2025年05月08日

説明を恐れるな

説明が下手な人がやりがちなこと。
説明をなるべく避けて、省略してしてまって、
余計に分からなくなるパターン。


人間、苦手なことは避けたくなるものだ。
だから説明するパートを避けて、
なるべく短く済ませたくて、
話を省略しがちにしてしまい、
それがかえってわかりにくい説明になり、
ますます苦手意識がうまれ……
という負のループがよくあると思う。

それはいつまでたっても説明がうまくならないし、
そもそも面白くないことは、とても問題だ。

最悪の「説明が足りて分らない」という状態を脱して、
「くどい説明だが、分る」という次善策を選びなさい。

何が起こっているか分からないくらいなら、
くどくて冗長だとしても、分るほうがよい、
ということだ。


説明とセリフは、書けば書くだけうまくなる、
と言われている。
単にこなした量が少ないから下手、
ということが世の中にはよくある。

だから、下手なりにでいいから、
誠実に説明してくれたまえ。

きょどきょどして説明をなるべくせずに、
クールにふるまっているふりをされるよりも、
口下手だが熱心に誠実に説明してくれるほうが、
誠意があると感じるだろう。
それでいいと思う。
ちょっと長いなー、というものでも、
丁寧にやっていけばよい。

というか、巨匠ほど、
ちょっとした説明でも時間をかけて、
わかるようにしていくと思うよ。
上手いか下手かをわけるのは、
必要最低限に収められているか、ということだけだと思う。
だから3分必要な説明を、5分かけてもいいのだよ。
10秒で説明したふりして「わかってくれ」というよりまし、
ということだ。


この人はどういう人なのか。
今どういうシチュエーションなのか。
一体何が起こっているのか。
事件の真相はなんだったのか。
あいつはなぜそんなことをしたのか。
どうやってこの行き止まりに至ったのか。
いつまでに何をしなければならないのか。
なぜ好きになり、なぜ別れようと思ったのか。

そんなことを丁寧に説明しよう。

で、
説明をしっかりしておくと、
「あとでもう一回説明する必要がなくなる」
という効果に気付こう。
ああ、それは織り込み済みなので、
もう一回説明しなくてもわかるわ、
というくらいになっていることに気付こう。
つまり、説明シーンは、その場だけの説明ではないのだ。
後半に説明をしなくて済むように、
今丁寧に説明している、という自覚をもってもいいわけ。

あと、説明は熱心にやるのがいいね。
口下手でも汗をかきながら説明してくれれば、
人は黙って最後まで聞くよ。
説明に魂が込められていないから、説明が退屈になってしまうんだと思うよ。
スタイリッシュに、スマートに、カッコ良く説明なんてしなくていい。
どうせ人間のやることは、泥臭くて無駄が多いのだ。
それすら楽しめるようにつくることだ。
posted by おおおかとしひこ at 08:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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