2025年01月25日

【薙刀式】学習曲線と習得

薙刀式は習得の容易な配列のひとつだ。
一方新下駄は学習曲線が大器晩成型として知られる。
なにがちがうんやろ。


Twitterから。
> 「新下駄配列を使うことが日常になる」 きっとこの峠がミソですね。ラーニング・カーブが大器晩成型だから。 たとえば、薙刀式は「ある」「いる」「する」「ない」のような骨格が習得初期にあるので、創作文でも快感を得やすいです。

たしかに薙刀式は「ある」「ない」などを初手でやるから、
日本語の中核語をやれてるような気がするため、
「日本語の骨からやってる」ような感覚があり、
「私は習得しつつある」という自覚を得やすい形になっている。

だけどそれは隣の芝みたいなもんで、
新下駄だって「です」「ます」「には、」「しょう」
なんかをすぐに打てて、
それはそれで別の骨(頻度という意味の)だと思う。


じゃあ両者の学習曲線の差はなにかというと、
「覚えなければいけないキーの数」だね。

薙刀式は50、新下駄は136。
新下駄は2.7倍覚えないと使えるようにならない。

僕の経験だと後半のマイナーカナがしんどくて、
なかなか出てこないもんだから、
なかなか「打ったことがない」状態から抜けられなかった。
(今思えば、マイナーカナ集中練習メニューを、
自分で作ればよかったわ)

あと薙刀式の場合は、
「清音50さえ覚えれば、
残りの濁音、半濁音、小書き、拗音、外来音を、
その場でつくりだせる」
ことが大きいと思う。
136-50=86は、「覚えてなくても同時を組み合わせて出せる」
ことがデカいと思われる。

カナ配列は50音、と思ってる人がいるけど、
カナは140ぐらいある(数え方によって異なる)。
濁音21、半濁音5、小書き9、
拗音と外来音がたくさん。

これらを新下駄は「すべて別置」を選んだ。
効率を重視するためだ。
その代わり、滅多に出てこない頻度のカナ
(たとえば「ざ」「ず」「みょ」「ぴゃ」「ウェ」など)を、
マスターする必要がある。
これはトレードオフだ。

薙刀式は真逆の「すべて同置」だ。
清音位置と同時押しさえ覚えとけば、
和音を組み合わせるように、
濁音化、半濁音化、小書き化、拗音化、外来音化が、
できるようになっている。

だから、新下駄の学習曲線の後半部分86を、
まるっとチートできるわけだ。

このことによって、
薙刀式は実戦にスパッと出やすい。
「まあ忘れててもその場で考えて作れるやろ。
それでも忘れてたら配列図を見よう」
と割り切れるからだ。

新下駄は、
「忘れてたら分かんなくなるから、
徐々に実戦をやりながら、
分からなくなったら配列図から探さないと」
という状態で出ることになるだろう。

この気持ちの差と、物理的な50:136の差で、
学習曲線が変わってくる。


じゃあ、その分新下駄は速いですか?
という問いにおいては、
競技レベルだと僕の薙刀式はkouyさんや複数の新下駄に負けてて、
日常分レベルだと、僕の薙刀式の1500字(変換後)/10分
より速い新下駄は、今の所なさそう、
という感じ。

じゃあ、その分新下駄は楽ですか?
という問いにおいては、
どっちもどっちだなーと考えている。
新下駄は親指を使わない分楽だが、
左手の数字段の分しんどいだろう。
薙刀式は27キー範囲だから楽だけど、
親指をガンガン使うので疲れるところもあろう。

どっちもqwertyより万倍楽だと思うのが、
疲労は測定しづらいのでね…


パパッとやりたいなら薙刀式、
腰を据えたいなら新下駄、
という違いかなーと思っている。

あと新下駄の方が、
左手に要求する技能が高めな気がする。
薙刀式は右手しか信用してないし。

じゃあどっちをやればいいの?
って聞きたくなるのもわかるので、
僕は色んな配列が異種格闘技戦をバンバンやったら面白いのに、
と思っている。ATCは一つの企画だ。
そこでは新下駄に薙刀式が勝ったぜ!
じゃあ次の大会では新下駄がリベンジ!
ってなるのも面白いなーと。



学習曲線が大器晩成型だとしても、
大成してしまえば、
日常使いに何の問題なく使い続けられると思う。

そうなっちゃうと、
どっちでもいいんじゃない?好きな方やれば、
という境地になっちゃうと思う。

だから新配列でエンドゲームした人は、
あまり新配列のことを話さないのかもね。

その新配列がベストである、
なんてことを気にしなくなって、
「qwertyより遥かにマシである」
という現状の方が遥かに大事になるからね。


ということで、
好きなもの触ってみなはれ。
飛鳥でも月でもシン蜂蜜小梅でも、
かわせみでも大西でもニャウでも漢直でも。
一日二日触った感触を比較してもいいんだぞ
(たとえ間違ってたとしても、
自分が使いやすいかの方が重要)。


薙刀式の学習曲線は、
カナ配列の中で、
最も実戦に出るのが速い配列であると僕は思う。
(最もは言い過ぎ? 調査もしづらい指標なので、
言ったもんがちかもしれない)
posted by おおおかとしひこ at 17:45| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
k-codeの学習曲線は、
漢直配列の中で、
最も実戦に出るのが速い配列であると私は思う。
(特に何も考えてない。とりあえず言ったもんがちということで。w)
Posted by kamimura at 2025年01月25日 22:04
>kamimuraさん

定量的根拠があれば主張は可能だと思います。
Posted by おおおかとしひこ at 2025年01月25日 22:07
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