たとえば、
自作キーボードにおける「レイヤー」という概念をマスターすると、
急に世界が広がったりする。
配列には、そこにしかない概念(アイデアといってもよい)があり、
それを手癖としてマスターすると、
世界が広がったりすることがある。
もりやんさん:
https://x.com/catfist/status/1855176270650487047
分かる。まるで6年前の俺を見ているようだ。
これはほとんどカタナ式を作った時の前提のようなものなので、
カタナ式の設計を振り返ってみる。
前提その1 ローマ字だけ考えていた。
英語はほとんど使わないからqwertyでよい。
前提その2 清音のシフトに濁音がいいのでは
前提その3 シフトキーは左右にあるのではなく、
スペースキー(または親指)を使ったものにしよう
前提その4 BSやエンターやカーソルやシフトカーソルも欲しい
たぶん現在のもりやんさんは、4以外はすでに前提として持っている気がする。
この時に最初につくったカタナ式がこちら。
削=BS、入=エンター
【単打】
PST ↑削IE
WMRK← →AUY
HN↓ 入Оんー
【シフト(スペースキー)】
FZD ↑XIE
VMRG← →AUY
B、↓ 。Оんー
シフト面のカーソルはシフトカーソル(選択、文節伸縮用)
左右分割形式で表記したが、
昔はロウスタッガードしかなかったので、
カーソルはちょいずれの十文字になっていたことを付記しておく。
アルファベットの位置はおおむねこんな感じだったと思う。
この時子音の人差し指がKTNで、
だからカタナ式と名乗ったのであった。
(中二的なかっこよさ。その後TSは入れ替えた)
清音と濁音がシフトでペアになっている。
左右に母音子音分離。
(左子音のほうが横書きでは直観的だろう。
合理だと右手が器用だから子音担当なんだろうが)
中央部にカーソル、BS、エンターがあり、
入力から確定まで指がつながる。
(縦書き横書きどっちでも使える)
母音部はアルペジオが多く使えるので、二重母音がやりやすい。
などの特徴があり、
これらはカタナ式のどのバージョンも同じである。
(この運指をカナに拡張したのが薙刀式だ)
で、左手の小指も薬指も使いたくなくて、
子音をさらにレイヤーに積み、
結局左手は小指薬指不使用になるまでにいったのであった。
(若干アルファベットの移動はあると思う)
センターシフトによる濁音シフトはこの時点で、
実は誰もやってなかった記憶がある。
SandS(Space and Shift)から発想したものだけど、
シフトのペアリングという意味では分かりやすいと思う。
これらの概念を実現して、使っていたら、
「別にシフトのペアリングにそんなに意味がなくてもいいのでは?」
と思うようになり、
次の概念、
「ペアリングを無意味にする」
をマスターするようになり、
「促音を子音二連打をしなくてもよいのでは?
(別の子音アルペジオに促音を入れるようになる)」
の概念を思いつき、実装することになった。
あるいは、
「変換無変換を押しながら、記号やマクロを入れればいいのでは?」
という概念を思いつき、
記号編集レイヤーを追加することになる。現在の編集モードの原型だ。
これによって、30キー+3キーという範囲で、
「ローマ字入力から編集確定までをすべてやる」
という概念にたどり着き、
それはいまだに薙刀式を使ううえで、
MiniAxeを使う上で、
基本的なアイデアになっている。
配列を使う、あるいはキーマップを使うときには、
こうした小さな概念のようなアイデアのようなものを、
一つずつ使えるようにしていく必要がある。
生理的に使えるものと使えないものがあるので、
一個ずつ段階的に試していくことになると思う。
(カナを1打で出すというアイデアや、
同時シフトであるとか、同手シフト逆手シフトとか、
3キー同時押しとか、前置シフト後置シフトとか、
4段配列とか、カナ配列には色々追加するアイデアがある。
変換しなくて漢字を直接出せばいいのでは?というアイデアは、
漢直につながっていくのだろう)
こういう小さいアイデアの規模の配列は、
そんなにないかもしれないね。
たいていアイデアを詰め込み、
ガンガンに圧縮したものに仕上げてしまいがち。
なるべく一気に効率良くしたい、
という貧乏根性?的なものが邪魔をするのかもしれない。
これくらいの小さなローマ字、
もっと増えてもいいよなあ。
大西配列くらいの難易度が、
普及にはちょうどいいと思う。
ちょっと使う分にはいいけど、
そのうちみんな凝りだすのだろうか。
薙刀式は一番凝っていない部類の配列だと思うんだよなあ。
設計はめっちゃ凝ってるけど、
つかう分には清濁半濁小書き、拗音外来音同置だし。
2024年11月09日
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