2025年03月14日

声の限りきみの名前を呼ぶ(「アルプススタンドのはしの方」評)

以前評判を聞いてたのだが、ようやく見る機会が訪れた。

(野球好きの)糸井重里が言ってたんだけど、
応援の仕方がわからない時は、
とにかくそいつの名前を叫べばいいんだって。
そりゃみんな「矢野ーっ!」って叫びたくなるよ。
そんな映画だった。


甲子園の応援席アルプススタンド。
そこのワンシチュエーションもの。
野球の試合はもちろん映さない。
試合進行は音とガヤと吹奏楽部のみ。

それだけでストーリーになるのかと思ってたが、
なったわ。
すごいよかった。

高校の演劇部のために先生が書いた台本なんだって。
すごいいいじゃん。
こんな演劇できるなら演劇部に入りたいわな。

演劇らしい、人の出入りが色々あって、
2ショット3ショットを変えて行って、
話題を変えていく技法は真似できる。
そこでセットアップしていく逆算が巧み。

ワンシチュエーションものの参考になると思う。


以下ネタバレ。





久住さんだけがその後どうなったかわかんないんだよね。
メガネの子が「久住いい音出してんぞー!」って、
一人だけ叫んだ場面が一番好き。


青春は叫ぶことだ。
ベタだけど真実だ。
どうせみんなどこかで敗北する。
その一回の敗北でやめなかったやつだけが、
その後やれるんだよな。

とても熱い話でよかった。
見てよかった。

園田も社会人野球やってて良かった。
プロになれるといいな。



あと、伏線の撒き方と、
回収の仕方が見事。
ラストボール飛んでくるんだろ、
とみんな待ち構えててホラきた、
となって落ちた感じだよね。
うまい。
posted by おおおかとしひこ at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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