2025年05月07日

「しっかりしてるストーリー」とはなにか

強固なストーリーとか、
盤石のストーリーとか、
言い方は色々ある。

逆を考えれば良い。
「あやふやなストーリー」だ。


つまり、

・誰が、なぜ、それをやるのかが分からない。
・どこでなにをやるのかが分からない。
・今ストーリーのどのへんか分からない。
・それをやる必要が分からない。
・締切も不明。
・AでなくBをやれば?と思ってもAをやるのが分からない。

などが、あやふやなストーリーだ。

逆にしっかりしたストーリーとはこの逆を考えればよく、

・なぜそれをやるのかがはっきりしていて、
 しかもこの人がやらなければ、やるべきだ、
 が一意に決まっている。
・どこで何をやるべきかがはっきりしている。
・今ストーリーのどのへんか、
 進行具合でわかる。
 (ミスリードするにしても、はっきり分かってるから出来る)
・それをどうしてもやる必要がある。
・締切は明確で、ハラハラする。
・A以外のBCD…の選択肢はすべて潰れた。
 Aをやるのが最短距離でベストの選択肢だ。


しかも理想は、
「ほとんど説明なくこれが了解されている」
ことだろう。

「Bはできないのか?」「むりだ、なぜなら…」
「じゃあCは?」「むりだな、なぜなら…ついでにDもむりだ」
「じゃあAしかないじゃないか!」
なんて会話がない状態で、
Aを選択するのがベストであると、
全員無言でわかっているのが、
しっかりしたストーリーというものだ。

状況がはっきりして、
解法がはっきりして、
しかも容易ではなく、
他の選択肢ではカバーできないから、
それを選択する。
そしてそれをどうしてもやる必要があり、
その動機は明確で、
それをその人がやるのは当然というか宿命である。
その結果どうなり、
次にどうなるかもはっきりしている。

そしてそれが、おもしろい。

それがしっかりしたストーリーだ。


ドイツ人がつくった車みたいだね。

そして、しっかりしてるだけじゃ魅力がないのは、
人間と同じで、
しっかりしつつ、他の魅力もなければならない。
(あやふやでも魅力的な人間はいるか?
いないこともないから、あやふやの欠点をカバーする、
とんでもない魅力があれば許されるかも)

どうしても必要なことはおもしろいこと。
しっかりしてるストーリーは、
その基盤、必要条件だ。
posted by おおおかとしひこ at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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