両者が異なるというのに、
同じキーボードとその配列を、
異なる基準で評価するから、
キメラができあがって、どちらにも使いにくいものになるのだ。
じゃあ、その評価基準を比較してみよう。
目で見た整理
・左から右に順に並ぶべき
・似た機能はブロック分けされるべき
・ブロックとブロックの間は空けるべき
(例、ファンクション段と数字段、文字部とテンキー部)
・役割によって色を変えるとベター
(例、機能キーと文字キーをツートンにする)
・近くにあるという意味は、八方向の近くのこと
(当たり前すぎるが、指にとっては異なる。後述)
・キーが足りない? 端っこにならべとけ
指で見た整理
・内側指から外側指に並ぶべき
内側の指が丈夫で、外側の指は弱い
・似た機能はブロック分けされるべき
・ブロックとブロックの間を開けられると遠くなるので、
開けないでもらいたい
・役割によって手触りを変えるのは無駄
触って初めて分かるのでは遅いので、
空間配置を優先させるべき
(例、右手と左手で役割を変える)
・近くにあるという意味は、異なる指(横方向の隣、アルペジオ)のこと
同じ指にある(縦方向の隣)は遠い
・指の伸ばしてる位置から、別の長い指の縮めてる位置への連接は遠い
・指によっては、異なる指の斜め位置でも近い(アルペジオ)
・4ないし5を1組とするべき
・似た機能は、異なる指に振るよりも、
同じ指に振った方が使いやすい
・したがって、横に並ぶのは高速に使う異なる機能、
縦に並ぶのは連続して使いにくい、異なる機能
・キーが足りない? レイヤーに積め
これだけ整理の仕方が異なるのだから、
そりゃ置き方で違うのはあたりまえだ。
たとえばqwertyを例にとると、
最初の文字Aは、かつて左上にあり、
最初に見つけやすい位置にあった。
それが、左上は指が打ちにくいから、
中段にきたわけだ。
目の整理と指の整理の拮抗点に来ているから、
どっちからとっても中途半端なのだね。
qwertyは目で見ても不規則配置だし、
指で触ってもスムーズな運指をしていない。
どちらの言うことも聞いた、
中途半端な配列であることが、
歴史を調べるとわかってくる。
僕は目で見て最適化したものと、
指で見て最適化したものの、
ふたとおりを作るべきだと思うが、
そうはいかないのだろう。
目で見れば、
一つのキーに一つの機能があるべきで、
二つ以上が重なると混乱する。
だから全てのキーを左から並べるべきで、
それが109キーボードになった。
指で見れば、
ホームポジションからなるべく動きたくないため、
そこから1U距離以外にキーを置きたくない。
そして小指を酷使したくないため、
必然的に36キーが最適解になる。
で、109キーを収めたいから、
レイヤーを使うのが順当だ。
つまり、キーボードをどれだけ写真で見たり、
動画で見たり、実物を見たとしても、
目で見た整理しか見れないのだ。
もちろん、そのように作られたキーボードなら、
まあそう見ればいいんだけど、
指で整理されたキーボードを、
いくら目で見てもわかんないだろう。
逆に目で整理されたキーボードを、
いくらブラインドタッチしても意味がわかるまい。
目で探すのと、
空間感覚だけで使うのは、
身体の生理が異なる。
なのに同じキーボードを使うから、
断絶があるのだ。
カメラで音楽を聴く人もいないし、
ヘッドホンで絵を見る人もいるまい。
生理が異なるものは、専用の機器を使うべきだ。
この、当たり前のことに、
タイプライター黎明期も、
キーボード黎明期も、
気づかれなかったのが、
いまのていたらくである。
僕がここで論じていることは、
すべてブラインドタッチ、指の整理の仕方である。
新配列の議論はすべからくそうであろう。
なのに自作キーボードは、
映え写真ばかり撮って、
人を誘蛾灯のように誘うばかりである。こまったことだ。
本当なら、電気を消したところで、
闇鍋のように手探りだけで、
論じるべきなのだ。
まあそんなこともできないから、
電気をつけて目で見るしかないんだけどね。
なぜqwertyはあんなに歪なのか。
サイトメソッド派と、
ブラインドタッチ派の、
折衷案ということがわかった。
折衷案とは、どっちも我慢する案のことだ。
僕は、それぞれに最適化してすみ分けるべき、
と考える。
そしてサイトメソッドの最適解は、
単なるアルファベット順配列だ。
ブラインドタッチの最適解はまだ分かっていない。
なぜなら、
肉体の条件が人によって異なるからだと思う。
誰かにとっての革靴が、
私にあう保証がないのだな。
煎じ詰めればこんなに簡単なことを、
誰も認識してないのが、
いかにキーボードが論じられてなかったかの証拠じゃないかな。
2024年11月27日
この記事へのトラックバック
>>単なるアルファベット順配列だ。
サイトメソッドは
1.おおよその位置に目をやる
2.正確な位置を注視する
の2ステップになるので、
アルファベット内でも最低限の
>>・似た機能はブロック分け
はあるように思え、
英語入力で考えるならならせ、母音・子音で2グループ
日本語のローマ字入力で考えるなら、母音・子音(清音)・子音(濁音)の3グループ分けぐらいされていて、欲を言えば清濁隣接してるとうれしいでしょう
・・・などと考えていくと、サイトメソッド向け配列も結局タッチタイピング向けと似たようなところに着地するのでは?と思いました
そう並べたとしても、
清音子音がkstnhmyrwと9音あり、
4ないし5と相性が悪いこと
アルペジオを活かせないこと
などの指から見た整理が使えないので、
ブラインドタッチ用の配列としては使いにくいものになると考えます。
>>サイトメソッドは
>>1.おおよその位置に目をやる
>>2.正確な位置を注視する
ことから、
「アルファベット順」はサイトメソッド用として、最適とは程遠いのでは?ということでした
タッチタイピング向け云々は忘れてください
(サイトメソッド向けはどうしたらよいかを添えようとして、具体例を考えてみた時に、近くなるかも?と思いつき、そう書いてしまいましたが、本題はそこではないので、趣旨がぶれてしまいました・・・)
ローマ字はそのように整理されるのはまあいいとしても、
そしたら英語と乖離するので、
英語用とローマ字用の二種類が必要になってしまいます。
だったらカナ配列でもよいのでは?
と考えます。
キーボードの厄介なところは、
「実は二言語を打つ仕様」が隠れてるところかな。
なので、単純なアルファベット順が丸いかなと。
なお初期のタイプライターでは、
AEIOUYの母音が上段、
残りの子音がアルファベット順に中下段で、
それでええやんと思った記憶あり。
>>AEIOUYの母音が上段、
>>残りの子音がアルファベット順に中下段で、
>>それでええやん
これには納得します
というか、
>>単純なアルファベット順が「丸い」
これにも納得します
引っかかっていたのは
>>サイトメソッドの「最適解」は、単なるアルファベット順配列
と言い切っていた部分でしたので