月単位の肉体への影響というのがある。
仕事でロスに一ヶ月滞在したときのこと。
飯がアメリカなので、
体がだいぶ書き換えられた感覚を知った。
スーパーハイカロリー、
脂ギトギト、その上にクリームかける、味濃いめ、
野菜あまり食べない、ピクルスが野菜、
量もめちゃくちゃ多い、日本の癖で食べ残しなしにすると、
かなり多い。
最初は拒否反応で口内炎や便秘になるのだが、
そのうち慣れてきてアメリカの飯こそ自然と思う体になってくる。
体重は増える。太り気味にもちろんなる。
一ヶ月も滞在すると、
胃がアメリカ飯を予想し始める感覚になってくる。
そして日本に戻ってくると、
また肉体が日本の飯に合うように改造される。
スーパーハイカロリー脳天突き抜け飯から、
徐々に普通カロリーの淡白へと感覚が戻る。
勿論肉体の混乱がある。
胃はアメリカ飯なのに、日本のパスタとか食うからね。
ダシやネギや大根やゴボウに慣れ直さないといけない。
魚も久々だな。エビは食ってたけど、刺身や照り焼きはなかったもんね。
何より米。パン食やパスタから戻さないと。
なんとかソースから醤油味噌に戻さないと。
拒否反応、変えた後に前の感覚がフラッシュバックする、
過剰に適応しようとして大量摂取、
など、肉体は勝手に調整をする。
何せ3食決まった時間に胃に放り込まれ、
消化を強制されるからね。
その間の身体の違和感
(神経が慣れようとして微調整を続けている)は、
脱qwertyと似ているだろうと思う。
目下qwertyからニャウ配列へ移行修行中の、
ラクダエンさん:
> 脱qwertyローマ字離脱症状の一つ
> 手が動かなすぎて気持ち悪くなり、行き過ぎる
> これすげえ厄介で、効率よくしようと思ってやってんだから当然楽な動きになるのに、それだと打ててる感じがせんのだよね。そんで次は過剰にサボり始める
> 試し行動かっつう
アメリカ食から日本食に戻した時の感覚が、
かなり近いと思った。
飯食った気がしなくて、詰め込んで食いたくなるとか、
ものすごい甘いデザートつけたくなるとか、
コーヒーをグランデぐらい欲しくなるとか、
そういうやつ。
日本食で自分の体は十分なはずなのに、
「食った気がしない」「何もしてないんじゃないか」と、
身体の感覚がおかしくなるのよね。
これは神経が微調整している違和感なのではないかと思う。
qwertyローマ字の厄介なところは、
運指が複雑で疲れるために、
「俺はこの難しい運指を使いこなしている満足感があること」と、
「とても疲れるので仕事した感があること」
だと思う。
「ッターン!」でカッコつけたくなることや、
「ふう…」ってなる感じが、
ナルシズムをもっているわけだ。
新配列からみたら、真実はそうではないのだ。
そんなに苦労して指を交錯させる必要はない。
指をホームポジションから少し動かす程度で良い。
そんなに疲労せずにギアは進む。
ッターンなんて文節単位でやるいつものことなので、
ちょい、くらいで良くなる。
qwertyで1万字を書く時のハイカロリーを身体が期待しているのに、
新配列で1万字を書くと、
物足りなくなってしまうのだ。
グランデサイズのコーヒーも、
クッッソ甘いカロリー暴力のデザートも、
バケツ一杯かと思わせるボリュームも、
同じ味ばかりつづく味付けも、
摂取しなくてよいのに、
体が求めてしまうのだ。
その違和感を超えないと、
qwertyから縁を切ったことになるまい。
そして、縁を切ったその後には、
qwertyと共存しなければならない時が戻る。
つまり、アメリカ食と日本食を、
切り替えて生きていかなければならなくなる。
日本から渡米した時のような、
カロリーの暴力に口内炎ができながら、
対処しなければならないのだ。
往復をするようになったら、
そのうち体が慣れてゆく。
今から毎日それをやったとしても、
2月いっぱいタイピング的な口内炎に悩むことになるだろう。
ただ身体は慣れる。
慣れて使い分けられるようになる。
その突破者になって、
はじめて新配列使いなのだ。
僕はその後アメリカに一ヶ月行くような真似はしてないので、
僕の胃袋は現在日本仕様だけどね。
(ブラジル一週間、フランス一週間、北京二週間くらいはあるけど、
一ヶ月くらいいないと身体が改造される感覚はないなー)
東京に来て、
大阪弁を使わずに東京弁で咄嗟に喋れるまで、
半年はかかったかな。一年位かかったかな。
それよりは、脱qwertyは簡単だと思う。
東京弁と大阪弁はカロリーは似たようなもので経路が異なるんだけど、
qwertyと新配列はカロリーが3倍くらい違うからね。
2025年01月04日
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