2025年02月16日

【薙刀式】頭は低く、目は高く

大山倍達の言葉。
理想は常に高く持ちたい。しかし謙虚に。

ラクダエンさん:
> そもそも大岡さんの手書きが強すぎて最初から理想が高かったのが大きいと思うんだよね。普通の人の作文速度からしたら秒2カナもあれば十分でね?

どうも…そうらしい…それを最近まで知らなかったので、
キーボードに文句言いながら、
自分の能力についてくるものを作ってきたっぽい…

キーボードによる作文能力、1700字(変換後)/10分が、
日本一クラスのタイパーの限界っぽいのを見て、
あれっ、て思ったもの…


いや、たしかにたのんさんのqwertyは、
自分には不可能な指の動きをしていた。
速いのに軽い。そしてしなやか。
初めからそれが最小エネルギーであるように、
ワルツのように動いていた。

あきうめさんの動画を最初に見ていたせいか、
モンスターマシンのようにブルブルと震えながら、
無茶苦茶な運動で速度を出すのかと思っていた。
でもたのんさんのそれは、
剣の達人のように、
動線が優雅になるのかと思った。

で、その鍛錬をものすごく積んでも、
僕の数年の研究の1500に対して1700に過ぎない、
というのに結構ショックを受けた記憶がある。
なんだろ、
「キーボードを極めたら2500ぐらいいけますよ!」
って見せて欲しかったんだろうね。
だって喋る速度は3000だ。
喋るように入力するとか言ってるやんけ。

それは「雅な表現」だったのかと、
リアルを見て理解した。


喋るよりキーボードの方が速い、
という話も聞いてたけど、
喋るのが3000より遅い人の話であったかと。
具体的には喋る速度が1500で、
キーボードが1700ならそれは成立する。

爆速、マシンガン、最速。
キーボード入力や親指シフトに関する形容はいくらでもある。
その速度って1700なんだー、
と、目の前で見て理解した。

たぶん僕が撮るまで、
誰もリアル最速日常文を撮ってこなかった。
競技動画はたくさんあったよ。
でもそれは「攻略」後のゲーム動画であり、
初見プレイの作文ではなかったわけだ。


手書き速度についても、
僕は自分で測定してびっくりした。
900字(変換後)/10分。
これは動画にも残してある。
もちろん自分にしか読めない崩し字なので、
これが提出可能とは思えない。
だけど自分はこれに限界を感じていて、
「手書きよりキーボードのほうが速くなるよ」
という巷の言説を信じてしまった。

あとで調べると、
大学生の手書きの平均が300で驚愕した。
そりゃ遅いわと。
キーボードが500(当時の僕のqwerty)でも速いというわと。

つまり、
世間の言説は、具体的数字のない、
主観的な風景であった。

親指シフトは爆速(900)、
喋る速度で入力(1700)、
手書き(300)より速い(500)。

こういうことだったのだ。

僕のイメージは、

親指シフトは爆速(4000)、
喋る速度で入力(3000)、
手書き(900)より速い(1500)。

くらいだったんだろうな。

1700、300が、僕にとっては3000、900。

キーボードへの要求スペックが高すぎたのだろう。
でもそんなん、
数字がその辺に転がってないのだから、
わかるわけがないよなー…



日本語を最速でキーボードで書くのは、
もう見た。
そこへ薙刀式が届くかも知れない。これから鍛錬すれば。
ただ、要求スペックは1700ではない。


で、僕は困っている。
これ以上の手段がないのなら、
キーボード極めても意味ないのでは?と。

キーボード触っている全員にだまされた。
僕は一人だけ理想が高かったらしい。



実用が秒2カナというのは正しい。

それくらいの速度があらゆる配列の実戦投入の目安だし、
ゆっくり書いていくにはそれくらいだろう。
世間への普及を考えると、
そこをボリュームゾーンで考えた方がいいと思う。

だがしかし、僕は普及が動機ではないのだ。
おれをなんとかしたいだけなのだ。

自分はキーボード素人だった。
だから世間の言うことを間に受けて10年近くやってきた。
その縁で日本一クラスのタイパーの実演を見れた。
英語タイパーはたぶんもっと速かろう。
だけど日本語は変換があるから、
この辺で頭打ちであり、僕は英語で書けない。

あれー、キーボード遅くね?
これ極めても目的にそぐわね?
が、現在地点。


思考の速度で書きたい。
たぶん2000ぐらい。
音声入力は喋るのが苦手で、
手で書きたい。
だが手で無理なら、音声入力覚えるしかなくない?
という場所に今来ている。

ただ、そもそも思考がぶんぶん回って口がついてこないから、
ヲタクの早口になるわけだ。
それも支離滅裂で、長いこと話してやっと辻褄があう
(文的にはあってない)ことを話すだろう。
それを現在の音声入力で正しく書けるわけがない。
YouTubeの間違った字幕が精一杯だ。
結局二度手間になるなら、
現在の手書き→薙刀式の清書が合理的だ。

脳波入力は研究が始まったばかりで、
読み取り精度はキーボード速度より遅いだろう。
(原理的にqwertyキーボードの運動神経を使っているため)


誰もおれの苦しみを救ってくれなくて、
自分で解決するしかない、
というところにいるっぽい。

誰だよ親指シフトが爆速とかいったやつ。
誰だよキーボードは手書きより速いとか言ったやつ。
前提がちゃうやん。


頭を低くしてキーボード道へ入ったつもりだ。
だけどキーボード道の人を蹴散らすことになりそうなんだ。
キーボード道の人から見たら、
野生の大型新人がやってきた、ってことなのかしら。
野生の大型新人的にはふつうなんですけど。


まあ、そりゃそうか。
他の人がキーボード道を磨く時間分、
僕は猛烈に手書き道を極めてきた。
その鍛錬をキーボード道の人がやってるはずがない。
ブラインドタッチ講師も、
qwertyローマ字開発者も、
MS-IME作者も、
Google日本語入力作者も、
クソwordの作者も、
僕の手書き道を知らない。
(ATOKと一太郎は未経験)


というわけで、
頭を低くして入門したのだが、
目が高いところを見過ぎているため、
あとは物理でピアノを習うなどして、
指の動きを物理的に速くするトレーニングしかないのかねえ。


薙刀式は次回更新のv16で開発を止めようとしている。
たぶんこの原理でこれ以上がなさそう。
だから漢直の可能性を模索し出した。

そこに希望はあるのかぜんぜんわからん。
まず漢直先輩たちのやってきたこと(何をどう考えたか)を、
頭を低くして調べたいのに、
ほとんどが404で困っている。
論文にしてアーカイブ化しといてくれよ…

少なくとも体育会系の一対一ランダムコード記憶っぽいことまでは把握して、
それ以外の方法論を調べている。
精々、字母を利用した倉頡、ボシャミー、葦手くらいしかない。
コードの圧縮はわかるよ。
そこに意味はないのかい。
僕は情報工学者じゃない、作家なのだ。

そうそう、情報論概論を学部の情報工学でやったんだけどさ、
圧縮効率とか信号効率の話ばかりで、
意味の話はないんよね。
だからすぐに興味がなくなったので、
通信工学はよくわかってないのよね。
数学的な伝送効率とか興味ないんだなと。

それよりも、意味を伝えたいのだ。


昨日見た伊藤園の俳句はよかった。

 焼きいもが あちちあちちと 宙を舞う

これをこの文の意味のように、すらりと書きたいのよね。
高速度は求めてない。
だが認識の速度で書きたい。5秒くらい?

志が高すぎるのかな?
日本語話者として当然の、道具への要求じゃないかな。

筆なら10秒以上かかりそう。
じゃあ実は、それでもいいのかもしれない。
意味と手の一致が一番ある。
posted by おおおかとしひこ at 18:55| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>志が高すぎるのかな?
>日本語話者として当然の、道具への要求じゃないかな。

大岡さんは思考強者だと思うのですよね

私は思考弱者なので
https://x.com/paya_paya_kun/status/1598941963826659328
この投稿のように
「思考の速度」は制御しきれないので、手書き(あるいはタイピング)を挟むことで制御し切れる速度まで落としてやる、ということをやります
Posted by あす at 2025年02月16日 21:08
>あすさん

よく頭の回転が速いとはいわれます。
10年くらい前にネットで受けた適当なIQテストでは、
135〜140って出てました。

使う道具がそれに付いてこないことの苦しみはいかんともしがたく、
マグネットコーティング前のアムロみたいな状態なのです。
みんなそのガンダムでいいって言ってるよって言われ続けるわけです。

で、そもそも書くことによる整理する段階の前の、
カオスを記録したいんですよねー。
アイデアというのはその変性領域にいるので。
それらをバーっと書き出して、それから書いて整理したい。
Posted by おおおかとしひこ at 2025年02月16日 22:57
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