おもしろい話とはなんだろう。
一つのことではなくて、
複数のことを「おもしろい」と言っている可能性がある、
ということまでしかわかっていない。
で、その成分には、「たのしい」がある可能性はある。
別に、楽しくなくても、面白い話はいくらでもある。
悲劇や静かなものや、真面目なやつもあるわけで、
楽しくなくても面白いと思う。
シリアスやハードなやつは楽しいとか言っている場合じゃない。
だけど、「たのしい」というのが全面に出ているだけで、
おもしろいと感じる人はいるだろう。
たとえれば、芸人がおかしな顔をしているだけで、
「面白いギャグ」と勘違いする人がいるようにだ。
つまり、「おもしろい話が見たい」というのではなくて、
「たのしい気分になりたい」のである、
ということが言える。
悲劇で人が死んで、復讐する暗い話だとしても、
人間の真実を抉り、面白い話は書くことができよう。
しかしそれは「たのしい気分」が欲しい人にとっては、
いらないものであろう。
たのしい話ってなんだろう。
たのしいシチュエーションのことだろうか。
たのしい道のりのことだろうか。
あんまり苦労しなさそうだ。
辛気臭くはなさそうだ。
それで人間の真実を描くことができるかはわからない。
浅い話になる気がするけど、
たのしくえげつない話は書けるかもしれない。
(一種の狂気かもしれない)
「時計仕掛けのオレンジ」は、
たのしい雰囲気での狂気だから、
これはこれでおもしろいと言えるが、
たのしいのが欲しい人は、こういうのは求めていないだろうね。
「フルメタルジャケット」のラストはミッキーマウスマーチだけど、
これは狂った戦争の中のたのしい狂気で、
「時計仕掛けのオレンジ」と同じ意味だね。
もちろん、これもたのしいのが欲しい人はいらないだろう。
たのしい気持ちになりたいときに映画を見るのかはわからない。
そもそもそういう映画の見方があるかもわからない。
だけど、たのしい映画はおもしろいことはあるだろうね。
たのしいときはどんなとき?
好きな人と遊ぶとき?
たのしい遊びをするとき?
ラッキーなことが起きるとき?
得するとき?
明るいとき?
たのしい音楽が流れて、たのしんでいいよ、という雰囲気のとき?
心配やネガティブなことがなく、ここはパラダイスですよ、
というときかな?
シュガーコーティングというテクニックがある。
ほんとうは苦いことなのに、
一見たのしくあまーいものでコーティングして出すやり方だ。
そういう顔をして嘘をつくのも、
我々の手口かもね。
「ミリオンダラーベイビー」を、
老人と女ボクサーがチャンピオンを目指す熱血物語!
とか楽しい風にだましている文句を見たことがあるが、
そういうのはネタになるわけだ。
たのしい映画ってなんだろう。
死なない映画?
踊る映画?
ハッピーエンドの映画?
雰囲気?
そんなことを考えながら、
「たのしい成分」を入れると、おもしろいと言われるかもしれないね。
シュガーコーティングした狂気でもいいし、
本気でたのしみにいってもいいよ。
インド映画は、本気でたのしく、本気で悲しくやってる。
(だから疲れる)
どうせ君はたのしそうと思われる人ではないだろう。
だったら、たのしそうでモテる人を出したり、
世界がたのしくなればいいのだ。
陽キャたちを観察して、
たのしい世界を描いてみよう。
浅いとバカにするよりも、それをマスターしたほうが、
自分の武器になるかもしれないよ。
たのしい人はモテる。たのしい映画も売れる。
たぶんそう。
2025年04月24日
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