自作キーボードをつくるとか、
新しいスイッチやキーキャップに変えるとか、
市販のいいやつ買うとか、
中古でゲットとか、
有線を無線にしたとか。
新しいキーボードはいい。
新しい畳や新しい万年筆もだ。
そういうときに、配列も変えるとチャレンジしやすい。
経験的に言われているのは、
「物理キーボードと論理配列の記憶が紐づきやすい」
ということである。
人の記憶というのは複合的だ。
昔の音楽を聞くと、その当時のことを思い出したり、
昔住んでた場所へ行くと、いろんなことを思い出したり、
昔よく行ってた飯屋に行くと、いろんなことを思い出したりする。
昔読んでた本を読んでもそう。
ただし電子じゃ無理だな。触覚とか匂いとかが関係してるんだと思う。
記憶は記憶単体として存在するのではなく、
五感と強く結びついている。
まあその方が記憶の負荷が減るからだね。
これは、宣言記憶でも手続き記憶でもおなじだ。
僕は少林寺をやってたが、
道着を着れば当時の動きが蘇ると思う。(できるかはおいといて)
自転車に乗ってる時だけの、道のルートの記憶もあろう。
だから、新配列を、そのキーボードと結びつけると楽になる。
いつも使ってるキーボードで、
qwertyと新配列両方使う、でもいいんだけど、
混同するのは結構つらい。
なので、旧キーボードでは旧配列、
新キーボードでは新配列、
のように使い分けると切り替えがしやすいのだ。
同じPCに繋ぐでも、キーボードを挿し替えるのである。
たとえ内部的なプログラム(エミュレータ)で切り替えてたとしてもだ。
頭の切り替えを、触覚の切り替えと結びつけたほうが早いよ、
という話だ。
現キーボードが気に入っているならば、
安いパンタグラフを2000円くらいで買って、
そっちをqwerty専用にする手もある。
qwertyは物理記憶とともに引っ越しました、という感じだ。
以後qwertyをそれでしか打たないように努めれば、
新配列を迎え入れるメモリーが空くわけだ。
とくに薙刀式は3キー同時押しに対応してる、
良いキーボードが必要なので、
高いキーボードをまた買うのもなー、
という時に使えるテクだ。
まあ、そもそも配列が気になる人は、
たいてい複数のキーボードを持ってるものだ。
アレがいいと聞けば買い、ソレの何が良いと聞けば買う、
みたいな難民状態であったはずだ。
だからそれを蔵出ししてqwertyの記憶をそこに押し込めとくとよい。
ホットスワップなメカニカルを使ってる人は、
スイッチを変えてみよう。
たとえば薙刀式はFJをとても使う配列だから、
FJだけクリッキーを入れるだけでも、
全然触覚の記憶が変わってくるよね。
うるさければタクタイルでもいい。
今タクタイルを使ってるなら、FJだけリニアでも良い。
そんな風にして、
「新しい触覚(ビジュアルや聴覚や匂い)と、
新配列を結びつける」と、
定着しやすく、混同を避けやすいよ。
全く同じキーボードで、シール貼って感触や色を変えるだけでも、
変わったことになるかもしれないね。
で、マスターしたらしばらくそれ専用にしておいて、
徐々に混在させていくと、
混乱期に慣れやすくなると思う。
混乱期を抜ければ、どんなキーボードでも、
新配列を使えるようになるし、
qwertyにも切り替えられるようになるだろう。
そこまで来るのは数ヶ月見ておくと良い。
新配列自体は一ヶ月くらいでなんとかなると思う。
自作キーボードに入門する人、
たとえばcorneやkeyballなんかをゲットして、
勢い余ってキーマップも新配列にしてしまえ、
という人はわりといる。
(大西配列が今は多いかな)
その勢いが一ヶ月続けば、まったくの新環境になるだろうね。
ただ、新しい物理配列にまず慣れる期間が必要な気がするので、
論理配列は遅らせでいいと思う。
イライラの度合いは倍になるからだ。
物理配列は1週間もあれば手が慣れるので、
それから本格的に新配列やれば良いと思うな。
新配列のマスターは、文化部じゃなくて運動部なんですよ。
知識や思考でなんとかなるものじゃないんです。
暗記ゲームより、なわとびに近いんです。
(配列設計は文化部と運動部の融合で、
実装やパズルを解く要素に理系部がいるなあ)
動きを実践する部活だと思うと、
シューズに慣れてから新しい動きを試すといいよ、
という感じかな。
そして前のシューズで前の動きをやればいい、
という風にイメージすると、
わかりやすいかもしれない。
2025年01月15日
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