2025年01月05日

【薙刀式】なぜカナ入力か

こんなツイートがあったので。

> かな入力は興味あるけど自分が試さないのはなぜだろうか?
> 複数の言語の入力をシームレスに切り替えられるようにしたいというのが潜在的にありそう(自分のことだけとよくわからない…)

僕は逆。
「日本語と英語はまったく別の言語なので、
シームレスに繋がらない。だから分断したい」だね。


そもそもルー大柴みたいな、
英語と日本語の入り混じった文章は、
日本語として最低だ。
技術文章ではある程度仕方のないことだけど、
僕は技術文章がメインではない。
したがって、
日本語で書くことが本分だ。

日本語と英語は異なる。
音韻構造も文法も考え方も文化も哲学もだ。
(文化や哲学は、多くは宗教の派生だったりする)

なのでそれがシームレスにつながるはずがない、
と僕は考える。

ローマ字で日本語を書くこと自体、
僕には不快である。
日本語はカナを原子とするのに、
それ以下の単位に割ることの意味がわからない。
もちろん方便なのはわかっていても、
「変な感覚だなー」と思わないのは、
日本人として不思議だとすら思う。

もっともそんな違和感は、
もっと不自然な「コンピュータを使う」で、
かき消されそうではある。
だけど僕は「日本語を書く」ことにコンピュータを使うので、
その他のコンピュータのこととは分けて考えたいのだ。
(仕事ではAdobeをバリバリ使ってるし)

なので、方便として、大人として理解しつつ、
日本語として違和感を(無意識下で)感じている、
というのが大多数の感覚だと思う。

(自キ勢で特にqwertyローマ字の速いおかちまちさんは、
すでに指にアルファベットの共感覚ができてるらしい。
左中指はCっぽいって思うんだって。おもしろい。
そんな感覚は日本人には元々ない。
逆に僕には、右人差し指には「あ」っぽい感覚が、
右中指には「い」っぽい感覚があるね)


さて、日本語と英語の話であった。
僕には日本語の共感覚はあるが、
英語にはない。
それは、たかが学校教育で触れた程度にしか、
英語に触れていないから、だと思う。
そして僕は表現者であり、
英語をその道具として使わないから、だと思う。

技術系文章ではそうもいくまい。
マニュアルは英語だし、使うソフトも英語だろう。
そのシームレス感覚はわからなくもないが、
僕はそれが嫌なんだよね。
「日本語の感覚が犯される」感じがする。

というわけで、
国粋主義者かもしれないが、
日本語と英語は線引きしたいのだ。


僕が配列を変えたいと思った時、
最初にいじったのがIMEの切り替えだ。

MacのIME切り替え方式、
英数/かな(IMEオフ/オンを、スペースキーの両隣キーに置く)
方式をまず実装した。
まだ無変換/変換にそれが実装される何年も前だ。

Winの全角半角方式はクソである。
第一に遠い。第二にトグルだ。
ここからこっちは日本語、ここから向こうは英語、
と彼我の領界の線引きをする道具ではない。

僕は明快に線引きをして、スムーズに切り替えをしたい。

ジキルとハイドのようなものか。
僕は明快に切り替えたい。
一方、シームレスにしたい人は、
ジキルとハイドが混ざることに生理的嫌悪感がないのだろう。


なので、
Windowsの、
ローマ字のまま英語スペルで書いてしまったときに、
Fなんとかで半角英語に直す機能や、
IMEをオンにしたまま半角英数を使えて、
それでうっかりローマ字を打った時にFなんとかで日本語に直す機能が、
気持ち悪くてしょうがない。
境界線をつなげるな、という気持ち悪さだ。
背中から刺された気になる。

日本語は日本語、英語は英語。
両者は言語学的距離がもっとも離れた言語種のペアのひとつだ。
それが混じり合うはずがない。
have a coffee?と気軽にコーヒーを少ない音節で進める言葉は、
日本語にはない。
「茶でもしばくか」と喫茶店に誘う短い英語も、英語にはないのだ。

英語にも共感覚があり、
両言語を同程度に扱える人は、また別だと思う。
僕はそうではない、というだけのこと。



というわけで、
日本語はカナ配列(薙刀式)、
英語は適当にqwerty維持、
明示的に切り替える
(薙刀式では、無変換/変換のないUSキーボードでも使えるように、
FG同時でオフ、HJ同時でオンに当ててある)
ようにしている。

カナかローマ字かの二択で言えば、
打鍵数においてカナが楽だ。
アクション比で0.97:1.7、
総打鍵数比で1.3:1.7程度に楽できている。

で、これは僕の傾向なのだが、
ローマ字では脳内発声があり、カナではないことがわかっている。
手書きで書く時は脳内発声がないため、
そのデフォルト状態に近いのはカナだ。
ローマ字はいちいちうるせえのだ。

それだけ、僕は日本語が母国語的に染み付いていて、
他言語に適応していないのだと考えられる。


英語話者で脳内発声のない人(書く時に)いるんかな。
その辺はよくわかっていないのでなんともいえない。


それくらい偏った人は、
カナ配列を使うべきだ。

そこまででもない人は、シームレスが良い可能性もある。

あくまでサンプル1だけど、
日本語話者はカナ配列の方が楽だと思うなあ。
(JISカナがクソすぎるので、
カナ系新配列をお使いください)
posted by おおおかとしひこ at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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