2024年11月02日

【薙刀式】シャトルランと競技スプリント

もりやんさんがATCに触発されて、
何やらおもしろげな記事を書いている。

タイピングと物語の二極分析(6):「実戦志向スプリンター」という狭間存在
https://note.com/catfist/n/nec739929776d?sub_rt=share_pb

定性的に考えればこの記事は合ってるような気がするが、
理系らしく定量的に切り込もう。


もりやんさんは実戦スプリント型だといっている。
競技スプリントと区別するために、
シャトルラン派とよぶことにする。

僕だって執筆中、
ずっと走り続けているわけではない。
ダッシュして、また考えて、
というのをミクロ的には繰り返していると思う。

カタカタカタカタカタカタカタ
とは書けないだろう。
カタカタカタ………カタカタカタ………カタカタカタ………
という細かいものの組み合わせだ。

この「……」の沈黙がどれくらい長いかは、
人によるし内容にもよるだろう。
半秒の時もあれば、数秒で済む時もあれば、
1分もあるし、15分も一日もある。
いわゆる「筆が乗ってる」状態というのは、
「……」がほぼないようなフィーバー状態といえる。

僕は件の記事によればステイヤー派閥に属するが、
いうてシャトルランやってるんじゃないかなあ。
薙刀式の多数の動画を観察すればわかるかな。
シャトルラン派閥は、もっと休みが長い?

「……」と「カタカタカタ」の平均長さで、
どちら寄りか、みたいな違い程度かな?



僕がATCを通じて感じた「速さ」とは、
僕らが普段執筆している「速さ」とは、
次元の異なるものだと思う。

この速さからしたら、
執筆のシャトルランもステイヤーも、
目くそ鼻くそじゃね?とすら思う。

改めて、ATC300越えの、
マジタイパーの動画を引用しよう。
https://m.youtube.com/watch?v=LOy-e8G3O7g

いやマジで速い。
まるでニュース速報の字幕だ。

物書きの速度じゃない。
この速度で物を書ける人はいないと思う。
音声入力+お笑い芸人くらいじゃないか。

カナの出る速度はすさまじく、
そして一発変換ノールック確定。
こんな長い文が一本糞のようにヌルッと出てくることは、
現実にはない。
普通もっと小刻みに出てくるものだ。

これが僕のいう競技スプリントだ。
執筆とは全く別の、
何か別のパフォーマンスを競っている。
人間の意味処理速度を遥かに超えている。
(なんせ競技では「意味を考えない方が速い」
というコツがあるからだ。模様として処理するべきなのだ。
意味を考えていては処理落ちするんだね)

経験的に、230以上をそう呼ぶことにしようか。

実戦の執筆では、
200くらいが上限だろう。
150でも速い方だと思う。
ちなみに薙刀式の160の動画がこんなもん。
https://youtu.be/cvsDnKw0J3o
188がこんなもん。
https://youtu.be/6uSIC16Cbog

もう188あたりから、
全文暗記一括入力一括変換ノールック確定という、
別物の領域に入りかけているので、
執筆とは遠いことしてんな、
と思いながら打っていた。


もちろん、
執筆のシャトルランにおいて、
トップスピードが一瞬これを超えたりもするだろう。
だけどそれは一瞬だと思う。
精々数行の持続だろう。

この執筆の速さと、
競技スプリントの速さは、
別の世界にいると思う。

競技は、実戦の延長にいないと僕は思う。


昔の競技は、実戦の延長だったのかもしれないが、
現代の競技は、実戦を遥かに超えて、
現実にはないいびつな形にまで進化したと僕は思う。
「それって役に立つの?」は禁句だ。
役に立つ立たないと別の次元で、彼らは戦っている。
執筆の世界とは並行世界みたいなことだ。

だって競技の世界には、
「完全ランダム文字競技」なんてのがあるんだぜ。
執筆から考えたら狂人の遊びだ。

だが競技から見たら、「どの連接組み合わせも弱点にしない」
を鍛える、絶好のトレーニングだ。
つまり競技スプリンターは、
たかがqwertyの不合理運指など苦でもないのだ。
もっと不合理運指で鍛えてるからだ。

その結果が300越えの動画になっている。
ほんわかしたBGMにごまかされてはいけない。
動画を無音にして、
あのカナをqwertyで打つことを想像したまえ。
XJAPANのドラムより速い音が鳴ってるはずだ。
リザルトを見よ。秒12.3打やぞ。
(そしてトップタイパーのmiriさんは秒14打だ)

シャトルランでそんな異次元の速度出してないだろ。


スプリントみたいな日常的な言葉がよくないのかもなあ。
執筆が在来線の範囲で、
普通とか特急とか言ってるのに、
競技者は新幹線レベルの話をしてるんだよね。

新幹線はカーブがないレールを引くところからやってる。
空気抵抗ファクターがかなり効くので、
浮いてしまわないように制御してるぐらい。
(レールから浮いたら制動力がなくなるので)

そんなの在来線では何も対策してないわ。
それくらい、住む世界が違うと思うんだよな。


在来線の範囲で、
各駅停車とか、何駅飛ばすとかを議論するのが、
実戦スプリントとステイヤーの比較論な気がする。

それ自体には意味があるが、
新幹線の世界でタイパーはqwertyを打っている。
速度の技術や感覚が違いすぎる。



で、だから、
在来線の範囲ではqwertyはクソです。

競技で最速だからqwertyは最速、クソではない、
というのは、
測定法が間違ってると僕は主張したい。
その競技は現実を反映していないのだと。

競技は実戦の延長になるべきでは?
そのような新競技を考えるべきでは?
というのが、300越えを見た僕の率直な感想だ。


qwertyのクソさは、
数分の高速打鍵じゃ分からない。
長時間やった時に負荷が高すぎるという点だ。

かつてタイプウェル憲法全文入力という、
完走に3時間かかる狂った競技があって、
腱鞘炎を続出させたという。
そんな感じで測定できるかもね。
posted by おおおかとしひこ at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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