新配列を日常にした後で、
qwertyに戻ると、「こんなに手を動かしてたのか」
とびっくりすることがよくある。
今やそんなに動かす必要がなくなったのであることに、
感謝したくなるわけだ。
でも動画映えするのは、
「目まぐるしく動く手の動き」だったりするのよね。
RTCで動画を見れる配列でいうと、
ことのは配列はSvalboard専用配列だが、
ほとんど指を動かさずに打っているように見える。
これは総カロリーを減らした、
極限の楽な状態のはずだが、
地味に見えるので映えが少ない。
一方シンプルローマ字は、
派手に動いている
(カメラも揺れているw)ので、
「疾走感が半端ない」ように見える。
だが結果は137で、ことのはの150より遅い。
ここなんだよね。
「速度/動きの大きさ」という指標で考えないといけない。
それでいうと、シンプルローマ字はことのはよりエネルギー効率が悪い。
まあローマ字vsカナというそもそもの効率差もある。
武術の達人みたいなもんだ。
わずかな動きで大きな効率を得る方がすごいのだが、
人は飛んだり跳ねたりする方をすごいと勘違いするわけだ。
これを中国武術では、
「華拳繍腿」といって、
華美で派手な動きをバカにする言葉があるんだけど、
初見の素人さんは、
「マシンガンのように速え!」と驚きたいんだろうなあ、
と思う。
配列動画玄人?ならば、
「手の動きの少なさ」に注目して、
上がりの文字速度と比較して議論するだろう。
そのへんは大西さんも理解してて、
「れんかはエンターを小指外のノーマルエンターで取る」
ことにすぐ気づいていた。
薙刀式は30の中に制御キー込みにしてることを知ってたからだろう。
そういえば大西配列は、
チートぎりぎりの技に誤魔化されていたがw、
左手の動きはかなり少ないと感じた。
右手はどうしても人差し指伸ばしにKGがあるので、
ドッシリ構えることは無理みたいだね。
とはいえ右手だからセーフ、という理屈はあろう。
むしろおさかなキーボードが狭ピッチなので、
まず初手で動きが小さくなってるんよな。
次からはテーブルに10円玉置いといて、
ってルールを決めれば、
同スケールで比較できるかも知れない。
薙刀式は、案外手が動いてるなー。
薬指小指の使用頻度を下げるために、
人差し指中指の頻度が増えて(計80%)、
結果上下移動が増えているので、
見た目には動いてるかな。
だったらカタナ式のほうがあんまり動かないだろうね。
そうそう、このカタナより振り回してる感覚が、
薙刀の名前の由来でもあった…
飛鳥配列は中段だけで7割を打つから、
さぞ手が動かないのかと思ったら、
KIHではまあ結構動くなと感じた。
AZIKに比べれば全然だけど。
新下駄が思ったより静かで、
ここでも新下駄恐ろしい子。
ステノワードは最大10キー同時押しで、
よく使う単語が登録されているため、
むしろ漢直に近い運用だ。
以前見た動画では、
秒3回くらいの同時押しで3語書けるので、
ぐんぐん進んでいた。
これも、動かないが進む達人方式だろう。
ずっと動かないと凝るという説もあるので、
動かないだけが優秀とも限らない。
薙刀式は、
ある打鍵の勢いを利用して次も使う、
みたいなはずみ車的な動線の繋がりが多いから、
酔拳的だとも考えている。
「動き」を議論する言語が足りない、
と動きを批評する時によく思う。
僕は、手のBPMが低いほうが優秀な配列だと考える。
(とはいえ漢直やステノワードをやるか?というのはある)
でも動画映えするのはBPMが高い方だよね。
その矛盾よ。
配列というものは、
「手を動かせ」という通常の考え方と逆で、
「キーの方を動かせ」なので、
仕上がりが動画では分かりにくいのもあるだろう。
ただ、動画がなかった頃に比べて、
格段に各配列の動画が見れることで、
「どんなものか」が日の当たる場所に来たと思う。
次回ATC開催時には、そんなことも解説したい。
2024年12月04日
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