかかわって来る設定は、
設定と呼んでもいいし、ストーリーと呼んでもいいわけ。
「実は隠された秘密がある」のは設定だが、
ストーリーでもあるだろう。
ストーリーをつくるときに、
まず設定から考えよう、
と考えるのは素人判断だ。
なぜなら、素人はストーリーと設定の線引きを知らずに、
なんでもかんでも設定だと思ってしまうからだ。
設定を考えているのに、すでにストーリーの一部になっているのなら、
それはストーリーを考えている状態なのだ。
登場人物の性格は設定か?
登場人物の過去は設定か?
登場人物の癖や好みや嫌いなことは設定か?
ストーリーの重要部分に使われるならば、
それはストーリーだね。
逆に、
設定を考えているときは、
「ストーリーに使えるもの」を探しているとき、
ともいえる。
設定だけ考えてニヤニヤするだけの素人はどうでもよい。
ストーリーに使える設定をつくり、
それを生かしたストーリーをつくり、
「使ってない設定はないか」というくらい、
空っぽになるまで考えることだ。
前も議論したが、
設定なんてストーリー合わせで逆算でつくってもよいのだ。
急にそれを使う段になって、
「そういう設定だったのだ」はご都合主義だが、
それを使う前から前振っていれば、立派な伏線になるだろうね。
キャラクターと設定、
キャラクターとストーリー、
の境目も、同様に曖昧だと思う。
それぞれは混ざり合いながら、回転するためにある。
独立していない、従属現象だと思うとよいだろう。
時々、人気キャラクターがスピンオフで別のストーリーに放り込まれることがあるが、
都合が悪くなって、うまく行かないことのほうが多くなると思う。
だってそのストーリーのために作られたキャラクターや設定じゃないからね。
スピンオフはオリジナルを越えないのは、
こういう理由もあると思う。
(追記)
設定は「フラグ」と考えるとよいのではないか?
「このキャラは『押すなよ!』が口癖」
と設定したら、
「押される」というストーリーがその後ある、
ということだ。
もしその後一回も押されなかったら、
「押すなよ」はなくてよいことになる。
(「押すなよ」と押されそうになるが押されない、
がストーリーに関係するならそれはフラグ回収だ)
フラグが立ってるのに使わないのは無駄だし、
間違ったフラグは立てるべきではないということだ。
(ミスリードするためのフラグは立ててもよいが、
変な回収をしたらつまらなくなってしまう)
2025年01月27日
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