薙刀式は相互シフト方式を採用しているので、
押しただけで文字が出ることはほとんどない。
押した時点で、同時押しのペアをまだ押す可能性があるからだ。
離した時に、「他に同時押しのペアを押してないですね」
と確認して、はじめて出すべき文字が確定する。
これはメリットとデメリットがあり、
僕はメリットの方が大きいと考えている。
メリットはずばり、
「押しっぱなしでシフトできる」という点だ。
この方式以外での同時押しシステムは、
たとえば「100ミリ秒以内に両方を押す」などのように、
時間に縛られたものである。
これを避けられる。
「Aを押して、押したまま何秒たっても、
そのあとゆっくりBを押して離せば、A+Bを押したことになる」
が実現できるのだ。
これは、「考えながら打っているときに、
考えに頭がとられて手の制御が追いつかないとき」に、
最も重宝する方法だ。
薙刀式はコピー打鍵が目的ではない。
「自分の文章を書く」ことが目的である。
文章を考えることにリソースを割くべきであり、
同時押しにリソースを割くべきではない。
格ゲープロでも同時押しはミスする時がある。
そのことによって、蒸発したアイデアを薙刀式は惜しむ。
デメリットは、以下に議論されている。
なぜ「新下駄配列」を選んだのか
https://www.p6qsoftware.org/ja/blog/why-shingeta/
の記事より引用。
ーーーーここから
薙刀式配列
スペースキーでシフトする配列です。
スペースキーを押しながらタイプすると別の文字が出るパターンですよね?(ちゃんと調べてない)
スペースシフトは、昔自作配列で試したことがあるのですが、KeyDownではスペースが出なくて、KeyUpで出るんです。
スペースを出したくてスペースキーを押したとき、すぐにスペースが出ないと何というか、前につんのめる感覚があって嫌なんですよ。
スペースシフトの時点で却下。
(紅皿の零遅延モードだとすぐにスペースがでるのだろうか?だとすると一考の余地ありだったかも)
ーーーーここまで
KeyUpで文字が出る感覚に慣れれば問題ないです。
スペースシフトだけでなく、
FJ、MVシフト、拗音や外来音の左右2キー3キー同時押しもすべてそうなので、
スペースだけの問題ではなく、
あらゆる同時押しパターンがすべてそれに統一されております。
あとは「キーボードとは押した瞬間に文字が出るものだ」
というスイッチ的な感覚を変えて、
「キーボードとは押して離した瞬間に文字が出るものだ」
にすればよい。
筆は、離した時に文字が現れる。
スイッチじゃなくて筆だと思えば良い。
あるいは、ストリートファイター6は、
入力から画面に出るまで7F程度遅れます。
その間にネットワーク遅延を吸収する仕組みです。
その程度までは人間は許容できるはず。
あるいはスペースシフトの最大の利点は、
連続シフトにある。数文字連続でシフトできるのは、
脳の負荷がとても少ない。
まあ、予断をもって断られることもあるでしょう。
ただ誤解は解いておきたい。
僕はメリットの方を取った。
実際にものを書いてる感覚を重視したので。
ことばは大事だけど、
もっと大事なのはアイデアだ。
それを邪魔する仕組みを排除したい。
2025年03月01日
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> メリットはずばり、
>「押しっぱなしでシフトできる」という点だ。
> 同時押し
k-codeの設計時、シフト方式については結構迷った記憶があります。
逐次シフトか普通のシフトか。逐次シフトならロールオーバー打ちが存分に生かせるから。
結果、どちらのシフトでもk-codeの使用には影響しない(好きな方を使えばいい)ということになりました。
私自身は逐次シフトの方が好みです。
例えばaをシフトキーとした場合、普通のシフトだと「ab」「c」と入力したい場合に「ab」「ac」となってしまうことがよくあったり。逐次シフトならそんな問題は気にしなくていいので。
(これは私の指が不器用でシフトを離すのが遅いだけか、人間の指の特性なのかは?)
どのようなシフト形式がどのような人に向くのか、
適応可能なのかは広範囲の調査がないので、
分からないことだらけです。
人柱としていろいろ試して、
知見を貯めるしかない段階ですね。