2025年01月19日

これが性的消費かー(「ベニスに死す」評)

見たことない古典を見るシリーズ。
そういえばヴィスコンティミリしらだなーと思って、
聞いたことのある「ベニスに死す」を、
何の前情報もなく見た。

キツイ。話がなさすぎる。
そしてフェミたちがいうところの、
「性的消費!」の感情を理解する。

以下ネタバレで。


話はめちゃくちゃ単純。

ミュンヘンの音楽教授が、
ベニスに休暇にゆく。(途中作曲に行き詰まってる回想あり)

海辺のホテルで滞在して、
そこに滞在するマダムの息子である少年に、
恋をする。
ガチゲイ、しかも少年愛。
ただ見つめるだけ。
一言も交わさない。
ただのすれ違う人として接するのみ。

途中、蔓延していたアジアコレラに罹り、
海辺で輝く彼を見ながら死ぬ。

以上。

音楽と絵は美しい。
そしてその少年がものすごく美少年。
水着シーンあり。無邪気に少年同士でじゃれあう描写あり。
自分が音楽家なのに、
彼が拙いエリーゼのためにをピアノで弾くのを、
ただただ大切そうに聞くのみ。

腐女子たちがいうところの、
「ただ私たちは壁になりたい」
という気持ちを、2時間表現し尽くした映画。

なんやこれ。
何が巨匠ヴィスコンティやねん。
ガチホモの片思い少年愛やんけ。

「性的な目で見られる」とは、
このようなことか。
流石に見る側には立てず、
見られる側に立って見てしまったわ。
きもちわる。


公開が71年なので、
僕が小中学生の頃に見聞きしたであろう、
70年代の少女漫画の少年たちに、
この少年の面影をみることができる。

ベルばらのオスカルはモロそうだってさ。
パタリロのマライヒや、
キャンディキャンディのテリーや、
トーマの心臓の世界が、
僕はよくわからなかったのだが、
作者たちがこの映画を見ていて、
性癖に突き刺さっていたと想像すると、
まあわからなくもない。


たしかに彼は美しい。
しかし彼がどんな人間で、
何を思い、どんな人生を歩みたいかなどは、
まるで語られない。
犬猫と同じ愛玩動物で、
そして美形な部分だけを消費されている。

なるほど、これが性的消費か。

少女のオッパイやパンツを我々男は消費してきたが、
女はこうやって少年を消費するのか。

うーんきもちわるい。



後半、主人公のオッサンが、
オシャレしてメイクするのが気持ち悪くて、
これがホモでなくてオバサンだったら、
と思うとまた気持ち悪くなる。

なるほどねー。やっと鏡を見れた感じだな。


90年代から2000年代にかけてフェミニズムが浸透して、
いまやツイフェミが性的消費!とウロウロしている。
彼女たちはこの映画を同等に燃やすべきだね。

ヴィスコンティ自身はゲイであったらしい。
撮影は楽しかったろうな。


なお、この少年を演じたビョルン・アンドレセン
を調べると、ボロボロのアイドルの人生のようで興味深い。
ヴィスコンティは絶頂だったろうが、
彼はどん底だったろう。
性的消費が世界を覆うさまと、
本人の対比がすごいな。ドキュメンタリーもあるってさ。

僕より年上のオバサンたちに、
ビョルン・アンドレセンについて聞きたいね。
彼の何を知ってる?とね。
それは性的消費かい?と。

それと俺らが今ハシカンを性的消費することと、
何が違うの?と。



それ以外何もない、純粋な性的消費映画の金字塔として、
歴史に名を残してるの?
なんでこれがキネ旬の同年1位なんだ?

そういえば俺らが小学校高学年のころ、
「ペニス」を覚えたてで言いたくてしょうがない時期に、
「ペニスに死す」とか言ってたの思い出した。
当たらずとも遠からずどころか、ど真ん中だったのかよ。
posted by おおおかとしひこ at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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