2025年02月08日

【薙刀式】等間隔打鍵とリズム

親指シフトを一通り打てるようになった時、
一番わからなかったのは、
すべてを等間隔で打鍵する、という感覚だ。


実際の打鍵動画はほとんど(いまだに)出回っていないので、
真偽のほどは確認しづらいのだが、
そんなバカなと僕は思った。

文章というのは濃淡がある。
それを便宜的に一文字一文字で書いているだけにすぎない。
それを、ブロック体のように、
一文字を一刻印でやるのが合理的だと?
と生理的な反発があった。

もちろん、それは便宜的なものなことは頭ではわかる。

それは機械の都合に合わせた打鍵だ。
そしてその都合の合わせ方は、
qwertyローマ字より、JISカナより、
はるかに日本語を記すことに近いのもたしか。

めちゃくちゃなリズムの機械打鍵を、
等間隔でスタッカートするリズムに直せただけでも、
表彰ものであったろう。当時は。

だけどすでに僕は飛鳥配列を触ってて、
日本語は異なるリズムの濃淡のある言葉で、
それに指のリズムを合わせるべきであり、
できるだけ合わせたものがこの配列である、
という世界を知ってしまっていた。

だから、等間隔は、前世紀の便宜にしか見えなかった。

飛鳥を使いこなせる指があれば、
飛鳥で落ち着いてたと思う。
でも僕の左手は貧弱で、
清濁別置を使いこなせるほど脳のキャパがなかった。

ので、いろいろあって、
文の濃淡と、指の濃淡が合う配列であるところの、
薙刀式に至る。


ラクダエンさんが、
このことについて長文レスがある。
https://x.com/catfist/status/1888065898512318842

まあそうなんすよ。
結局、ローマ字配列では、
原理的に息切れするのでは
(もしくは息を止めてないと無理)、
と僕は思っていて、だからカナを設計するしかなかった、
というのが実情。
全国大会に出れるほど指の力があれば、
ローマ字のカタナ式でもてっぺんを目指せたかもしれない。

で、結局ローマ字では、
等間隔に打っていくのをベースにして、
時折爆速瞬殺展開する、みたいな変則リズムになるのが、
最適解であろうことは予測できる。

もともとラクダエンさんは、
記録派閥だから、淡々と書くのにいいのかもしれないし。

あとは、その瞬殺パートが何になるか、
というところだなー。



ちなみにタイパーのうぇるあめさんが、
日本国憲法の前文を例に、
こんな加速ワードを披露している。
https://x.com/welch2929/status/1886407212278694082

この黄色い部分が加速部分なのだが、
これはまったくもってqwertyを打つ指の都合にすぎず、
私たちが日本語を書くときの加速している部分と異なるよね?
というのが、
僕のqwertyローマ字に対する最大の批判点だ。

この日本語にとっておかしなリズム
(それは機械の都合)を、
日本語にとって自然なリズムになるように、
機械の都合をつくりなおそう、
というのが新配列の真の目的ではないか、
と僕は考えている。

スピード、運指効率などという数字指標は、
あくまで客観的な議論をするためのものにすぎず、
ほんとうの目的は、
日本語のリズムと指のリズムの一致だろうと。

なので、
少なくともqwertyローマ字を極める先は、
不一致地獄しかないことがあきらかだ。


ローマ字でいける、のか、
カナ配列でないといけない、のかは、
まだわかっていない。

なんなら僕はカナ配列でも、
僕の指ではこのへんが限界とみて、
漢直を調べ始めている。

漢直がこの問題を救えるかどうかもわかってないから、
まあ調べるしかないだろうなーと。
漢直サイドが、このリズムの濃淡について議論してるのは、
見たことがないからね。

見た感じ等間隔っぽいけれど、
それはつねに2ストローク入力だから、
かもしれない。



日本語は、本質的には筆による筆記体である。
それを、印刷技術がブロック体に分けて、
原稿用紙のように筆記体を分割した。

キーボードはその延長にあるのだが、
私たちの思考はブロック体のようにはできていない。
本質はアナログなので、デジタルのようには分割できない。

(サンプリングレートをめっちゃ上げればアナログのように振る舞うが、
それって一文字に数打鍵必要な葦手入力以上になるってことだ。
それは速度性、便利性には欠ける)


このブロックモザイクを、
どこまでアナログに戻せるかの、
戦いをやってるのかねえ。
posted by おおおかとしひこ at 14:10| Comment(4) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
"つねに2ストローク入力"
k-codeは漢直だけど1、2、3ストロークだったりしますよ。
(と言っても使ってるのはおそらく自分自身一人だから、濃淡について議論もないからまず薙刀式のように広めなければ…)
(かと言って広まらなくても自分が使えて満足してるし、広める可能性のある行動は、速度が一番分かりやすいかと思って、自分のための練習結果の速度をxでポストしてるだけという…)
Posted by kamimura at 2025年02月08日 14:07
>kamimuraさん

漢直系が「code」を名乗ってるのも、
「そこまで考えてないです、あくまで機械的なコード変換テーブルでございます」
という無意識なんじゃないかなー、と訝っているところです。

漢字のコードをまずまとめるだけで大変なのはわかるので、
それだけで大仕事なのはわかるんですが、
それでも実用に足りてない可能性を僕は感じます。

どの漢直も、合理的な練習方法が存在せず、
全部覚えろとスパルタ式になってるのも、
その傍証かなと。
「さわればわかる」わけでもなさそうだし。

そういった議論を漢直を議論してるところ
(今はほとんど404で失われている)であまり見なかったので、
実質どうだったのかは不明です。
Posted by おおおかとしひこ at 2025年02月08日 14:26
確かに"練習方法"はk-codeの設計時も、今覚えてる途中でもあまり考えてない(もちろんあればいいけど)からただの暗記、慣れになってます。
(補足: http://oookaworks.seesaa.net/article/505557540.html の1618字から今は1807字になってた。)
>「さわればわかる」
仮にいろいろな漢直でどれも合理的な練習方法があったとしても、かな配列やローマ字配列よりは量が多いから、それぞれ実際に憶えて使ってみてあれこれっていうのも、かな配列やローマ字配列よりハードルが高いかもです。
ということで、議論が発生するとしてもその設計思想、何を大切にしたかとかが中心になりそうな。
(最初に憶えた漢直という意味で、現在使ってる漢直 = qwerty みたいな感じでなかなか他の漢直に変えれないかも。)
Posted by kamimura at 2025年02月08日 15:28
>kamimuraさん

まさにその設計思想がようわからん、
というのが漢直を比較しにくいところです。
T-codeは「新聞の頻出順」と明確ですが、
その順がどの指にどう振られたか、
わからないんですよね。
JK、JIなんてアルペジオを考えていたとは思えない。

その点「カタカナを組み合わせて漢字をつくる」
という足手入力は設計思想が極めてはっきりしていて、
しかも「カタカナは漢字の一部からできた」
という語源から背骨がはっきりしてるので、
哲学的に美しいと思います。
ただ実際に触ってみると、打鍵数がちょっと多いなーと思います。
カナ漢字変換のほうが打鍵数少なかったりしますからねえ。

なので漢直設計者におかれましては、
設計思想やら、
「わたしは漢字をこのように再整理したのだ」
を書いていただくと大変助かると思います。

僕は8ビットのアスキーコードの順番にすら納得がいかなくて、
文句をつけてるくらいなので。笑
Posted by おおおかとしひこ at 2025年02月08日 17:01
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