言語の話なので薙刀式カテゴリで。
みんないばらぎしと濁るのだと思ってたら、
いばらきしと濁らないことを知って衝撃を受けているそうだ。
僕は茨木市出身なので実情を。
大阪府茨木市は、いばらきしが正式名称。
ただし、実用上濁って発音されることがほとんど。
たとえば「茨木駅」というときは、濁音便が発生して、
「いばらぎえき」という。
JR茨木駅、阪急茨木市駅が近くにあり、
駅名は「市」ありなしで区別している。
地元民は「いばらぎえき」がJR、「いばらきえき」が阪急、
と使い分けてるよ。JRの正式名称はいばらき。
またややこしいときは、JRいばらぎ、阪急いばらき、
と冠詞と濁音の有無の二重で保険をかける。
逆に、僕は関西なので、茨城県は「いばらぎけん」と呼んでいた。
大阪はいばらきで、関東はいばらぎや、というのが大阪側の認識だったが、
実は茨城県では、こっちはいばらきでいばらぎは大阪、
となっていたらしい。
この対称性は、濁音便の発生の研究になるんじゃないか。
本来清音であったものが、〇〇何か、と複合語になったときに濁音化して、
その何かが外れたときも、濁音が残存した、
というのは他にも例がありそうだ。
名産でいうと。
茨木童子はいばらきどうじなのは、みんな女神転生で覚えた。
茨木高校はせいしきにはいばらきこうこうだが、
いばらぎこうこうと濁って発音されることが多い。
略称のイバこうに引っ張られているかも。
関西は大体マクドとか汚く濁るのが好きな傾向にある。
茨木高槻間で渋滞、ならばいばらぎたかつきかん、
と濁ることが多いね。そのほうが言いやすいからだ。
茨木市民会館はいばらぎしみんかいかんと、
濁って発音されやすいと思う。正式にはいばらきだろうが。
濁音で終わることで、次に何かつづく、
ということが暗示されるんじゃないかなあ。
茨木民というときも、いばらぎみんと濁る。
いばらきみんとは言わないね。
関西弁のアクセントも関係してると思う。
茨木市長はい↑ば↑ら↑ぎ↑市長↑という。
い↓ば↑ら↑き↓市長↓は関西弁の音程として変だからだ。
日本語は前後に来るもので発音やアクセントが変わる言語だ。
それをよく知らないで文字だけで考えた結果、
「いばらぎ」を信用してしまい、
無知ゆえに「いばらぎだったはず! マンデラエフェクトだ!」
と騒いでしまうのではないだろうか。
以上、大阪府茨木市出身者の話。
ぶっちゃけ、
地元でもいばらぎと濁って発音されることのほうが多い。
正式名称がいばらきと使い分けているに過ぎないと思う。
このへんは口で言えば大体理解できるのだが、
文字で表記するとややこしい、という問題がありそうな気がする。
ネットでマンデラエフェクトが流行るのは、
実はこうした「文字だけのときの問題」が絡んでいる可能性があるね。
2025年01月21日
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