2025年02月10日

【薙刀式】ヘビーユーザー

ワープロが終わった時点で、
なぜか日本語の入力環境は、
ヘビーユーザー向けではなく、
平均向けとなった。

市場原理からすれば当然のことなのかもだが、
じゃあヘビーユーザーはどうしたらええんやろ。

分からないまま手を壊し、
質の悪い道具のまま質の悪い文章で満足して、
生産性は下振れのまま。


ラクダエンさん:
> エンジニアの仕事にもキーボードが必要なことだが、それでもモノカキほど酷使してはいないだろう
本当は武士の市場調査を行わなければ戦場の現実を知れないはずだ

エンジニアは文章を大して書いてないだろうなあ。
せいぜい技術文書やドキュメント。
主にエディタの補完入力やコピペを使ってると思われる。
Vimが手放せないのは、
その編集能力を買ってのことだろう。

一日1〜2万字、
日本語の文章を書くことはたぶんない。


一方、日本語ヘビーユーザーの実態は、
大規模な調査がないので不明だ。
たまに「#字書きさんの環境教えて」みたいなので、
エディタ、キーボードなどをアンケート取るけれど、
もっと大規模で細かいものがあるわけではない。

そしてこの日本語ヘビーユーザーたちは、
元々が文系であるから、
自作キーボードや論理配列の世界には、
まず入ってこない。
「設計」とか「工作」とかしたことないからね。


つまり、日本語ヘビーユーザーたちは、
IMEからも、
論理配列からも、
エディタからも、
物理キーボードからも、
無視されている。

彼らが日本語の最先端を紡ぐというのに。
これはとてもおかしな話だ。


日本語は世界の言語から見て、
最も複雑な言語に入る。
だがそれを自然に書くための日本人の工夫は、
ワープロの終わり、Windowsという黒船来航以来、
ほとんど進化が止まっている。
'95から数えて30年。失われた30年。

唯一HHKBだけが進化をさせようとしているが、
ロウスタッガードを捨てなかったり、
左右分割しなかったり、
30g以下を検討しなかったり、
40%を検討しなかったりなど、
最先端とは程遠い、15年遅れに僕には見える。

ATOKと一太郎だけでしょ、まだ開発が続いてるの。
そしてそれをヘビーユーザーが使ってるかすら、
不明だ。


よくよく考えてみたら寒くなる。
なぜ日本人は日本語環境を開発しないのだ?

それは、現状で良しとしてるからだろうか。
もっとすごい戦場があることを、
全然知らないからだろうか?

薙刀式動画を見てくれ。
僕はあれより速く書きたい。
1500字(変換後)/10分ペースだが、
できれば1800〜2000くらい行きたいのだ。

そこに現状が全然足りない。
足りないことを、開発者たちは知らない。



標準のMS-IMEを使う上で、
論理配列薙刀式(自作)、
左右分割格子配列36キー、
30gバネ+摩擦最小のHPEステム×PCハウジング(魔改造)、
真鍮仕込みのボトムプレートかつ真鍮貼りケース(自作)、
オールコンベックスかつドーム型のキーキャップ(自作)、
そして最速クラスのiText。

これらを駆使してもなお、
僕は疲れるし遅いと思っている。


金に糸目はつけなかった。
自作キーボード関係でいいものはほぼ試した。
たぶん100万円は突っ込んでるし、
それでも文句がある。

もっと、文句のあるヘビーユーザーも絶対いる。


文句の言い方が分からないと思う。

「押下圧が重い」と文句を言うには、
30gのキーボードを使って実感する必要がある。

手が捻られて腱鞘炎になると文句を言うには、
ロウスタッガード以外の物理配列を使って実感する必要がある。

qwertyローマ字があちこちに手が飛ぶと文句を言うには、
合理的な新配列を使って実感する必要がある。

外国に肩こりはないそうだ。「肩こり」という言葉がないからだ。
アジアでマッサージを受けた外人は「肩こり」という言葉で、
その存在を知るので、以後肩こりがあるようになるらしい。
認識は言葉なのだ。

文句を言うには、
ヘビーユーザーは言葉と解像度が足りてない。




ラクダエンさん:
> でも現状、自作キーボードや論理配列の市場にモノカキはあんまいないと思う。まずは武士がどやどやと入ってきて色々言わないと、野武士として刀鍛冶の真似事をしなければならない現状は変わらないだろう。

いや全くその通りだと思うのだが、
どうしたらええねん、って感じなのよね。

俺がPFUやジャストシステムに入社すればいいの?



ヘビーユーザーになればなるほど手を壊す、
現在の日本語入力はまちがっている。
何が正解かはわからないので、
まちがってる!と声を上げるだけでもよい。

僕は星の数ほど文句があるが、
こういう時は犯人を一人に絞ると効くので、
「左小指でA」に集中させるか。
正気かよ。一番使うキーを左小指だぞ?

変荷重キーボードってあるだろ。
小指だけ30gに軽くするんだってさ。
馬鹿の二重がさねかよ。
まずAを動かせよ。


なぜ進化は、30年も止まってるのか?
posted by おおおかとしひこ at 22:37| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Macbookで親指シフトを使用していました。
MacbookのUS配列だとスペースキーが長すぎて、物理的に親指シフターにはJIS配列しか選択肢がありませんでした。

この度、US配列移行と同時に薙刀式に切り替えました。

よこしまな動機ですが、US配列と親和性が高いというアプローチもあると思いました。

応援しております。
Posted by お茶 at 2025年02月11日 23:01
>お茶さん

変換キーと無変換キーがどんどん端に追いやられて、
JISキーボードを使うシフターも大変かと思います。
MacのJISはまだ英数カナが近くていいんですけどね。

結果的に薙刀式はUSでも全然使えます。
31キーあればどのキーボードでも使えるので、
自作系の30キー以下でなければ必ず実装できるのもデカイなあと。
Posted by おおおかとしひこ at 2025年02月12日 01:45
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