2024年11月12日

【配列】大西配列を挫折しそうな人に試してほしい配列

例の動画の影響で、大西配列に挑戦する人が増えてうれしい。

上がって来る感想を見ているんだけど、
そもそも左右に母音と子音が分離していることすら、
なかなか手が動かない人がいるようだ。

なので、大西配列よりもっと簡単にマスターできるものを考えた。


左右分離型、規則的なローマ字「プレーン25」配列
(25キー配列)

PWRYM っ・・・・
HNTSK ーAIUE
BXDZG んО、。・

・の部分は未定義。
アルファベットの残り、FJVQCを並べてもよい。

英語は考えていない。純粋に日本語。


構造を見てみよう。
左手に子音、右手に母音だ。
これは大西配列と逆だけど、
横書きするときに、子音→母音のほうが直観的でしょ、という主張だ。

「あいうえお」を規則的に並べていて、
ローマ字で特殊入力が必要な、「っ」「−」「ん」を並べている。
「、」「。」はqwertyと同じとして記憶負荷を減らした。

左手の子音部分。
KSTNHが中段に規則的に並んでいて、
ホームポジションで使える。
その濁音は下段、半濁音は上段に。
これは大西配列を模した。

残りの子音がまた規則的に上段で並んでいる。
余った下段部分はXなので、これで小書を使ってください。

なお、外来音はこれでは打てない。
あくまで日本語ローマ字までだ。
外来音も欲しかったら、適宜空いているところにFJVを足してくれたまえ。


このように規則的に並べた意図は、
「不規則的に並んでいるものと何が違うのか?」
を明らかにするためだ。

qwertyが不規則に並んでいる理由は、
日本語を打ちやすくするためではない。
英語を打ちやすくするためだ。
(そして歴史的経緯から、その開発途中でヒットしてしまったため、
普及させるために固定せざるを得なかったというのが実情だ。
現在では禁止されているカルテルをタイプライター各社が結んで独占した)

これを無理やり日本語のローマ字に利用したから、
ひずんでしまったのだ。

じゃあ、日本語の順番に並べて一回使ってみようぜ、
という体験用の配列だと思ってくれ。

もちろん、そんなに高速には打てないが、
qwertyを打つのに困難を覚える人は、
この程度の配列でいいんじゃないか、
って僕は思っている。

つまり、qwertyの癖を一回これで抜こう、という解毒用の配列である。



さて、ここから本題。

この配列と大西配列の差分はなんだろう?
ということである。

運指である。

大西配列が左母音右子音を採用している理由は、
「右手のほうが器用な動きが出来るから」だ。
だから最終的には、右手に子音を任せた方が、
高速で疲れないことを目的としているわけ。

だけど、左右が逆になっていると、
子音→母音の流れと書く方向が逆になって、
直観的に使いにくく感じると思う。
使いにくくない人は、この配列を左右反転してみればよい。

次。
運指についてだ。
この配列は、OUは打ちやすい。
アルペジオ運指(片手連続のうち、連続しやすい2連接)
を使っているからだ。
しかし、母音→っ、母音→ー、母音→ん
はぶっちゃけ打ちにくい。
悪運指だからである。

規則的配置は視覚的にわかりやすいが、
指の感覚からすると打ちにくいものがあるのだ。
逆もしかり。
指の感覚からすると打ちやすいが、
視覚的に見ると美しくない、
というパターンもある。

パッと見、母音が一列にそろっているほうが美しくない?って思うんだけど、
これは打ってみると打ちやすさを感じると思う。

合理的なキー配列、いわゆる新配列は、
実はこのようなことを考慮して並べられている。
大西配列の母音部分を見てみよう。

・・U・
EIAО

OUがちゃんと打ちやすくなっているね。
二重母音ではAIが一番多いのだが、
それは大西配列でもこの配列でも打ちやすくなっている。
ただ大西配列ではAIUEOの順にはなっていない。
英語と日本語を両方打つため、Uを犠牲にしているのだ。
(英語の5母音の中で一番出ないのはUだから。
ちなみに、日本語:AIOUE、英語:EAIOU)

このような運指を重要視した場合、
規則的配置は壊れる。
パッと見わかりやすく、見ながらでも打てるこの配列か、
運指重視で並べられているが、習得に困難を覚える大西配列か、
という違いだ。

つまり、この配列は、
大西配列よりもハードルが低い。
しかし、その分能力としては遅い。
よくない運指があるからね。

そこらへんの、どこらをバランスするか、
という話。
この配列は、
「左右に母音子音が分れていたほうが、ローマ字は打ちやすいよね」を、
体験するための配列と割り切って欲しい。

もちろんこれをガチで突き詰めて最速を出せる人がいるかもしれないし、
気に食わない部分を微妙に直したらましになるかもしれない。
それは好きなようにやってよい。


この配列は、
このシンプルなアイデアから、
配列勢が何をしてきたかを探るための、
ベースとして考えることができる。
これじゃあ速くならないから、どんどん工夫が始まったのだ。

だけど、それを配列図を見てパッと理解できる人は初心者にはいないから、
僕ら配列勢が、大西配列を見て「なるほどねー」って察する部分を取り除いて、
もっと原型を抽出してみた、
というわけ。


もしひとっ飛びに大西配列を学べず、
困難を感じている人がいたら、
純粋に左右分離型のローマ字のこれを体験して、
なるほど、と順番に理解してほしい。
posted by おおおかとしひこ at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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