2025年06月08日

キャラクターを脳内会話させるエクササイズ

僕はわりと最初からこれができたから苦も無くやってるけど、
苦手な人がいるというのをネットで見たので、
練習法でも書いておくか。


それは、「口に出すこと」だ。

脳内で処理してしまうと、
それを発言したのは自分になってしまって、
自分が答えることになってしまう。
それは異なる2者が会話しているのではなく、
自分一人の会話になってしまうわけ。

異なる2者の会話にしたいなら、客観性を持たないとできない。
そのために、
「一度自分の外に出して、他者の言葉として空間に泳がせる」
のである。
もちろん書いてもいいんだけど、
これは単純な練習なので、
音でやってみよう。

そのときに、落語みたいに向きを変えるとよい。

熊さんと八っつぁんみたいに左右を決めて、
熊さんは左を向いたときにしゃべる、
八っつぁんは右を向いたときにしゃべる、
という風に向きと人格を固定すると、
やりやすくなるだろう。

これは、芝居の身体性を使っている。
身体を用いた人格のコントロールみたいなことだ。

「椅子に座ってふんぞり返っていると、
えらそうな気分になり、そういうキャラクターを演じやすい」
ことと同じだね。
左右に向く、という身体性を使って、
人格を割っていく練習をするといいだろう。
目線の上下でもよくて、
立場の上下があるときは使えるテクニックだ。

慣れてきたら、左右や上下がなくても、
声がなくても、
脳内で出来るようになる。

それに慣れてきたら、
二人ではなく、三人や四人に増やしていくといいだろう。
これも難しいならば、
部屋の位置関係を書いて、1234……などと番号を振り、
1から見た234、2から見た134……などの絵を描いて、
それを見ながら発言を考える、でもいいかもしれない。
「その人が見ている景色を見る」というのは、
有効なその人になりきる方法論だ。

たとえばその人がいつか行きたい所や、
住んでると所があるとしたら、
そこの写真を懐に持っておくと、
そのキャラクターの魂が入りやすかったりする。

それをまったく別々の写真にして、
それぞれを持ちながら演じてみると、
キャラクターを使い分けやすくなるね。
写真は依り代というわけだ。

最初は依り代が必要だけど、
慣れてくると次第にいらなくなっていくのは、
そろばんと同じだよ。

頭の中でそろばんを弾けるらしい(僕はできない)が、
頭の中で別人を会話させることは、
出来るようになるものだ。
posted by おおおかとしひこ at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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