キャラクターとストーリーの関係を勉強しよう。
以下のようなエクササイズをやってみよう。
1 まず短編を2本書く。
このとき、メイン登場人物が2人のものにする。
それを、AB、CDとする。
2 AB、CDを入れ替えた話に書き直す。
つまり、架空の2人が、
別の世界線を生きるとしたら、ということを体験するエクササイズだ。
単純に主人公だけ交換でもいいんだけど、
2人だとコンビとして会話しやすいかなと。
2人交換エクササイズとでもなづけるか。
もし俺とあの子がこの物語のカップルになったら、
という妄想や、
もしこの物語の主人公とコイツが現実に来たら、
という妄想はしたことがあろう。
それを、架空の物語同士でやるわけ。
ABが友人で、CDが敵、ということもあるだろう。
ABが恋人で、CDが同性の友人ということもあるだろう。
まあそこは適当に調整してよい。
もともとは女であったが、同じ性格の男に生まれ変わってもよいわけだ。
これで学ぶことは、
事情や状況が仮に同じだとしても、
キャラクターによっては、
反応や行動が変わってくる可能性があることだ。
また、ストーリーに必要な行動が、
そのキャラクターにとって自然じゃないときもある。
Aがピアノを弾ける前提でストーリーが組まれていたときに、
引けないCがピアノを弾くシーンはできない。
なので、
「別のやり方で、その状況を突破する」
が必要になる。
また、AのようにCは判断しないかもしれない。
Aと同じ判断をCがするとしたら、
と考えて、状況を変容させてよい。
異なる判断や行動をしたら別の世界線に変わってしまうので、
同じ結末になるように調整しながら、
ラストまで書き直す、
という決まりにしようか。
そうすると、
あるストーリー、事件から解決までを、
別の人物が担当する、ということをやらないといけないわけだ。
先に2本ストーリーを用意するのは、
別々のキャラクターが転生しやすくするためだ。
ある1本のストーリーの登場人物を変えたものだと、
距離感が近すぎるので、
それじゃないやりかたを考えてみた。
見た目やガワは変わってもよいから、
魂だけ転生した、ということにして、
ABとCDが、別々の世界線を生きてみるさまをつくってみるとよい。
これが長編だとそれだけで企画になりそうだけど、
まあ手間もかかるので、
短編でやるべきだろうね。
友人同士だったのが敵として転生するかもしれない。
仲の悪い相性だったのが、
ここでは無理やり仲良くしないといけないかもしれない。
そういう時に、
ストーリーとキャラクターをどう調整しなおすと、
どう影響が出てくるのか、
ということの勉強になるだろう。
一回それをやると、何が習得できるかというと、
「あるストーリーをどのようなキャラクターでやると面白くなるのか」
という目だと思う。
そのストーリーをあるキャラクターで書いたときに、
面白くなる場合とならない場合がある。
そのストーリーに沿ったキャラクターがやったほうが面白いのか、
まったく異なる文脈のキャラクターのほうが面白いのかは、
ストーリーとキャラクターの組み合わせで変わってくると思う。
なので、
それをどうやったらよりよくなるかなあ、
という見積もりの勘をつくるために、
このエクササイズがあると思うわけだ。
ストーリーが先に生まれるのか、
キャラクターが先に生まれるのか、
ものによって異なるよね。
ストーリーを調整したほうが面白くなるのか、
キャラクターを調整したほうが面白くなるのか、
調整したら面白くなるぞという確信があるのかないのか、
などの距離感をつくることが出来るようになる。
(もっとも、一回やっただけじゃすぐにはマスターできないので、
いろんなものでやってみるのがおすすめだ。
ABとCDをまるっと入れ替える、だけでなく、
AC、BDの組み合わせにしてみるとか、
BA、DCの逆の立場にしてみるとか、
いろいろ試してみるとよいよ)
頭の中で考えるだけでなく、
実際に原稿にしてみることを勧める。
ほんのセリフの一行の重みが全然変わってくることを、
体感できるからね。
3分から5分のがあるとやりやすいと思う。
5分のと15分のキャラクターを入れ替えてみてもよい。
豊富に習作があると、
そういう勉強もできるぞ。
(他人のキャラクターでやるのはあまりお勧めしない。
1から自分でつくったキャラクターだからこそ、
自分の血肉になると思う)
毎回同じキャラを使いがちな人は、
あまりこのエクササイズが意味がないことに気づくだろう。
ストーリーごとに違うキャラクターを作るべき、
に気づくかもしれない。
二次創作ではたまにABのキャラクターが入れ替わったら、
というのがあるけど、
それをもっと高度な遊びにしたものだ。
二人は別の世界線でも事件を解決しなければならない。
2倍おいしいシチュエーションなので、
効率がいい勉強になるだろう。
ストーリーとキャラクターの関係性、どうやったらどうなるのか、
を考えるのにちょうどいい訓練だ。
早くて1日で書ききれるし、
遅くても1週間もあれば書けるだろう。
やってみたまえ。
2025年06月07日
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