2025年02月07日

キャラを立てるエクササイズ

なんでもよいので、
まずあなたの詳しいジャンルのものから、
「ベスト3」をチョイスしてみよう。


何十も何百も詳しいものから選びなさい。
たとえば、
ベスト3漫画、ベスト3酒、ベスト3音楽、
ベスト3料理、ベスト3銭湯、ベスト3服、
ベスト3アイドル、ベスト3の好きな色。
なんでもいい。

つくったら次に、その「ベスト10」もつくってみなさい。

ベスト3に惜しくも漏れたものがランクインするだろう。
なんなら、ベスト3の出し入れがあるかもしれない。
まあ、それは自由なのでやってみなさい。





やった?

本題はここから。





ベスト3を選んだとき、
「なるべく3者がかぶらないように」と、
考えたのではなかったか?

漫画で例えると、
アクションもの、コメディもの、ファンタジーもの、
などのように、
ジャンルを被らせないとか、
作者を違う人にするとか、
色々あったに違いない。

どんなバカでも、
「あしたのジョー」と「はじめの一歩」と「がんばれ元気」みたいに、
ボクシング漫画3本をランクインさせることはないだろう。
仮に格闘漫画を3本入れるとしても、
総合格闘と、打撃系と、武器系入れとくか、
みたいに「被らせない」という考え方が働くと思う。

これが「キャラ立ち」のコツだ、
ということだ。


ベスト3を選んだ時、
それぞれが被らないように注意したはずだ。
特徴が被らないように。
ジャンルが被らないように。
作者とか出自が被らないように。

つまり、これがキャラが立っているということである。
色々な要素がなるべく異なるようにチョイスしてある、
ということだ。


キャラを立てようとして、
目立つ言動や特徴や目立つエピソードをつくることは、
とても良いことだ。
しかしそれだけではキャラは立たない。
「他とかぶっていない」ということが一番大事で、
その「他」は他作品や古今東西の何かもあるし、
「作品内で他と被っていないこと」、
なんなら
「作品内で目立つように他を抑えてあること」が、
重要ということだ。

ベスト3を選ぶときは、
3つしかないから、人の認識が、「被らないように」
と意識しやすい。
3つの要素を考えるときは、
大体どんな場合でもそれを意識することは出来るだろう。


さて、ベスト10はどうであったか。
3ほどキャラ立ちがなく、
混ざっていたり、被っていたりした要素が、
多かったのではないだろうか。

つまり、これから言えることは、
「10のキャラ立ちは不可能(ないし困難)で、
3のキャラ立ちなら可能(ないし簡単)」
ということだ。

キャラ立ちをしたいならば、
キャラや要素を減らすことも大事だぞ、
ということである。
10のキャラを立たせようとしているな、
と思ったら、
3のキャラ立ちだけを考えるようにせよ、
という教訓である。


ベスト10を選出するとき、
3に漏れた、ベスト3と多少被っているようなものを、
ランクインさせたのではないか?
作者が同じとか、ジャンルが同じだけど微妙に違うやつとか。
そこが、キャラが立たない原因である、
と思っておくとよい。
微差だが違うし、重要なのでランクインさせよ、
という考え方は、
キャラ立ちということから考えると、
悪であるということだ。

つまり、もしこれがあなたの話でも行われたら、
あなたの話は区別がつきにくい、
単なるこだわりだけで話されている、
わかりにくい話である可能性がある。


もっとキャラを立てるのだ。
つまり、
要素を減らして、それらが被っていないように、
綿密に3に限定するのである。

そのようにすると、
キャラが立ってくる。

もちろん、2時間映画の場合は、
5ないし6あたりがメインキャラのベストである(という説を唱えている)
ので、
3じゃあ足りないだろう。もう少し増やしたほうがいいだろう。


キャラを立たせたいなら、増やさずに、
他を減らす、
という発想はなかなか出てこない。

しかし、このベスト3、ベスト10のエクササイズを経験すれば、
いつか思い出すことが出来るだろう、
と思ってつくってみた。


10色はごちゃるが、
3色なら違いを分かりやすくなる、ということさ。
posted by おおおかとしひこ at 07:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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