2024年11月02日

【薙刀式】日英共用配列って使えるのかしら

ATCで速く英語部分を打たなきゃいけなくなって、
qwerty英語のクソさを改めて体験した。
普段あんなに英語打たないから、
新鮮な体験ではあった。

で、英語配列のあるべき構造を妄想していると、
ローマ字と相性悪すぎね?と気づく。
なので、日英共用配列って使えるのか?
と再び疑問に思った。



英語の構造は、
子音を重ねられる。

th, ng, str, ch, whなどをぱっと思いつく。

これを子音群と呼ぼう。
二重母音を母音群とすると、
()を省略可能記号として、
英語の構造は、

(子音群)+母音群+(子音群)

を一塊=一音節として、1〜数音節が一単語だ。
これらがスペースで区切られていくのが、
英文の構造である。

US配列であんなにスペースバーがデカい理由は、
最頻出キーだからだ。
日本語で空白文字は、段落最初のみだ。
レイアウトを空白文字で調整することもある程度だね。

さて、
じゃあ英語を打つ最適な配列は、
まずスペースがでかいこと。

で、子音群、母音群をアルペジオで取れたほうが効率がよかろう。

子音数>母音数なので、
器用な右手に子音を、左手に母音を分離した、
Dvorakから連なる、Colemakや大西配列やtomisuke配列は、
その合理性を有することになる。

一音節を、

(右手アルペジオ)+(左手アルペジオ)+(右手アルペジオ)

と打って、その繰り返しが英語を打つことだ、
のように考えられるわけだ。


もっとも単純な語はなにか?
母音一文字だ。
英語では、a, I
が単語をなす。O(Ohの省略), U(youの代わりにカッコよく書く)
も付け加えて良い。

次に単純な語は?
母音群か、子音群+母音、母音+子音群だろう。
これもまだ一音節の範囲。

カナでいえば、
あ 絵 木
などと同等の重みである。

そして言語の性質として、
「音節数が少ないほど基本的、根本的な概念で、
音節数が多いほど応用的、辺縁的な概念」になろう。

わ(吾の古語)やIは一音節の一人称と共通してるし、
東京特許許可局はだいぶ応用的な概念だ。

ぼーっと考えてたんだけど、
thingって一音節なんよね。

これを「もの」と訳すと日本語では二音節。
「こと」をeventとすると、
e.ventの二音節だ。

こんな風にして、
僕らは英語を見ていない。

thingの一音節に対して、「シング」は三音節。
eventの二音節に対して、「イベント」は四音節。

一音節は音楽の一音符に乗る。
ロックの原詩を訳詩にした途端、
リズムや意味がよれるのは、
こうした理由である。

いうまでもなく日本語は、
(子音)+母音群
を、一音節構造にとるからだ。

逆に日本語の音韻構造を生かした詩、
俳句の英訳ってなんかキレが悪い。


英語と日本語は、音構造において、
だいぶ距離の遠い言語だと思う。

英語とフランス語、英語とドイツ語、
みたいな言語同士の距離なら、
母音にバリエーションがあるとか、
子音群にバリエーションがあるとか、
せいぜいそのくらいで、
音韻構造的には同じなのに比べれば、だ。


さて、
同じ配列で、これらの2言語を打つことは、
果たして良いのだろうか?

仮に左母音、右子音のDvorak型だとして、
英語は(右左右)×nスペース、
日本語は(右左)×n変換、
となって、
根本的に打鍵リズムが変わってしまうと思う。
特に日本語は数%の例外を除いて、
単なる左右交互打鍵になってしまい、
キーボード入力の利点はあまり活かせないのでは?
(だからフリックが幅を利かせてる説)


英語の子音二連接を重視すると、
日本語の清濁の整理とは異なる配置になる。

大西配列は清濁の整理をして、
日本語重視に舵を切っているが、
英語にも重心を置いた場合、
子音の清濁はバラバラになるべきなので、
日本語には優しくなくなるだろう。

あちらを立てればこちらが立たずの状況は、
双方にとって幸福かなあ?
と僕は思う。


実際、日英共用配列を使ったことはないし、
英語を普段打つことはほぼなく、
日本語専用という僕の立場から見たら、
そう見えるだけかもしれない。

プログラマーは英語が多いそうだが、
ドキュメントを書く時は日本語だから、
やはり日本語メインにしたがるそうだ。

つまり、英語:日本語=5:5という状況がそもそもないから、
日英共用配列の重心は、
それぞれの事情で選んだ方がいいということになる。

そういう意味で、大西配列は、
需要のバランスを読んだ配列ともいえる。
だから優秀な配列だと思う。
(shにしないといけないとか、若干の瑕疵はあるが)


Eucalyn、tomisuke、大西の各配列の出現以降、
これらをベンチマークとして、
さらなる日英共用配列が生まれている。

機械的スコアは確かによいのだが、
僕はそれだけじゃ信用できない。
ではそのパフォーマンスをここでやってみてください、
と思うんだよね。
配列は机上の空論じゃなくて、実用道具だからね。

まあATCではいくつかの日英共用配列がエントリーしてるので、
その実力をば拝見したい。



英語の音節構造に特化したものに、
ステノワード系がある。

thingを、左i+右thngの同時押しで、
eventを、左e、左e+右vntの同時押しで、
出してゆくものだ。

英語は最終形はこれになると思う。
CharaChoderも同じ構造だ。

日本語の最終形はまだ見えていない。
たぶんローマ字じゃないと僕は思っている。



日英共用配列のいいところは、
「こまけえことはいいんだよ」
かもしれないね。

こんな複雑な議論をすっとばして、
雑に乱暴な道具として扱えるから、
いいのかもしれない。

効率90%93%あたりの議論をするなら、
我々は70%の道具で先に行きますわ、
という考えが、日英共用配列のいいところなんよな。
posted by おおおかとしひこ at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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