説明にはいくつかのコツがある。
1 誤解を避けるように書くこと。
これは結構難しい。
中身にどっぷり漬かっていると、
それが当然になってしまい、
「まったく違う文脈の人がこれを見たときに、
〇〇と誤解してしまうかもしれない」
と気づくことはなかなかに難しい。
だから、その日だけで書くのではなくて、
一旦次の日まで寝かせて改めて読んでみるとか、
脚本の場合なら一か月寝かせてみるとか、
客観的になるまでの時間を取るとよい。
「こういう人はこう読んでしまうかもしれない」
「こういう誤解のおそれがある」
「こういう人はこれに気づかないかも」
なんて具体的に洗い出せれば、
表現をなおすことが可能になる。
2 冗長な説明をうまく省略する
だが、誤解を避ける完璧な説明というのは、
とても詰まらない。
冗長だからだ。
Aに対応した説明、
Bに対応した説明、
Pと誤解されないための言い訳や前提……
などを多数含むことになるからだ。
それは「たった一行のことですべてわかる」
という文章の気持ちよさから外れていく。
それは「つまらない」わけだ。
だからあなたは面白く説明しなければならない。
面白い説明とは、ギャグを挟むことではなくて、
「鮮やかな説明」であるべき、ということだ。
それはつまり、
「流れをいったん作れば、
その流れで見る限り誤解ないように、
端的に説明されている」
というようなものだ。
つまり、
Aに対応する説明……などを必要とせず、
「この流れならば誤解しようもない」
という説明の流れをつくることが、
説明にとって一番有効なのだ。
そのためには、
対句を使って対比的にするとか
(一方を説明すれば他方は説明なしで理解できる)、
第一に、第二に、など段階的に説明していることを明らかにするとか、
擬人法やたとえ話によって、
説明を省略するとか、
基本的なテクニックがあるわけ。
細かい説明はしない。
そのへんにあるうまい説明を見たほうが早い。
それを、いついかなるときも使える武器にすれば、
いいだけのこと。
つまり、
うまい説明とは、
誤解をしないように、
かつ端的に説明されたものをいう。
そこを練りこめるかが、
説明が上手いか下手かを決める。
2025年05月05日
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