見たことない古典を見るシリーズ。
そういえばヴィスコンティミリしらだなーと思って、
聞いたことのある「ベニスに死す」を、
何の前情報もなく見た。
キツイ。話がなさすぎる。
そしてフェミたちがいうところの、
「性的消費!」の感情を理解する。
以下ネタバレで。
話はめちゃくちゃ単純。
ミュンヘンの音楽教授が、
ベニスに休暇にゆく。(途中作曲に行き詰まってる回想あり)
海辺のホテルで滞在して、
そこに滞在するマダムの息子である少年に、
恋をする。
ガチゲイ、しかも少年愛。
ただ見つめるだけ。
一言も交わさない。
ただのすれ違う人として接するのみ。
途中、蔓延していたアジアコレラに罹り、
海辺で輝く彼を見ながら死ぬ。
以上。
音楽と絵は美しい。
そしてその少年がものすごく美少年。
水着シーンあり。無邪気に少年同士でじゃれあう描写あり。
自分が音楽家なのに、
彼が拙いエリーゼのためにをピアノで弾くのを、
ただただ大切そうに聞くのみ。
腐女子たちがいうところの、
「ただ私たちは壁になりたい」
という気持ちを、2時間表現し尽くした映画。
なんやこれ。
何が巨匠ヴィスコンティやねん。
ガチホモの片思い少年愛やんけ。
「性的な目で見られる」とは、
このようなことか。
流石に見る側には立てず、
見られる側に立って見てしまったわ。
きもちわる。
公開が71年なので、
僕が小中学生の頃に見聞きしたであろう、
70年代の少女漫画の少年たちに、
この少年の面影をみることができる。
ベルばらのオスカルはモロそうだってさ。
パタリロのマライヒや、
キャンディキャンディのテリーや、
トーマの心臓の世界が、
僕はよくわからなかったのだが、
作者たちがこの映画を見ていて、
性癖に突き刺さっていたと想像すると、
まあわからなくもない。
たしかに彼は美しい。
しかし彼がどんな人間で、
何を思い、どんな人生を歩みたいかなどは、
まるで語られない。
犬猫と同じ愛玩動物で、
そして美形な部分だけを消費されている。
なるほど、これが性的消費か。
少女のオッパイやパンツを我々男は消費してきたが、
女はこうやって少年を消費するのか。
うーんきもちわるい。
後半、主人公のオッサンが、
オシャレしてメイクするのが気持ち悪くて、
これがホモでなくてオバサンだったら、
と思うとまた気持ち悪くなる。
なるほどねー。やっと鏡を見れた感じだな。
90年代から2000年代にかけてフェミニズムが浸透して、
いまやツイフェミが性的消費!とウロウロしている。
彼女たちはこの映画を同等に燃やすべきだね。
ヴィスコンティ自身はゲイであったらしい。
撮影は楽しかったろうな。
なお、この少年を演じたビョルン・アンドレセン
を調べると、ボロボロのアイドルの人生のようで興味深い。
ヴィスコンティは絶頂だったろうが、
彼はどん底だったろう。
性的消費が世界を覆うさまと、
本人の対比がすごいな。ドキュメンタリーもあるってさ。
僕より年上のオバサンたちに、
ビョルン・アンドレセンについて聞きたいね。
彼の何を知ってる?とね。
それは性的消費かい?と。
それと俺らが今ハシカンを性的消費することと、
何が違うの?と。
それ以外何もない、純粋な性的消費映画の金字塔として、
歴史に名を残してるの?
なんでこれがキネ旬の同年1位なんだ?
そういえば俺らが小学校高学年のころ、
「ペニス」を覚えたてで言いたくてしょうがない時期に、
「ペニスに死す」とか言ってたの思い出した。
当たらずとも遠からずどころか、ど真ん中だったのかよ。
2025年01月19日
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