2024年12月22日

Ikuzologicという世界的交響曲

対立する二組のものが絡み合い、
それぞれ単独で存在するよりも高みにのぼる。
共通点があり相違点があり、
かつて単独でいたときよりも、
素晴らしい結論にたどりつく。

それをアウフヘーベンという。

先日取り上げた、
DA PUMPの「USA」と吉幾三の「オラこんな村嫌だ」を、
マッシュアップしてた人の最高傑作を見つけてしまったので貼っておく。
https://m.youtube.com/watch?v=-2AgX2h4ZJ8&pp=ygUJaWt6b2xvZ2lj
これはもはやアウフヘーベンの交響楽である。


ダフトパンクもCapsuleも、
吉幾三とは関係のない文脈で生きてきた人々だ。
でもダフトパンクがここに使われてるのには意味があって、
歌詞の内容が、
「こんなイギリスのクソ田舎から出て、
都会に行きたい」みたいな話なんだって。
へえ、吉幾三と同じで、
しかもラップかよ。

これは俄然共通点と相違点をもった、
対立する二つのものになる。

後半、それが怒涛の勢いを帯びる。
ももクロたちが吉幾三トリビュートをしてたのは知らなかったが、
へえそんなんあったんやーくらいに見てると、
その完成度が素晴らしい。
何もかも飲み込んでまとめていく、
リードボーカルの吉幾三、
ベースをまとめるCapsuleの共演が、
交響楽団へ再編成されてゆく。

そしてオオトリの吉幾三は、
銀座ライオンに登る暴挙(笑。

さらにツカミの赤バックの文字で、
ブックエンドだ。

ブックエンドは、頭と尻で、
同じものを使ってるのに意味がまるで変わることだ。

ツカミの頭は、ただのネタとして笑ってたのに、
ラストは、ありがとう、キッチリ締めてくれ、
とまるで願いのように見ることになる。

そしてHA!と、すべてが無に戻る瞬間よ。


素晴らしい。
何もかもがアウフヘーベンを起こしている。

これが物語でなくてなんであろうか。
遅滞することなく駆け抜ける7分間。
アウフヘーベンもクソもない、
ぐだぐだクソ映画を見るくらいなら、
よほど洗練された、
「昇華とはこのようなものである」の、
教科書になるべき7分間を味わうことだ。


あなたの物語はこれに匹敵する昇華を味わえるのか?
2時間かけてこのスリリングさ、冒険心、満足感、多幸感に負けるなら、
あなたの負けだぞ?

交響曲のことは僕はあまり分かってなかったのだが、
このリミックスを見て、
ああ、アウフヘーベンなのか、
と理解が進んだ。


これは現代の第九に等しい。

諸人つどりて、神という一になるための、
これは年末の祭りに相応しい。


昔の紅白でさ、
サブちゃんの「祭り」を中心に、
みんながわっしょいやってるのがよくわからなかったんだけど、
これなら真の祭りにふさわしいのがよくわかる。
サブちゃんはビジュアルしか祭りじゃなかったが、
この曲は、曲が祭りとして完成されている。

僕は紅白でこれが見たい。
僕は東京五輪の開会式でこれを見たかった。

人類が到達できる最高の娯楽、最高の喜び、
人間の文化を好きでよかった、
異なる人が沢山いてよかったという、
最高の愉悦に到達できる。
紅白や五輪開会式とは、この地球を良いと思う、そのような場であるべきだ。

それを愛というにはあまりにも語彙が足りてないので、
「アウフヘーベンの交響楽」と呼ぶことにする。
posted by おおおかとしひこ at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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