2025年05月24日

慣れてる人はパターン認識が早い

上級者と初級者の何が違うのだろう。
経験の差だろう。

もちろん、出力技術の差もあるが、
まず重要なものは、同じものを見ても認識する、
入力の目が異なることだ。


上級者は例外なく決断が早い。
それは、「見たらわかるから」だといえる。
初級者がおたおたしながら考えて、
ああでもないこうでもない、
と考えあぐねている間に、
上級者は「これ」と認識して、
その対処法を一瞬で決断する。
迷ってもいない。状況が明らかだからだ。

なぜ上級者はそうなのか、を考えると、
現状分析のパターン化が進んでいるからだと思う。
こういう時はこう、がわかっているわけだ。
ああ、それね、ハイハイじゃあこれね、
がスムーズにいくわけだね。

知らない事態というのはない。
大体これとこれとこれの組み合わせかー、
と一瞬で分解できるので、
対処法がこれとこれとこれとに対処できればいいんでしょ?となるわけだ。

それを知らない初級者は、
すべてが初めての事態だから、
あわあわして対処が遅れ、
いつまでも決断できない、
分析も進まない状況になっているのだと考えられる。



さて。
あなたは脚本において初級者から始めた。
どうすれば上級者になれるだろうか。

経験を積め、としかいいようがない。
いろんなパターンを書き、いろんな問題をクリアして、
パターンにまで落とし込め、としかいいようがない。

こういう時はこう書くのだ、
こういう時はこう展開するのだ、
こういう時はこう落とすのだ、
などなどの例を豊富に経験しておくしかない。

それらが多いほど、それらが長いほど、
パターン認識は早くなるに違いない。


注意してほしいのは、
そのパターン認識は、
「パターン」の時だけということだ。
つまり、ベタな、よくある状況、ということだ。
ベタの対処法だけはいっちょまえになるわけだ。

だから、
上級者でも、初めてのバターンや、
初めてのシチュエーションだと、
戸惑うし、初心者みたいにあせり、
間違えることもあるというわけだね。


ここから先は上級者向けの話なのだが、
人間は誰しも人生の初心者である。

初めての恋をして、初めての人生を生きる。
その初々しさを、上級者として描くべきだぞ、
ということだ。

人生に慣れている人を描いても面白くない。
ハイハイこれこれ、とすぐに処理してしまう。
そうじゃなくて、
上級者も知らない、
はじめてのパターンで、
人生初心者のように戸惑うさま、
おっかなびっくり進んでいくさまを、
初心者を観察する上級者のようにして、
書くべきなのだ。

つまり、
「初めての事態」に、
さっさと辿り着くために、
いつものやつの処理速度をあげるのだ。
結果、上級者は、
つねにうぶなことで悩むのだ。
posted by おおおかとしひこ at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック