僕はわりと最初からこれができたから苦も無くやってるけど、
苦手な人がいるというのをネットで見たので、
練習法でも書いておくか。
それは、「口に出すこと」だ。
脳内で処理してしまうと、
それを発言したのは自分になってしまって、
自分が答えることになってしまう。
それは異なる2者が会話しているのではなく、
自分一人の会話になってしまうわけ。
異なる2者の会話にしたいなら、客観性を持たないとできない。
そのために、
「一度自分の外に出して、他者の言葉として空間に泳がせる」
のである。
もちろん書いてもいいんだけど、
これは単純な練習なので、
音でやってみよう。
そのときに、落語みたいに向きを変えるとよい。
熊さんと八っつぁんみたいに左右を決めて、
熊さんは左を向いたときにしゃべる、
八っつぁんは右を向いたときにしゃべる、
という風に向きと人格を固定すると、
やりやすくなるだろう。
これは、芝居の身体性を使っている。
身体を用いた人格のコントロールみたいなことだ。
「椅子に座ってふんぞり返っていると、
えらそうな気分になり、そういうキャラクターを演じやすい」
ことと同じだね。
左右に向く、という身体性を使って、
人格を割っていく練習をするといいだろう。
目線の上下でもよくて、
立場の上下があるときは使えるテクニックだ。
慣れてきたら、左右や上下がなくても、
声がなくても、
脳内で出来るようになる。
それに慣れてきたら、
二人ではなく、三人や四人に増やしていくといいだろう。
これも難しいならば、
部屋の位置関係を書いて、1234……などと番号を振り、
1から見た234、2から見た134……などの絵を描いて、
それを見ながら発言を考える、でもいいかもしれない。
「その人が見ている景色を見る」というのは、
有効なその人になりきる方法論だ。
たとえばその人がいつか行きたい所や、
住んでると所があるとしたら、
そこの写真を懐に持っておくと、
そのキャラクターの魂が入りやすかったりする。
それをまったく別々の写真にして、
それぞれを持ちながら演じてみると、
キャラクターを使い分けやすくなるね。
写真は依り代というわけだ。
最初は依り代が必要だけど、
慣れてくると次第にいらなくなっていくのは、
そろばんと同じだよ。
頭の中でそろばんを弾けるらしい(僕はできない)が、
頭の中で別人を会話させることは、
出来るようになるものだ。
2025年06月08日
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