薙刀式の特徴のひとつは、
日本語でよく使う2連接(ときにそれ以上)を、
打ちやすいアルペジオに仕込んだことだ。
これをモジュール化、とラクダエンさんは呼んでいる。
なるほど。
日本語のよく使うパーツ
(ある、ない、する、して、てき、こと、など多数)
を「1文字+1文字」ではなく、
「2文字の一塊」と考えるモジュール化は、
大元は飛鳥配列にあったように思う。
飛鳥配列は清濁別置だし、
薙刀式に比べて自由に置けるし、
単打、左連続シフト、右連続シフトの3面あるから、
多数のアルペジオにモジュールを仕込めている。
これが飛鳥の「ぬるぬるつながる」
という感想の基幹になっていると僕は考えている。
(反面、面跨ぎの言葉の時に抵抗が強く、
いかに3面に分離するかなのだが、
一つの言葉の中に数面入ると、
手がゴチャつくことが多く、
そっちのマイナス面を僕は好きになれなかった。
その後元祖親指シフトを触ってみて、
僕はそもそも「2本の親指に左右盲が起きやすい」
ことが判明。
飛鳥を使いこなせる親指ではなかったのだ)
で、
そのモジュールを、なんでもかんでも入れればいいというものではなく、
全て排他的配置という強い条件や、
指の使用頻度という実用条件の、
バランスを取りながらできたのが、
現在の薙刀式ではある。
(+編集モードという、カナとは分離できるけど、
実用上一体化したやつも含む)
ラクダエンさんは最終的にヤウ配列の考え方
(左右分離行段系で、ア段だけ母音省略できるもの)
を採用したニャウ配列にたどりついたようだ。
この考え方だと、
母音連続にモジュールがつくれる
(漢語に多い二重母音、ai、ou、eiや、
母音だけの言葉、あい、いう、うえ、あおなど)し、
ア段だけの連続にモジュールがつくれる
(から、たら、なら、だが、だから、また、はた、かさ、
かた、たか、はな、さま、まさ、など)。
普通の行段系では母音部のみだけど、
二つ目の子音連続にアルペジオを仕込み、
ア段限定(日本語の母音ではAが最も多い)ではあるが、
モジュール化できるのは、
ア段母音省略配列の強みではないかと思う。
(なおア段省略配列はヤウ配列の専売特許ではない。
古くはカナガワ配列があり、
http://oookaworks.seesaa.net/article/505730838.html
に複数をまとめてある)
そういえば左右分離行段系のカタナ式を作っていたときは、
左手だけ見た時にアルペジオになりやすいように、
右手だけ見た時にアルペジオになりやすいように、
色々な位置を工夫していた。
左右分離行段系は左右交互的ではあるが、
片手だけ見た場合にも運指がスムーズであれば、
楽できるやろという考え方だ。
だから左手は、
する、して、した、てき、など、
その後の薙刀式でも基本に採用する言葉の、
片手だけで見たアルペジオを意識していた記憶がある。
モジュールは、文節とは異なる。
文節ほどの連なりをキー配列で実現することは困難なので、
もう少し刻んだパーツだね。
以下のニャウ配列動画を観察すると、
https://x.com/catfist/status/1874857546810609679
さい けん どう とって ます かあ
あたりは、一塊で打とうとしていることが観察される。
文法的には、
最 鍵 動 は漢語熟語の一部、
とって は動詞の連用形、
ます は丁寧語、
かあ は口語、
と全く機能やジャンルは異なるものだけど、
「それはぬるっと一塊で行きたい」
というものばかりだ。
この一塊をモジュールと彼は読んでいて、
これを合理的な一塊の運指にするべきなのだ、
というのが、
飛鳥以来の系譜といえようか。
ア段子音連続は、偶然上の中には含まれていなかったが、
左手アルペジオがこれに加わるので、
その分速く楽になりそう。
ちなみに、多くの行段系ローマ字に共通する練習法を貼っておく。
これは大西配列用だけど、原則はおなじ。
http://oookaworks.seesaa.net/article/505641457.html
2025年01月03日
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