これめっちゃかっこいい。
久しぶりに見た「憧れの映画」みたいな質感がある。
そして最高にかっこいいVの字斬りをフィーチャーしてくれてありがとう。
でもこれ、本編をうまく表してるかな?
これはみんなが期待する、ボルテスVのイコンである。
中央に主役ボルテスVがいて、
5人のヒーローがそれに付随して、
敵がいる。
こういう物語を我々は期待したし、
ボルテスV全体はこのようなイコンであってると思う。
ところが日本公開版映画は、そうではなかったと思う。
もしこの映画の内容を正しくイコンにするならば、
下半分くらいに大きく、
戦闘機で突っ込む母を描かなければならない。
この部分が「?」となるのが、
この映画への違和感そのものなのよね。
重要なエピソードではあるが、
それがこの映画の本質?ボルテスの本質?と言われると、
???が並ぶよね。
つまりこのポスターは詐欺ポスターなんよね。
僕らが期待したボルテスに、
つまりこのポスターのような映画にするには、
何が必要だったか?を考えたい。
敵ロボを3体にするのはあると思う。
1体目ドクガガ: ボルテス登場とセットアップ
2体目バイザンガ: 母の死
3体目???: 今回の映画のテーマになるようなエピソード
だと思う。
父は異星人であり、ボルテスVを作ったのだ、
という話をしてその父は囚われている、
という話をして、
「父に会うために戦う」と、
スティーブたちの決意で終われば、
ボルテスV全体のセンタークエスチョンが決まるので、
それで映画は終幕になれば、
一応ポスターのようなまとまりになったのではないか。
母の戦闘機特攻は長すぎた。
もっと切れる。
さっさと途中の道で撃たれて担ぎ込まれ、
さっさと出撃して死ねば、
あと30分は余裕ができたと思う。
プリクエルパートをここで挿入する手もある。
博士はマリアンヌに止められていたが、
父は異星人なのだ、と告白すれば、
3体目の戦闘につなげられると思う。
そうすれば、
このポスターのような「ボルテスVの映画(パート1)」に、
なったのではないか。
結局彼らのBストーリーのメインは、
父に会うことなので、
そこをセットアップしておけば、
全体のセンタークエスチョン確定が、
パート1のエンドになりそうだな。
Vの字斬りは、だから最後まで取っておいてもいいけれど、
新作なしの再編集版なら無理か。
操縦に慣れた者にだけ使える必殺技がある、
みたいに改変して、
ラスト30分で披露すれば、
かなり盛り上がれたと思うなあ。
こんな風にして、
2時間をどう盛り上げて、
テーマとして確定させるかが、
今回の映画には欠けていた視点だと思う。
もちろん、テレビシリーズにはテレビ固有のリズムがあり、
それと映画のリズムは異なる。
だから、再編集版では映画のリズムにならないぞ、
と誰か優秀なスタッフが気づくべきだった。
そこを怠ったのは誰?東映かな。
東映のこの辺の脇の甘さが嫌いだな。
キャプテンハーロックCG版の恨みはまだ覚えてるぞ。
なにせ僕は、
TVドラマ再編集版の風魔の映画を断ったくらいだ。
新撮できるなら可能だったかも知れないが、
あの6時間半を2時間にするのは無理って思った。
TV固有のリズムとはそういうことだ。
というわけで、
大変惜しくて、
ストーリーの出来にムカつきながらも、
あまりの愛の深さに手加減してしまう、
珍しい映画だなー。
2024年10月23日
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