逆を組み合わせると、何か新しいものが生まれる可能性がある。
愛は優しいものである、という先入観を逆にすれば、
乱暴な愛という概念をつくれる。
そしてそれは、しばしば物語に現れるよね。
他にも色々考えよう。
暗闇で安心する、
指一本触れないで殺す、
残酷な歌、
バラバラの家族(よくありすぎる)、
憎しみ合う夫婦(よくありすぎる)、
平和な村(ホラーの舞台。大体何か隠されている)。
嬉しい日に雨が降る。(「雨に唄えば」)。
好きな人に会えるのは火事。(「八百屋のお七」)
まあ、なんかを逆にしたら、
大体アイデアになるわけだ。
名詞でも動詞でも形容詞でもいい。
なんか適当に先入観のあるなにかをもってきて、
その逆と組み合わせると、
何かができる。
その中には、上にあげたように、
代表的でよくあるパターンがあるものだ。
旅人がたどり着いた最果ての村が、
穏やかな住人ばかりでとても平和で友好的に見え、
地方神を皆信仰している秩序ある村なのだが、
その夜狂い始めて…なんてのはよくある導入だよね。
もちろん、全体的なテーマでなくても、
ディテールとしてもこれは使える。
二つ名「不動馬」の男とか。
公開セックスとか。
低い天井の部屋とか。(「マルコビッチの穴」)
両手が右手の男とか。(「ジョジョの奇妙な冒険」)
なにかしらディテールに癖づけをする時のコツともいえる。
異形、異端、異常をつくることは比較的簡単だ。
その中に真実が込められていたら、
それは物語になりえる。
上のベタな例で言えば、
「家族は仲良く結束するものだ」
という通常があるから、
「私の家族は皆バラバラです」は、
異常家族としてテーマになりえるわけだ。
まあ散々やりすぎて、
「仲良く結束する家族」をあまり見なくなったので、
陳腐化したわけだけど。
人は死ぬからこそ、その逆の不老不死は、
常に物語のテーマになりえる。
人は愚かだからこそ、その逆の全知全能もだ。
両思いがあるからこそ、片思いがあるわけだ。
滑る芸人は、ジョーカーになるしかなかったね。
常識を疑え。
常識や通念の逆をつくってみよ。
逆を組み合わせると、
何かの物語の種になりうる。
2025年05月19日
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