2025年03月11日

【薙刀式】逆にサイトメソッドに挑戦してみた

サイトメソッドはブラインドタッチと、
全く脳の違うところを使うものであり、
上位互換でも下位互換でもない、別の運動である。

ためしに、ブラインドタッチをやめて、
サイトメソッドをやってみた感想。

まず指が邪魔。


薙刀式の印字キーキャップはないので、
qwertyローマ字でやってみた。

まずホームポジションに構えると、
中段下段の印字が見えないことに気づく。
当たり前か。

だから、キーボードから手を外して構えることになる。

位置関係は頭に入ってるから、
あとは見て取るだけ。
秒2カナくらい。おそい。

Aは左中指か人差し指。
分割キーボードは遠いから、
くっつけて使ったほうが視線の移動が短くて済む。

あ、分割キーボードに行かない人、
見てから打ってるんじゃねえか?
(BやTYや6はよく分割で問題になるし)


まあたしかに、
サイトメソッドで打つ分には、
ロウスタッガードだろうがqwertyだろうがどうでもよくて、
「真ん中に集まってて探しやすい」
のほうが有利な気がする。

これが、たとえば大西配列のような配置であると、
左右に毎回視線を動かさなきゃいけなくて、
テニスの試合を見てる人みたいになってしまい、
かえって疲れるのでは?
と思った。


つまり、そもそもqwertyのブラインドタッチ批判は、
サイトメソッドqwerty派閥には、
まるで刺さってないと思われる。

だって、テニスの試合を見る人になるよりも、
適度に視線が固定されるほうが、
マシに決まってるからだ。


おそらく、片手連続が続くほうが楽だと思う。
左手なんてほとんど使わず、
右手だけを使い続けられるのが良い。

僕の右手はDあたりまで侵食する。
左手担当は2列くらいになり、8列を右手だ。

こうなると、A以外の母音を右手で担当することになる。
ほぼ右手一本で書き、
左手はAだけを担当すればよいことになる。

右下に視線を落とす必要はないので、
右手の視界が扇形にひろがり、
ちょうど探しやすい。

左手は添えるだけ。
ASZWしか触らない。気が向けばDもいくかな程度。

QXは使わないから、左手は楽できる。

あー、なるほど、
qwertyサイトメソッド、右手依存で考えれば、
使いやすい配置になってるぞ?


だが、ブラインドタッチから考えれば、
とんでもない動線の無駄をやっている。

ホームポジションに構えられないから、
最短距離移動をしてないので、
指に万歩計をつけるとしたら、
3倍くらいは動いてる気がする。

これは、労力的にも時間的にも無駄だ。


だけど、qwertyブラインドタッチの、
動線の無駄や指負荷の偏りを考えると、
qwertyサイトメソッドのほうが楽まである?

つまり、
qwertyサイトメソッド…楽で遅く、結局疲れる
qwertyブラインドタッチ…速いがしんどく、疲れる

というトレードオフになってて、
「書くことにそんなに労力をかけたくない」
(内容を考えたいし)となると、
サイトメソッドを選択するほうが合理まであるかもね。


これは予想と異なってて、かなりの驚きだ。
すべてはqwertyブラインドタッチの動線の悪さが悪い。




薙刀式のサイトメソッドを、
無刻印キーボードを見ながら打ってみると、
左右の同時押しがとてもめんどくさい。
FJに構えてないからだ。

キーボードから手を離してるから、
よっこいしょってダブル出張しないといけないため、
かなりな負担だと思う。
これなら濁点後付けスタイルの方がめんどくさくなさそう。

せっかくの同指連続を減らして、
異なる指へ振る設計理論も、
視線が横移動を強制されるため、
心地よいとはいえない。

qwertyサイトメソッドみたいに、
もっと近くに文字がないのかと思ってしまう。



なるほど、理解した。


我々新配列勢の、
qwertyローマ字への批判は、
サイトメソッド派閥には届いていない。
だってqwertyローマ字は、
サイトメソッドで運用するほうが良さそうだもの。

そんなqwertyのブラインドタッチ曲芸を批判したって、
何も生まれないわ。
そもそも7割の人がサイトメソッド派閥なんだし。



キーボードを目で見て打つことは、

・右手一本の方が楽、とはいえ全カバーは難しいから、
 左手を添えるように使う
・左右交互に視線が振られるよりも、
 近くに次の文字があり、
 一筆書きを作りやすい方がよい
・1キーに1文字印字がベスト、2〜3文字も書いてあったら探しにくい
・上中下段は等価、とくに違いはない

・ロウスタッガードはとくに関係ない
・一体型のほうが探しやすい

のような感じだ。

一方ブラインドタッチで同じ部分を考えると、

・左右のカバー範囲が均等、各指の守備範囲が3キーずつ
 (人差し指のみ6キー)と厳密に決まっている
・あるキーを打った次に別の指を使う方が速くて楽
 一筆書きよりも指が滑らかに連続できる方が楽
・レイヤーで積んでて、
 指の動かす範囲が狭い方が楽
・中段が最速最楽、上段が次善、下段がよくない。
 (ただし親指との組み合わせは、下段が楽)

・ロウスタッガードは左手をひねるし、
 キー同士の距離関係がいびつで気持ち悪い
・左右分割のほうが肩が開き楽になる

のように、まるで異なる次元であることがわかる。


なるほど、
我々はブラインドタッチ世界の話をしていて、
キーボード全般の話から見ると、
めちゃくちゃ狭い領域の話なのだな、
と、サイトメソッドをやってみて理解する。



さて、これらは脳の別の領域を使っていると思う。

見てからの反応は遅く、
さわりながらの反応の方が速いことは、
格闘技において常識レベルになってきている。

(寝技で接触している方が相手の動きを察知しやすい。
それができない打撃距離だと事故りやすい。
それゆえ中国拳法では、まず相手に触ることをする。
なんなら、目隠しで相手を崩す練習法すらある。
太極拳や詠春拳など、相手に触ってから戦う派閥は、
特に練習する。
剣道でも、相手の剣を触っておき、
動きを察知して戦うのが普通)


ブラインドタッチをマスターした人は、
目をつぶっても文章が打てる。
(漢字変換とかは無理だけどさ)

盲牌してキーの位置を探してるのではない。
ホームポジションに構えたときの、
相対位置感覚でキーの位置を捉えていて、
そこに指を飛ばして、もとの構えに戻っているだけだ。

ホームポジション基準のダンスみたいなものだ。
だからホームポジションが崩れたら、
そこから以降のダンスはめちゃくちゃになるね。

一方、サイトメソッドは構えない。
目で見てキーボードを光らせて、
目と指の身体感覚を合わせて取っていく。
身体感覚は重要ではなく、目が重要。
右手一本でやれればいいくらい。


まったく異なる脳の領域と、
運動領域を使っている。


で。

日本語には漢字変換がある。
そのためには画面を見なければならない。

視線を上下してたら首をやるので、
ブラインドタッチのほうがいいのは明白だ。


ただ、qwertyブラインドタッチは茨の道。
だから、新配列をやるべきだ。


逆に、
サイトメソッド新配列だったら、
どの配列やっても大差ないと思う。
レイヤーに積まれてたら見にくいから、
ローマ字無拡張配列で十分でしょ。

1アクション1モーラなんて、
サイトメソッドにはいらなさそう。
新配列が開発してきた、
ブラインドタッチ用の秘策は、
すべて邪魔になりそうだ。




コンビニのタバコの棚を想像しよう。
何番、と言われてそれを取る。

大体どこが何番か、
何度かやってるうちに空間的にわかってくるようになる。

その空間的な感覚は、
「あとは目で探せば右手で取れる」感覚と、
「最初から両手を構えて、
指一本一本に担当を決めた」感覚では、
異なることが想像できるかしら。

27番は、右の真ん中あたり、という感覚と、
右人差し指の中段ホーム位置、という感覚の違い。

これらは全く異なる感覚である。


新配列を学ぶ時、
印字など見てはいけない。
はなからブラインドタッチでやることだ。
なぜならそれ前提で作られているからだ。

見てキーの位置を覚えることは、二度手間になり、
新配列習得の時間を2倍に引き伸ばす。
しかもサイトメソッドの感覚は、
ブラインドタッチの邪魔になる。
サイトメソッドを消す時間を考えれば、
3倍時間がかかってしまう無駄な行為なわけだね。
posted by おおおかとしひこ at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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